見出し画像

【イベントレポート】実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方 Vol.04 ゲスト あしたの寺子屋 嶋本勇介さん

※本noteは、2022年10月15日に開催した「実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方Vol.04 「生きた学びの居場所をつくる」あしたの寺子屋とは?のイベントレポートです。

「実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方」 は毎月第3土曜オンラインイベント

はじめに

こんにちは、一般社団法人 ミライの学校 事務局です。このnoteでは、2022年10月15日、ミライの学校が主催するオンラインイベント「ミライの教育の見つけ方」の第4回の様子をお届けします。

今回は、あしたの寺子屋 代表取締役の嶋本勇介さんにお越しいただきました。嶋本さんは、ICTとコーチングを活用して、学習習慣作りと、自分だけの夢中になれるコト・モノとの出会いを実現する全く新しい学びの場をつくっています。最近では「居場所づくり」という言葉をよく耳にするようになりました。本イベントでは、嶋本さんがつくる居場所と、活動を続けていく中で感じているリアルな声を伺っていきました!

それでは、新しい形の居場所づくりを実践している嶋本さんのイベントレポートお届けします!

(1)スピーカーのご紹介

ゲスト:嶋本勇介さん

あしたの寺子屋|代表取締役 嶋本勇介さん

北海道大学卒。
・デロイトトーマツコンサルティング合同会社で、大手企業の戦略策定・経 
 営再建等に従事。北海道へUターン後、高校生向けオンラインキャリアス
 クールの立ち上げ等を実施。広域連携による教育環境の魅力化手法を検証
 する。 文科省・経産省の事業にも多数関与している。
・一財)地域・教育魅力化プラットフォーム
・北海道科学大学北方地域社会研究所 学外研究員
・情報経営イノベーション専門職大学 客員教員

(出典:実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方 Vol.04 ゲスト嶋本勇介さん のご紹介|ミライの学校|note)

モデレーター:高畑拓弥

高畑拓弥|一般社団法人 ミライの学校 代表理事

(一社)ミライの学校 代表理事
(一社)Disport 代表理事
(株)リブル
取締役慶應大学SFC卒。総合商社入社後、インドネシア赴任を経て独立。徳島県最南端の海陽町に移住。(一社)Disportを設立し、県立海部高校の魅力化コーディネーターとして県外生を15倍以上に。未来の水産業の形を創る(株)リブルを設立、牡蠣の種苗生産からスマート養殖の確立に従事。小中学生の越境流動性を高めるため、「デュアルスクール」「サテライトスクール」のモデルを全国へ展開する(一社)ミライの学校を設立、代表理事に就任。

ミライの学校 公式Webサイトより)

(2)本編1 地域における教育の課題とは?


イベントは弊社代表の高畑から
「教育の地域間格差がどれだけ広がっているのか可視化されていない部分があり、地方側は過大評価している部分がある。具体的に地域における居場所をつくって社会とつないでいる活動をしているのが嶋本さんです。」
との紹介からスタートしました。

嶋本さんは北海道札幌市出身。4年間は東京のコンサルティング会社に勤め、その後北海道にUターンし、オンラインの教材や場づくりにかかわる中で、地方や田舎で過ごすラストワンマイルを考え直し、仕組みやきっかけをつくりたいとの思いから、あしたの寺子屋をはじめたそうです。
コンサルから教育業界への転身話も聞いてみたいですね・・・!

課題意識として、学校と家庭以外の第3の場所が無くなってきている中で、

「身の回りでチャレンジしている人がいなかったから、こんな機会がある事知らなかった」
「新しい人と会う機会が減ってきた」

などをきっかけとして、自分が見聞きしたことのない新しい未来を歓迎しにくくなってきている、将来の選択肢が減っていることを課題として挙げ、実現したい世界として、

『1,000か所の寺子屋で教育格差を解消し、どの地域に生まれた子どもでも未来を拡げられる世界』

を掲げ活動を続けています。

教育の地域間格差の原因にあるのは、可能性の認識差が大きいと思っています。そもそも地域の人口が少なくなると、そこを支える産業も衰退し、結果的に地域の大人の多様性も低くなります。
さらにその先には、情報が溢れている社会の中で、都市部と地方の両方に住む若者に同じく情報は行き渡りやすくなってきているのだが、可能性の認識差によって「目に触れたとしても自分事としてキャッチできない状況」になっているのではないかと、地域間格差についてお話しくださいました。
確かに、身近な大人の多様性は、外の世界に繋がっていく力や興味を広げていくことに直結していると感じます。

自分の可能性を信じられたり、当り前にもの・こと・ひとに触れられる場所が田舎にあって、さらに都会とシャッフルされる仕掛けと、物理的にオンラインでもオフラインでも繋がり合えたらとの想いで活動しているそうです。

