メンタル【初ITJ:IZUTRAIL Journey】崩壊
2024年12月8日
今年最後のレース、ITJ(伊豆トレイルジャーニー)に、初参加してきました。
ITJは来年のマウンテン&トレイルランニング世界選手権の日本代表選考レースにもなっているらしく、海外や日本全国各地からトップ選手が出場するビッグレース。
私も参加した70kの部のスタートリストを見ると、有名選手に疎い私ですら知っている猛者様たちの名前がズラリ。
ちなみに、ITJってどんな感じ?と周りの人に聞くと、みんな口を揃えて
「走れるコース」「達磨山のところの景色が最高」「風が強い」
これしか言わないw
私は球磨川のマイルから3週間後。
疲労がどれくらい抜けてるかもわからなかったので、年内最後にみんなでワイワイしながらのんびりイコー♪というゆるふわモチベーション&無調整で参加。
球磨川あとはほぼノー練習。
<今回のレースのアクセス>
※今回の遠征は、岩手のランニングチームの方々とご一緒させていただきました。今年5月の奥久慈で知り合ったランナーさんのご縁!全員初めましてなのにみなさん本当に親切で、優しくて…。。尊
奥久慈で出てよかった!笑
ITJはワンウェイのコースで、スタート・ゴールが離れている上に受付会場も全く別の場所。
まずは三島の受付会場へ。
必携チェックはレイン、背面ライト、ヘッドライト、マイカップ。(ITJは「ごみの削減」をコンセプトにしているので、紙コップでの給水や紙皿でのエイド食の提供がない)
アスリートチェックインを済ませたら、会場ブースをお散歩。大きい大会は出展が充実しているし友達も多くて、歩いてるだけで楽しい♪
受付後はゴール地点付近の修善寺へ車で45分ほど移動、さらにそこから事前予約したバスでスタート会場の松崎港へ。これもバスで約1時間。
アクセス複雑すぎる!スタートに辿り着くまで過酷ジャーニーw
宿は、スタート会場から徒歩5分ほどの伊藤園ホテル。招待選手や大会関係者の皆さんも多く泊まっていました。
9月からトレイルのレースは4回目なので準備も慣れたもの。マイルレースとか勝負レースでもないので、あまり神経質にならずにサクサク準備完了。
ビュッフェでしっかりご飯を食べて、部屋でさらに飲んで、22時ごろに就寝。
ちなみに前日飲酒量は日本酒ちょこっと、生ビール×2、缶ビール3、ワイン×1。これでもまぁまぁ抑えた方ですw
当日朝は3時に起床、朝ご飯と準備を済ませたら5時に宿を出発して徒歩で会場へ。とにかく風が強すぎて、気温はそこまで低くないのにめちゃくちゃ寒い!予報では風速15m…吹っ飛ばされそうw
強風のせいでスタートゲートなし。
友達と写真撮ったりおしゃべりして、のんびりAブロックの後方に整列。
今回はトレイルフローで算出したタイムを目安に8時間半〜9時間くらいで計算。遅くともヘッドライト使わずに帰ってこられたらいいな〜くらいの感じ。
朝6時に70kがスタート。
初のジャーニー楽しむぞ〜!(と、思えたのは最初の1時間だけ…)
※今回、本当に余裕がなくて全然写真も撮れなかったのとコースを記憶喪失してる為、私の気持ち的な部分の記載多めになります。
<これはウルトラですか?〜A1/26kmこがね橋>
スタートして、しばらくロードと林道区間。登り基調のほぼ峠走。序盤走り過ぎると後が大変と聞いていたので抑えるものの、周りのペースに嫌でも巻き込まれ気味、微妙に走れちゃう斜度なので走らざるを得ない感じ。
途中9km地点にあるトイレに行きたくなった気がしたけど、ひとまずスルー。その後もひたすら走らされる道。眺望なし。
つ、つまんねぇぇぇ…!!
