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ステイホームで見つけたもの。

私は食品販売業なのでリモート勤務できない職種だ


イートインを閉鎖して小売だけになりシフトの変更がありましたが幸い仕事に出ています。

本当ならガッツガツに働いている日々。
仕事に出た日に食料品の買い出し、
休日は外に一歩も出ない。

世に言う「ステイホーム!」🏠


真面目な性格と職業柄夫も私も大学生の次男に至るまでが食品を扱う仕事。


避け密、マスク、手洗いは普通。
忍者のように前方からの人を避けながら仕事のある日に買い出しをして、
3人とも休みの日は家にいる。

自転車圏内の次男の彼女が来たり次男が彼女の家に行ったり、とにかく若い2人もステイホーム。

大学だって春学期はオールリモート、
県境をまたいで大学まで片道2時間の次男に至っては
「バイトあって人と会われへんし、遊ばれへんし、通学ないし、リモートやし、お金たまってしゃあないわ。俺はラッキー」

……と、春学期オールリモートのくせに全額普通に学費を納入した私は、オイオイオイ!…と過去に困窮して貯めた学費でも今、困窮してなければ金持ちかよ!…とモヤります。

リーマンショックでお給料がダウンした時、
学資保険をよっぽど解約したかったけど将来的に
進みたい道に進学する為にはお金が絶対に必要と
夫婦2人で家中の資産を洗い出しお金の管理を徹底的にすることにした。

あの時の経験は今に生きている。

1日1000円5人分と食費を決め(雪路も数のうち)
もやしと豆苗を駆使して乗り越えたのだ。
夫にもプライドがあるだろうから同居の義母、
雪路に食費をもらいたかったけど言えなかった。
耐えた〜。貯めた〜。

リーマンショックのあと時給800円で2年間働いて
お金を貯めた。時給はなかなか上がらなかった。

少しずつ時給は上昇していき今や同じ店舗で勤続10年目。

家計簿の鬼、おかげさまで私学の学費を貯めました。今となっては分散投資をする身分。
お金のことに真剣に取り組むようになって得体の知れない不安に襲われることがなくなった。

次男が西の名門と呼ばれる大学に通い始めた秋、
乳がんが発覚し同時に子宮頸上皮内にもがん発覚。

それでも、
「あら、お金のことは心配しなくていいわよ。
もう貯めてあるから」
と言えたのは過去の自分のおかげかなと思う。

左乳房はもうないが悔いもない。
そして同時に自治会長の任務に就いていて、 
コロナ禍寸前に任期満了。

たまりにたまった資料などで家の中が混沌としているのが嫌で任期満了準備としてコロナ禍になる前には家の中の片付けは終えていたのだ。

ただ、気になっている場所はあった。
大量に未現像のフィルムがあったのではなかろうか。

あのダンボールは次男の部屋のクローゼットの上に押し込んであったよな。

そんなわけで引っ越して17年開けてなかったダンボールを開封して整理する。

ところが17年前の自分、
ワンオペ育児でものすごく大変だったはずなのに
フィルムをケースに入れて綺麗に整理してある。

今はナニソレの短期間しか発売されなかった、
カートリッジフィルム。
横を見れば現像済みか未使用か未現像かがわかる仕様になっている。

ケースに入ったフィルムを見れば、
1本の未現像を除いて全て現像がされていた。

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襲いくるエモ。
狂おしいほどのしあわせが詰まっている。

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長男の作った自作の絵本や次男が描いた絵の裏には
○○.○歳○ヶ月 と、書き入れられていた。

子どもたちの子ども時代が2度と訪れないことを知っていたので記録魔の私は必死に足取りを残そうとしていた。

次男が生まれる時の里帰り中の日記も出てきた。

なかなか生まれない次男、
短期間の保育園に入園し情緒不安定になる長男。

そのことに胸を痛めていた自分がいて、
とにかく早く長男に弟の存在を受け入れてほしいと
願っていた。
自分の事はほぼ記載されていない。
長男のことばかり記載されていた。

ちゃんと母親だったんだな…と思った。

おかげで兄弟仲の良い2人の青年と、
夫婦仲も安定してコロナ禍を迎えた。

ステイホームで見つけたものは
家族の記録と1本だけ未現像のフィルム。

このフィルムにはどんなものが写っているのだろうか
まだ現像できるのかも謎だが、
落ち着いたらカメラ屋さんに持ち込んでみよう。

趣味「カメラ」は素晴らしいし、
上の写真に写っている人たちは全員
時を経て今は別人に変化している。


決して戻ることのできないのが時間であると思った。我々は経験を武器に前に進むしかないのである。

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