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人材育成ってどうやるのが一番いいのか

人材育成についてはいろいろな本が出ている。そういうノウハウはとりあえず一般論ということで納得はしている。ただ一般論に当てはまらないのが「人間」なので、それこそ一人一人違う対応が必要になる。さらに適材適所などと理想的な環境整備が出来れば、合理的で実績も上げやすくなるのかもしれない。でもそうなっていないから、組織はおかしくなってしまう。

これ、会社あるある。

目次

1 まずは人材という素材から素質を見抜く
2 素質の見分け方
3 簡単にいかない適材適所
4 やらせてみよう

1 まずは人材という素材から素質を見抜く

 管理する側(部下を持つ側)になってかなりたつ。
毎年若い社員が入ってくるのでそこから見分る方法を話したい。あまりうまく言えないけれど、自分はなんとなくその人がすぐにわかってしまうという特技がある。でも、それはパーソナルデータの蓄積と分類によるものかもしれない。

常にいつの時代も、「今どきの若い人は」という言葉がある。もちろん私たちも言われてきた。私たちが上司になって、やっぱり世代の違いを感じるとき同じことを思ってしまう。ただ人の傾向というのはあまり多く分類できるものではないので、ある程度区分できる。血液型が4分類で語れるのとおなじようなものだ。

2 素質の見分け方

素質を分類すると、発想、継続性、柔軟性、協調性、意志、頭の良し悪し、性格あたりだろう。発想の面白い子はおもしろいことを考えるけれど、継続的に同じ仕事をすることを好まない。継続性は我慢強さでもある。どんな状況でも耐える精神力があるかどうか。柔軟性は言葉通り。自分にとって意に介さない事でも曲げられるのか。協調性、概ね他者と会話が成立するかどうか。意志の強さは根性にもつながるわけだが、自分の意志を持つか持たないかで、病気になりやすい傾向かどうかがわかる。頭の良し悪し・・これは普通にわかる範囲だろう。性格の良し悪し・・明るいほうが職場にはいいだろう。簡単に言うとこれぐらいの要素を見極めると欠点と長所が見えてくる。

人は皆これらの素質は持ち合わせている。しかし、それが一番多く持っているところに個性が現れる。

例えば、協調性があり柔軟性にあふれる若者。概ねこういう子は明るくて感じのいい印象を与える。でもこれで意志が弱いと、困難な状況に耐えられなくなる。こういう子はルーティンワークの方が才能を発揮する。誰とでも明るくうまく話ができる。総務や庶務などの説明を要する仕事で決まりの中で決まった通り行う仕事がいい。困難な状況になると、協調性が強いので、周りと一緒に萎えていく。決して解決への道を先導する人にはならない。

逆に困難にぶち当たってもめげないのは、協調性とは縁がないと思われるタイプ。これで気が強ければパーフェクトだ。絶対に潰れない。だからこういう子は「君は困難に負けない根性がある。」とほめる。本当に頑張ってくれるのだ。

頭が悪くてもできる仕事があるし、頭が良ければそれはそれで面白いかもしれない。でも人ははまったところで努力する。それこそ人それぞれの進歩をするので、進捗状況に差が出るのは当然。でもそれを責めたら、その人の才能をダメにする場合がある。

3簡単にいかない適材適所

そもそも採用するとき、皆一様に同じようなことを言うのでそこから見極めるのは困難なのではないかと思う。グループディスカッションとか問題解決プロジェクトとかの課題を与えてその様子を見る方がわかりやすいと思う。

5,6人のグループに分けると必ず仕切る人、司会をやる人、方向性を出す人、書記をやる人、発表する人・・・役割ができる。あとは会話の中身でわかる。採用試験に是非これを入れるべきではないだろうか。

万能感が溢れる若者は、ある意味すごく目立ち先頭に立って仕切る。これはある意味面白いかもしれない。これが事業開発とかならアイディア勝負みたいなところがあるので、いいかもしれないがそこで見極めるべきは事務作業ができるかどうかだ。万能感満載の子は事務仕事をバカにする傾向があるのでできないケースが多い。となるということだけ言って資料も作れないということになる。これが両方できれば頭もよろしいということでめでたく採用となる。しかし、言うだけなら組織をかき回すだけになる。そうなると面倒臭いのだ。引かない傾向があるので自己主張だけで押し通そうとする。とこのくらい強ければそれもありだろう。そうじゃない場合は病気になる傾向がある。

つまり採用試験の時に、ある程度見極めることが出来る試験が必要ではないかしら。

筆記と面接だけじゃわからない。新入社員に閉口することが多くなった近年、そこを変えないと適材適所にはならない。庶務系の仕事は我慢強くないとできない。やりたいことだけを掲げて入社する若者にとって最初に配属されるところはほとんどの場合、予想と違うということから始まる。

それを我慢できるかどうか。あるいは見切りをつける若者もいるだろう。
うちの業界はほとんど辞めない。辞めるケースもないわけじゃないが、特に困るのは素質のところですべての要素が低得点と思える場合、仕事もできない、人の言うことも聞かない、協調性もない、性格もいかがなものか・・・なんて言う場合、こういう子は絶対にやめないのだ。将来必ず問題になるであろうと思っても、やめさせることもできない。

だから最初の入り口で止めなければ不幸になるわけだ。でも、本人は不幸じゃない。これが会社あるある。そういう場合、どこに置いても難しい。

4 やらせてみよう

今までは会議資料とかを用意するのは、担当者の責任で行ってきた。プロジェクトチームとかを組んだ場合、資料作成も若い子たちに任せてみた。

方向性だけを示す。つまり結論はここにもっていくと決める。問題があることは十分承知している場合、その問題点を最初から挙げる。それについても回答も用意しておく。計画資料だけでなく、起こりうる問題点を先に検証して回答を用意することでプレゼンの時間は大幅に短縮できるのだ。
さらに、その資料も若い担当者たちにすべて任せる。もちろんチーム内でできる人とできない人が分かれる。資料が作れる人、問題点を見つける人、方向性を出せる人、言いたいことだけを言わせるのではなく一つのまとまりとして決着点を持っていることで、彼らを同じ方向に向かせることが出来る。

それでも、問題は起こるだろう。それこそPDCAではないかしら。

結局人材育成というのは、まずやらせてみるということだ。その前に彼らが活動しやすい環境を作るのも大事な事だ。言いやすい環境、自分の責任で仕事をしている感覚、担当者としての自覚と責任、そういうものを持ってもらえる環境を整えるのが上司の仕事だと思う。

やってみておもうことだけど、若い子たちって面白くっていろんなことを頑張ってくれる。ある意味そのエネルギーに影響されたりして疲れてしまうのだけれど、それでも彼らの成長を見るのは楽しい。どこかで「勝手なこと言うなよ。出来ることとできないことがあるんだよ」なんて内心思う時もあるけれど、それでも面白いと思える。

ずっと自分の部下でいることは無いので、その個性を発揮してくれればと願う。彼らの個性を受け入れてくれる職場であることを祈るばかりだ。


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