見出し画像

鎌倉ほのぼの散歩 イタリアン、そして七番「光触寺」ふたたび

 これまでのおはなし
 2019年11月、晴天の吉日。
 鎌倉三十三観音様めぐり6日目です。

 この日はとにかく色々ラッキーでした。
 見どころ満載の場所の連続にも関わらず、道程はサクサクと進んでいます。

 前回は、こちら。

 はいっ。
 お昼です。

 いや、もう、お昼をいくらか過ぎています。

 お腹が空きましたよ。
 それはそうです。
 朝早くから盛りだくさんで、すでに「登山」もしています。

 「浄光明寺」さんから、鎌倉八幡宮、そしてお店のひしめく小町通りはそう遠くはありません。道もそれほど入りくんではいませんが、例のごとくナビ子のご案内が裏道なので、大通りから1本入った道あたりを、てくてく小町通りに向かいました。

 途中、鎌倉市川喜多映画記念館の前を通りがかりました。

 なんか渋い映画館だなぁ…
 と思いながら通り過ぎたのですが、後から調べたら、こんなところでした。

旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)は、哲学者の故和辻哲郎氏が江戸後期の民家を東京都練馬区において居宅として使用していたものを、昭和36年に川喜多長政、かしこ夫妻がここに移築したもので、夫妻はこの建物を海外から訪れる映画監督や映画スターたちを迎える場として使用しました。

 なんと、川喜多長政さんかしこさんご夫妻は、東和商事(現在の東宝東和)を設立し、ヨーロッパ映画の輸入を始めた方々なのだそうです。ヴェネチア国際映画祭で黒澤明監督「羅生門」の出品に協力したり、国際映画祭を通じて日本映画を世界に紹介したり、世界中の映画人たちと交流を深めたのだとか。

 良かったら、上のサイトを覗いてみてください。
 映画界の重鎮たる面々や名だたる俳優さん達がお二人のお宅を訪れていて、びっくりします。

 全然知らなかった。
 ナビ子が案内してくれなければ、通らなかった道だと思います。

 ナビ子…
 なにげに鎌倉つうなのでは…

 とはいえ、もともと「ガンガンいこうぜ」「みんながんばれ」タイプではなく、どちらかというと「いのちだいじに」「じゅもんつかうな」の省エネタイプの私と空ちゃん。
 今日は結構、無理して頑張ってます。
 だいぶ、足がパンパン。笑

 この日は、目星をつけていたお店はなく、小町通りのどこかで適当なお店に入りましょうという話をしていました。
 適当にとは言っても、そこは常日頃のリサーチの積み重ねがある空ちゃん。イタリアンならあの辺、オシャレなカフェならあの辺、という「食べログ」的な地図が脳内にインプットされているよう。

「ここ、何かに載っていた気がするなぁ。あれ?でも新しいお店になってる」

 と、たどり着いたのがこちら。

   歩き疲れたし、とにかく入ってみよう!
 ということで、店内へ。
 小ぢんまりしていますが、北欧っぽいデザインの木のテーブルで、洒落たカフェ風のレストランです。

 先客も多く、ランチの終わったグループが出る時間帯だったのも良かったです。

 喉が渇いたわ~、トイレに行かなくちゃ~と言いながら、バタバタと注文しましたが、お店の人は親切で、お食事も美味しくて、大満足でした。


 座ってしまったふたり。
 ちょっとため息をつきます。

「どうする?」
「うん。私も考えてた。どうしようか」
「うーん」

 悩んでいるのは、七番札所「光触寺」さんのこと。

 これまでは、このあたりで二人の体力も時間も尽き、お開きになるところです。これから駅に戻ってバスで…というのが、億劫になりかけていました。

 「今日はお寺が開いているのは間違いないから、行こう」

 と、空ちゃん。

 鎌倉駅に戻り、バスに乗ってぴゅーっと行ってぴゅーっと戻ってこよう、そうだそうだ、そうしよう。

 鎌倉駅に戻ると、光触寺方面に向かうバスが、20分以上来ないことが判明。

 「ちょっと立って待っているの、辛い」

 ということで、すぐ近くのスタバに入りました。

 普段だったら、普通にバス停でバス待ちをするところです。

 さっきまで座っていたのに、もう座りたい。
 この時すでに、二人は結構疲れ切っていたのです。

 今でも思うのですが、もしこのとき相手が性格の合わない友達や、気持ちの通じ合わないつきあいの短い知り合いだったら、ここで険悪になった可能性大だったと思います。

 お互いに思いやれる友達と一緒でよかった、と心から思いました。

 座ってコーヒーを飲んだのはほんの少しの時間でしたが、それでも少し回復しました。
 ブレイクって大事。雰囲気も、体力も。
 「ゼルダの伝説」で、切り株に座って休むとHP回復、というのがありますが、まさにそんな感じでした。

