なぜナースの私が農家バイトをするのか
近所のおっちゃんに、ミカン収穫のバイトに行く、と言ったら
「なんや、はよ看護師に戻らんかい」
と言われた。なんか、すごい悔しかった。でも上手く言い返せずに、まぁね〜って笑ってごまかした。
笑ってごまかした自分にも、悔しくなった。
「看護師の方が良い」と言われる違和感
おっちゃん以外にも
「農業よりも看護師さんのほうが給料いいでしょ〜」
「いい資格持ってるのに〜」
と言ってくる人は、多い。その質問になんとなく返答はするけど、上手く言葉にできない自分がいた。
看護師をやりたくないわけじゃない。私は「農業」という新しい場所に惹きつけられているんだ。
なぜ「農業」に惹かれるのか
では、なぜ私は「農業」に引き寄せられるのだろうか。
ハッキリと分かっていることは
「圧倒的に成長の幅が大きい」ということ。
そして
「自分が元気になれる」という理由がある。
成長幅が大きい
6月に梅の収穫バイトに行った時に、多くの気付きや学びを得ることが出来た。
予想外だった。たった1ヶ月でこれだけ多くの学びを得られると思っていなかったから。
良い意味での、誤算だった。
「多くの学びが得られる」これが看護師を第一選択にしない1番の理由だと思う。きっと私は看護師人生15年で、ある程度「学ぶことへの満足感」を得ていたのだ。
これから看護師として働くにしても、今まで経験したことのある現場には戻らないだろう。なぜなら、見える世界が想像できてしまうから。
看護師としての知識や技術は、今後も活かしていきたいと思っている。だけど、それは病院や訪問看護の現場ではないだろう。
看護師としての私ではなく、わたし自身で勝負していきたい、と思っている。なぜならそれは、私にとって今までチャレンジしたことのない、新しい経験値となるから。
心身ともに健康でいられる
思い起こせば、和歌山に移住してからのここ8ヶ月間は「ととのえる」ことに時間を費やしてきた。環境、心、カラダ。試行錯誤しながら、割と丁寧に自分自身を整えてきた。
大きな転機になったのは、間違いなく6月の梅収穫バイトだった。
半年ほど鬱々としていた私が、身体を動かすことで自分でも驚くくらいに前向きになっていったのだ。
正直、カラダはしんどかったし、バイト終了日に急に全身の蕁麻疹が出た。
ストレスと疲れが一気に現れた。
それでも「毎日身体を動かしている」「労働している」というのは、見事に自己肯定感を上げてくれた。ちょっとネガティブな気分になっても「私は新しいことにチャレンジしてるんだ」って思えたし、「毎日学びで充実してる!」ってイヤなことも吹き飛ばせた。
8月に1週間だけ行ったトマトのバイトは、まさに3K。内容がハードだっただけでなく、精神的にもキツかった。
だけど、ここでも「新しいことに挑戦している自分」「汗水たらして頑張ってる自分」で、自己肯定感アゲアゲだった。午前に農家バイト、午後にパソコン仕事の好バランスにも気づく形になった。
身体を動かさないとイヤになってきた
ここ数ヶ月、なぜだか「ミカン収穫の経験はすべき」と、理由も分からず決めていた。
求人を探しても、11月からの募集ばかり。早く働きたかった。なぜなら、カラダを動かして約1ヶ月に嫌になり、飽き飽きしていたから。それは、家でダラダラ、1日中ゲームをするのが大好きな私にとって、びっくりする変化だった。
ハローワークに行くと、係の人が9月末からの求人を見つけ出してくれた。即、応募した。
働き始めて数日で「ミカン収穫を経験しに来て正解だった」と、すぐに思えた。毎日、多くのことを学ばせてもらっている。アウトプットしきれていないのが残念なくらいだ。
農業には生物の本質のヒントが隠されている
農業を知ることは健康を知ることに直結している。東洋医学を勉強している私にとって、食物の持つ効能を知ることはとても楽しい。本で学ぶのではなく、感覚的に学べるスタイルが、わたしには合っている。
また、植物を知ることは、人間、動物の本質を知ることができると思っている。
例えば、ミカンを甘くするために一定の時期から地面にマルチというシートで地面を覆う。雨が降った時に、余分に水分を吸収させないためだ。そうすると、ミカンが「少ない水分量で甘くなろう!」と努力するのだそうだ。
植物が本来持っている力を活かすようにサポートする。人間の自然治癒力と同じだな、と感じる。
今まで学んできた看護師としての知識と、農業での知識がリンクして気付きとなる瞬間、なんとも言えない喜びになる。
ずっと農業に携わりつづけるのか?
じゃあ来年も同じように農業バイトで食いつないでいくのか?きっとそれは違うと思う。何らかの形では携わり続けるのだろうな、と感じている。
ここ最近は、ひょんなことからSNSマーケティングの世界に興味が出てきた。支援したい農家さんのSNSアカウント運用代行、って仕事もいいな、なんて思ってみたり。
今年の学びが、来年どう活かされていくのか。楽しみだなぁ。
読んでくださり、本当にありがとうございます^ ^