これ、トレイルっっていうかウルトラマラソンやん…
走れるコースだよってコレのことかー。。
私は奥久慈とか筑波山みたいな癖つよコースが好みなので(斜度キツすぎて走らなくて済むからw)この時点でちょいネガティブに。
そしてA1手前で、見覚えのある方の姿が。なんと女子優勝候補の清宮さん。清宮さんがこの位置にいるって通常あり得ないし、上下レインも着込んでいるので心配に思って少しお話しさせていただいたら、転倒によるトラブルとのことでした。
清宮さんに応援の言葉をかけてもらい、トイレ行きたかったので先を急いでA1手前でピットイン、エイドはスルー。
ここまで2時間48分。予定より10分巻き。
<完全にやっちまってる感〜A2/40km仁科峠>
これ以降、コースはほぼ覚えていませんwとにかく風が強くて激寒&乾燥が凄まじかった。
前半でペースは抑えてるものの、だいぶ走ってしまったせいか早くも疲労。マイルの疲れが残っているのか?序盤なのに登りがとにかくキツく感じる。。周りの選手は登りもしっかり走っているので、相対的に「え、私、もしかしてもう終わってます…????」みたいな感覚に初めて陥ってしまい、さらに辛くなる。
応援に来ていたエミさんが声をかけてくれた辺り(何キロ当たりだったか失念)ではもう、「かなり疲れてます…」って弱音を漏らしてしまうほど。。
テンション急下降気味ながらも、途中行き合ったジンさんと少しおしゃべりして気を取り直し、二人で次のエイドの仁科峠に5時間以内に着くことを目標に設定。
仁科峠は28kの部のスタート地点なので、それに間に合えば28kの友達にも会える!と切り替えてなんとか進み、A2に到着。
かなり疲れていて、友達が話しかけてくれたりしてもいつもみたいに元気いっぱいに返せず、情けない。
正直、もう5時間も走ったしここで辞めてもいいかな…と思ったけど、とりあえずエイドのうどん摂取して給水して無理やり出発。
ここまで4時間53分。予定より7分巻き
<潰れてメンタルパニック〜A3/51km土肥駐車場>
この後は確か稜線が綺麗な区間だったはずなんだけど、全く景色を楽しむ余裕はありませんでした。富士山の写真も一枚もなし。
序盤に28k選手のナミちゃんや知り合いのランナーさんが抜き際に声をかけてくれるものの、返事するので精一杯。
途中で応援に来てくれてたつっちーやトモさんに会っても、情けない顔見られるのが恥ずかしくて。「寒くて…。。」って誤魔化して、ずっと手で顔を隠していました。
だんだん体調も悪くなってきて、平坦でペースを上げたり登りを頑張ろうとすると過呼吸みたいになってうまく息ができず、涙まで出てくる始末。ロードの登りで28kのちよちゃんにも抜かれ、心配される。この辺りが一番きつくて、潰れたゾーン。
辛いならのんびり歩けばいいのに、なんで走ってるんだろ?
自ら走って辛くなってるのに、もう嫌だとか思ってるのなんでなんだろう?
絶対完走したいレースっていうわけでもないし、もう次のエイドで辞めよう。
捻挫したら辞められるし、捻挫してもいいかも。
自分らしくってなんだっけ?
とかぐるぐる考えながら半泣きで走る。
今まで、膝痛くても怪我しても、マイルでも、辞めようなんて思ったことなかったのにこんなの初めてで、自分自身のメンタルにパニック状態w
こんな時は食べたら元気出るかも。と思って、A3手前のロードの登りをとぼとぼ歩きながら、同宿だったともさんから前日に頂いたお餅を摂取。
…しようとしたら、「ここは歩いたらあかんっ!大量に抜かれるで〜!この3人で行こう!」と、若者を従えて後ろから走ってきた元気なオジさまに喝を入れられるw
普段ならありがたい声掛けなんだけど、今は、無理っす…
半泣きになりつつ一瞬だけ一緒に走るものの、こんな潰れてる時に人にペース合わせるべきじゃないと冷静になって、結局歩く。
もうここで辞めたい…
というか、もう辞める気満々でA3インw
けど、エントリー費高かったし。
スタート会場来るまでにめっちゃ時間かかってるし。
みんなもまだまだ頑張って走ってる。
残り17kmなら、とりあえずもう歩いてもいいから行く…?
