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2021年8月25日(水)Let's read the NIKKEI in English 放送後記

ラジオ日経で毎週水曜夜に放送している経済と英語を学ぶ番組Let's read the NIKKEI in Englishの放送後記を書いております、キャスターの多田記子です。(水曜の日本経済新聞夕刊2面にメイン記事英文と翻訳が掲載されています。)

毎月第4週の解説は、NIKKEI Asia 編集部の福田雄大(たけひろ)さんです。

今週のメイン記事は、高級ぶどうのシャインマスカットのタネや苗が不正に国外に持ち出され、中国や韓国で栽培され、日本より安く輸出され、日本の輸出額や量を上回ったというニュースでした。記事によれば、韓国は日本の輸出額の5倍超、中国での栽培面積は日本の40倍にもなっているそうなのです。

見出しでsour「不愉快な思いをする」「苦虫を噛む」という動詞が選ばれているのは「酸っぱいブドウ」からの言葉遊びですね。

イソップ物語Aesop's Fablesで「キツネとぶどう」The Fox and The Grapesにある「酸っぱいブドウ」sour grapesの話はよく知られていると思います。キツネが高いところにあるブドウに手が届かず、どうしてもとれないので、「あれはどうせ酸っぱいブドウに違いない」と決めて諦めるという話から、「負け惜しみ」という意味になります。

このニュースにある状況は日本としては悔しい状況ですが、「やっぱり日本のぶどうの方が本家本元のシャインマスカットであり、丁寧に栽培しているから美味しいのだ、中国や韓国のぶどうは『酸っぱいぶどう』だろう」That's just sour grapes.という、そういったニュアンスがこの見出しのsour.... grapeで暗に表現されていると、私は解釈しました。

日本の農産物は海外で高級品として富裕層に人気があると聞きます。農作物というのは同じタネを使っても、栽培の仕方や土壌、気象条件などによって、出来上がるものには違いがあります。ですので、やっぱり日本のシャインマスカットのほうが、ブランド力や食味で優れていると思いたいですね!

番組では、日経の英文媒体NIKKEI Asiaの記事から3本解説付きで紹介し、高度な英語力を目指す方々のために、最新のニュースに出てくる様々な英語表現を紹介しています。放送後もポッドキャストやラジコなどで聞けるので、ぜひ聞いてみてください♩

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