本編2 あしたの寺子屋の主な取り組み


主なアプローチとして、「田舎の第3の居場所づくり」を起点に、「都会と田舎をシャッフルする仕掛け」と「生徒たちがオンラインでつながりあうネットワーク」を提供しています。
出会うきっかけとして、オフラインであしたの寺子屋さんが自ら出会いに行き、再会をオンライン上で行うことをしていて。がそれだ一つの鍵なのだそうです。

①あしたの寺子屋
 カフェ、ゲストハウスなどとの複業で、地域コミュニティとなる学びの場 
 を全国14拠点で運営。
あしてらキャンプ
 大学生と社会人が地域の中高生に3-10日間で提供する長期休暇のスクール 
 事業。
③シャッフルキャンプ
 都会と田舎の同世代が混ざり合い、1つのアウトプットを創る3泊4日の長 
 期休暇のスクール事業。地元の人も参加して価値観を共有し、越境する。
④あしてらワ―ケーション
 
ワ―ケーションの日程内に地元の中高生と「10年後の働き方」を考えるプ 
 ログラムを実践。

さらに、この先につくりたいものとして、さまざまな事業で出会った大人と子どもが、個別にマッチングしたり日本全国どこにいても様々な大人と出会えるプラットフォームをつくりたいと考えているそうです。
関わる大人が増えることで、将来の選択肢もその分増えていくと思うので、嶋本さんのお話を聞きながら共感と新たな発見に溢れ、画面越しに大きく頷いていました!

現在のあしたの寺子屋について、「寺子屋には司書さんがいて、図書館のイメージ。事務局はアマゾン、司書さんと連携した大きな本屋さんのイメージなんです」と語っていました。
「オンラインとオフラインのイベントを上手く統合的に繋げていくことで、どこにいても自分の可能性が広げられて、応援してくれる大人や同世代と出会うことができます。違うものに触れることで自分の価値観の再定義が進んでいくと思っています。」と力強く仰っていました。

さらに、寺子屋のお金の回し方については、基本は副業型で、三各地の寺子屋を運営する寺子屋長は、足の草鞋で生活しているそうです。
このお話から高畑は、「この話をすると結構大変なんだと思われてしまうかもしれませんが、僕は教育や子どもたちと関わる人こそ百姓であるべきだと思っています。安定が無くなってきている世の中で、百姓的に色々な草鞋を履いている方が安定すると思っていて、尚且つ子どもたちに対して教育的なメッセージもでてきます。」
子どもたちに身近な大人たちが、行動するその姿を見せることで、子どもたちの納得感や自分事に繋がり、世界が広がっていきそうですよね。

本編3 質疑応答編

●まちの期待値はどこに?

Q.町の期待値はどこにあるのでしょうか?(町が予算化しているという話の中で)
A.「必ずこれ」という明確なものはなく、地域によって異なります。よく挙げられるのので、地元の児童・生徒への多様な教育機会の提供です。

今回のまとめと次回イベント

高畑より、最後にイベントに参加いただいた皆様へ

公開事業相談会のような時間でした。皆さんに知っていただきたいのは、教育業界には想いを持って取り組んでいるところには、このようなシナジーがあるということです。目指すべき所のプラカードは、嶋本さんと同じような所に進め出しているなと思えているので、それぞれが得意とする事業を擦り合わせていくことで未来の教育を自分事としてつくり、あしたの寺子屋の活動を通じてこんな選択肢あったんだという気付きにつなげられたらと思っています。日本の未来は明るいとちょっとでも感じてもらえたら嬉しいです。

改めてこんなに子どもたちの事を本気で考え、実践している方々がいて、回を重ねるごとに未来に対して希望が湧いてくる実感があります。毎回イベントが終わった直後は、自分の世界が広がり、選択肢が増えていることに嬉しさでホクホクしています。さらに、あしたの寺子屋とミライの学校で共に活動をしていこうと結束し合い、今回のイベントは幕を閉じました。
今回は、皆さんと考えを深めていく時間だったように思います。嶋本さん、ありがとうございました!

次回11月19日(土)10時からの「実践者に聞く! ミライの教育の見つけ方 Vol.05」のゲストのご紹介

イベント概要

▼イベント名
11/19(土)10:00-11:00 オンラインイベント
「実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方Vol.05 徳島県の小さな町から広げたい!地域の方と大学生がつくる子どもの居場所」

▼概要
「実践者に聞く!ミライの教育の見つけ方Vol.05  徳島県の小さな町から広げたい!地域の方と大学生がつくる子どもの居場所」
ゲスト:筑波大学教育学類4年 川邊笑さん
日時:2022年11月19日(土)10:00-11:00(毎月第3土曜日開催)
方法:zoom(オンライン)
参加費:無料
申込:
http://ptix.at/1AwTE2

皆さまのご参加お待ちしております!!