とか考えながら用意されていた缶ジュース一気飲みして、給水して出発。(歩いたらアカンおじさまは、エイドでパスしましたw)
ここまで6時間34分。予定より11分巻き
<辞めるの辞めた!からのバチバチデッドヒート〜FINISH/67km>
なんとかエイドアウトしたものの登り始めるとやっぱり苦しい。こんな気持ちで走るの辛いしつまんない。。楽しめないなら辞めよう…。と一度立ち止まりエイドに戻ろうとした時に、序盤に会った、清宮さんのことを思い出す。
走りたくても走れなかった人がいるんだよな。。
私は怪我も故障してない。体が全く動かないとかでもないのに、今辞めるのってなんか違う?苦しいなら歩けばいいだけなのに、辛いと思ってるとか自爆しただけだしな?辛い、つまんないから辞めるって自分らしくないな?
ここまでどう走ればいいのか分からなくなって、取り乱して、辞める理由を頑張って探していたけどようやく正気に戻るw
なんでもいいからとりあえず進むことに。それにA3手前で食べたお餅のおかげか?なんだか少し元気が出てきた気がする!
そして冷静になってみると、下りは結構走れていることに気づく。(レース中下りでは誰にも抜かれていない)
開き直って登りは歩き倒し、下りは走る。を繰り返していたら、ちよちゃんに追いついてお喋り。一緒に走れて嬉しかったな。
そのあとは中野さんに追いつき、少しお話しながら一緒に走らせてもらう。知り合いの方と話せるだけで気分も少し晴れるので、本当にありがたかったです。中野さんは3週間前のFTR100マイルのダメージが残っているとのことだったので、下りで先に行かせてもらうことに。
後半は達磨山レストハウスまで少し登ったりしたら、あとは10kmくらいほぼ全下り。登りは全然ダメだったけど下りはいけるから、ようやく少し元気に。捻挫にだけ気をつけて、自分の気持ちいいリズムで。ハイカーさんが多く、応援の声かけにようやくしっかり笑顔で挨拶を返すことができました。
時間を確認する余裕もやっと出てきて、予定チャートの8時間45分は行けそうだな〜なんてホッとしながら走ってたら、ラスト4kmあたりで前方に黒ゼッケン(速い選手の証)女子を発見。
え?こんな終盤で黒ゼッケンの人に追いつく?!?!
しかも追いついた時ご挨拶したら、まさかのサチさん。まじか。。
めっちゃ速い女性だと知っていたので、今の順位分かんないけどこれはもしかすると入賞絡む?ITJでそんなチャンス絶対今しかないよね?(もう来年は出たくないしな!!!)。と思い、ご挨拶して少しペースを上げてパス。
抜き返されるんだろうな〜〜〜なんて思いながら走ってたら、なんとそのあとラスト3kmのロードに突入するタイミングで、今度は黒ゼッケン女子の菜穂さんに追いつく!えーーー。こんな終盤で…!?