 「光触寺」さんは、バスで行けば、降車するバス停から徒歩1分程度なので歩くところはほぼ、ありません。
 これがバス停から徒歩10分などであれば、今日はやめておこうか、ということになったかもしれません。

 で、なんでこうも、どうしても「光触寺」さんに行かなければならないのか、というと。

 事情はこちらの通り。

 前回行ったときは、お寺が夏休みだったのでお参りできなかったのです。

 今日こちらのお寺に行かなければ、今後のコースを考えると「年内結願けちがん」という悲願が達成されないことになってしまう…

 でもね。

 「年内結願」は、私のワガママなのです。
 もう、年内じゃなくても仕方がないな、とは思っていました。

 でも、こうして空ちゃんが「できるだけ年内をめざそう」と一緒に頑張ってくれて、疲れてるのに歩いてくれて。
 ムネアツですよ。もう。
 結果的に「年内結願」ができるのですが、それは何よりも空ちゃんがいたからだ、と今でも思っています。

 ありがとう、空ちゃん。

 というわけで、「光触寺」さんに到着です!

さすが時宗のお寺、という感じのシックな門構え。
 ちなみにサムネイルの写真が門です。


 上の記事でもお寺の開基については触れていますが、「光触寺」は一遍上人いっぺんしょうにんが開祖、作阿上人開山さくあしょうにんかいざんの時宗のお寺です。
 作阿上人はもともと真言宗だったそうですが、游行中の一遍上人に出会い「パウロの回心」的に時宗に帰依したそうです。

 一遍上人は、四国の水軍の将軍の子として生まれ、10歳で出家します。13歳から法然の浄土教を学び、故郷で33歳まで過ごしますが、33歳の時熊野へ。そこで悟りを得、時宗を開きます。その後、51歳でこの世を去るまで一度も寺に留まることなく日本全国を遊行しました。

 盆踊りの起源になった念仏踊りや、念仏札を配って念仏を唱える、他力念仏を広めた一遍上人。時宗のお寺のほとんどは、お寺を持たなかった一遍上人が建てたものではなく、帰依する信者によって建てられたものです。

 どちらかというとお金持ちや権力者ではない信者たちが寄進して建てたお寺が多いので、時宗のお寺は比較的質素な雰囲気のお寺が多いように思います。

 ここでは、先に参拝している方がひとりいらっしゃいました。
 年齢も私たちと同じくらいの女性で、なんとなく話しかけてみました。

 彼女もやはり、夏休みに御朱印がもらえなかったことがある、とのこと。
 もう何度か三十三観音様参りをされている先輩でした。

 観音様参りには、こうした出会いもあり、それもまたご縁で楽しいものなのですが、実はこの「鎌倉ほのぼの散歩」を通して、参拝の方にはあまり会わなかったのも事実でした。
 曜日や時間帯で、私たちふたり、ということが圧倒的に多かったです。ある意味、良かったのかもしれません。

 さて、「光触寺」では今回、お忙しい中ご住職が御朱印を書いてくださいました。先に先輩に順番をお譲りして、待ちます。

 その間、本堂の扉に、15㎝ばかりの、うっすらとした隙間が!

 そんな隙間…
 あったらやっぱり…

 のぞく。

 まあ、覗いてしまいますよね。

 といって、あからさまには覗けないし、先輩の手前もあります。

 ちらちらと中を見ましたが、奥まったところに納められた仏様は残念ながらほとんど見えず。

 諦めて周囲をあれこれ見回すと、ここにもなんと狛犬さんを発見。

なんだか飛び跳ねているみたいで可愛い狛犬さん

 今日は狛犬づくしだなぁと思いながらパチリ。

この雨水を受ける鎖桶の下に狛犬さんが。

 そうこうしているうちに、私たちの番になり、御朱印をいただきました。

 ミッションをコンプリートした我々。

 お参り6日目はここまでです。

 ところで、これまで「鎌倉ほのぼの散歩」で貼り付けた写真は、ほとんどすべて空ちゃんが撮影したものです。

 空ちゃんは本当に写真が上手です。
 スマホ撮影とは思えない、綺麗な写真。
 構図もバッチリで、今回、noteに添付することにして改めて、本当にいい写真ばかりだなと思っています。
  ちょっとぼやけた写真があったら、それはだいたい私の撮影です。笑

 訳あって、「鎌ほの」の投稿を少し早めております。その訳は、いずれ明らかになる…と思う…たぶん…
 今しばらくの間投稿が立て込むかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。

 次はこちら。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?