こんな展開になるなんて全く思ってなかったけど、ここまできたらもう勝負する以外の選択肢がない状況。
すぐ後ろの二人ともめちゃくちゃ強い選手なので、抜かしたら抜き返されるのは覚悟の上で、ラストのロード3km、長いスパートをかけることに。
こんなの聞いてないョーーー!泣
(残り1kmとかまで後方で待てば良かったのかもしれないけど、なんかそれもズルい?いや、ズルくないんだけどなんか嫌な気持ちになるかな?とか思って早々に頑張ってしまった)
そこからは、それはそれはもう必死でした。
ロードの最初1kmはキロ4分19秒のラップが出るものの、攣りそうになって慌てて少し落とす。絶対に歩けない。後ろをチラッと確認すると、、やっぱり!菜穂さん見えてるううぅ!ぎゃーーーーやっぱり強い!追いつかれるうぅーー泣
ココで攣ったら終わりなので何度も後方を伺いながら、ギリギリ攣らないペースだけど全部振り絞って、命からがら逃げ切りゴール。
その直後に菜穂さん、続いてサチさん。14秒の間に女子3人がゴール、全員オールアウトで倒れ込むという男子並みのデッドヒート。
ゴール後は、やっと終わったっていう安心感、レース中の自分のメンタルへの情けなさ、最後の苦しさとかが入り混じって、男泣き。
待っててくれたみゃこちゃん、なっちゃん、つっちーの顔見たら安心して、また涙。。
ゆるっと走ろ〜ってスタートして、全く思い入れのあるレースとか勝負レースではなかったのに、こんな涙が出るなんて初めてでした。(ラスト4kmで急遽、字の通り勝負レースになってしまったけどw)
結果としては
8時間24分17秒
女子総合5位
表彰対象は総合5位までなので、3人でバチバチに競り合って最後の表彰枠を勝ち取る形となりました。順位分かってなかったけど、本当ギリギリの滑り込み。
ITJのようなビッグレースで入賞するなんて夢にも思わなかったので、結果辞めなくて良かったです…
菜穂さんサチさんのお二人がいなかったら、絶対こんな最後頑張れなかった。ずっとお話ししたいと思っていたお二人と走って、写真撮れて感無量。
一生忘れないレースの思い出をありがとうございます。
そして、辞めるの辞めた!!ってなれたのはレース中にお話できた清宮さんのおかげ。感謝×1000!
<メンタルパニックの原因>
レースでこんなに疲弊して、ネガティブになったのは今回が初めてでした。100マイルレースの方が10倍くらい元気だったw
レース中は体動かなくて全然ダメだった…。っていう感覚が強かったけど、終わって改めてタイムチャートや通過速報を見返してみると、そんなことはなく。
組んでたタイムチャートより20分速くゴールしてるし、エイド毎に総合でも順位は上がっているので、全然ちゃんと走れてたということ。潰れたと思ってたけど、実際は潰れていなかったw
原因としては、
⚫︎マイルレースの疲れがまだ残ってた
⚫︎大きい大会なので周りに常に人がめっちゃいる
⚫︎走れるコースかつマイルじゃないので登り走る人が多い
⚫︎速い人たちのゾーンで走ってしまった?
など。
こんなにずっと走り続けるトレランレースが初めてだったのと、常に周りに人がたくさんいるので、歩いてる自分を相対的に遅いと強く感じてしまいました。よく考えたら登りで抜かれた人には下りで全然追いつけてたし、前後にいる人そんな激しく変わらなかったのに。マイペースを貫けませんでした。
あとは、この一年で周りに「入賞目指して頑張ってね!」と言われる機会が増えたことも少なからずあるかなぁと。最初から順位を狙って走るのが好きじゃないのに、無意識のうちに「ダラダラ走っちゃいけない」「ちゃんと走らないといけない」っていうのが頭の片隅にあったんだと思います。
それにしても、ダメだと思っていたら体って動かなくなるし、イケるかもって思うと体は動く。心と体って本当に繋がってるなぁと改めて。
ITJのコースは私は本当に苦手w
もう2度と出たくない!やだ!!!って思ってた(今も思ってる)けど、今までこんなずっと頑張って山を走ることなんてなかったので、めちゃくちゃしっかりした練習、そしてすごく良い経験になりました。
余裕がなすぎて、ボラやスタッフの方に挨拶を笑顔で返せなかったのが心残り。いつでもそこの心の余裕はもっていたいので、まだまだ修行が必要だ…
何はともあれ、今年最後のレースも無事に終わってようやくホッとしました。
マラソン練習も始めないといけないけど、色々疲れたのでw今週いっぱいはしっかり休もうと思います◎