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9_片側顔面痙攣の手術_8月2日~退院

2020年7月29日に片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)の手術をしました。その経緯を綴っています。

永遠に続くかと思われた激しい吐き気も8月1日ぐらいからおさまってきて、今まで食べられなかった分を取り返すように食欲が戻って来た。正直食欲をあまりそそらない病院食もモリモリ食べられるようになった(が、ワカメの酢漬けみたいな吐き気のトリガーになりそうなものは無理して食べなかった)。スマホで食べ物ばかり検索してた。むしょーに食べたかったのが桃!あとチキン!それから、薄味で質素な病院食に飽きてしまって、ラグジュアリーホテルのブレクファストみたいなゴージャスな食事がしたくてしょうがなかった。吐き気がなくなってしまえば、とにかくただただ暇で、一日中スマホか朝・昼・晩の病院食を食べるか、寝るかの日々。蛭子能収の人生相談読んだり、Twitter、YouTube…。

毎朝検温があるのだが、毎日37度台だった。術後は微熱が出ることがあるそうなのだ。しかし、とくに身体がしんどいということもなく(寝てればいいだけなので)まったく辛くなかった。

8月2日には、点滴もとれた!本当に嬉しかった。腕に針が入っていない解放感!!

点滴がはずれてから気づいたんだけど、手首に黄色いアザ。点滴は左腕の関節に針が入っていたんだけど、この手首のアザは一体…。ICUに入ってた時に、左手首にも針が入ってたのは気づいていたのでその跡だと思うのだが(その針を抜いたあとに看護師さんが尋常じゃない強さで私の手首をぎゅううううって押してたのは覚えてる)、右手首のアザは不明…。

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なぞの右手首のアザ。気づかないうちに針いっぱい入ってたんかな。

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頭の傷口の痛みはほとんどなく、痛み止めもこのころから飲まなくなった。ただ、頭皮の皮膚を切ってまたくっつけているので、接合部分の皮膚が盛り上がって、つっぱり感がある。先生によると、このつっぱり感もだんだん皮膚が接合していくにつれ、なくなっていくという。

そして耳。耳の奥に水が入ってしまった時の感じを想像してみて欲しい。プールで泳いだあと、耳に水が入ってしまったら耳を下にしてトントンと水を出したくなると思うのだが、あの感じ。自分の声が耳の奥で反響するような。手術の後、頭を水で洗ったらしいのだが、その際に耳の中に入ってしまった水。あまりに不快で、先生に状態を訴えると「ああ、それはしばらく続きますよ」…いつまで続くのだろうか…。吐き気がおさまってくると、この耳の中に水が入ってしまったような詰まり感が一番のストレスになってきた。

それから、全身麻酔の際に酸素の通り道を確保するため口から管を挿入したせいで、声が出しにくくなった。そして、飲み物を飲む時にむせるようになったので、一気にゴクゴク飲めなくなった。いつものくせで大量に飲み込んではムホッ!!!とむせていた。

※閲覧注意!記事後半、頭の傷跡写真あり(2枚)

8月3日、外出許可。

甘いものとかアイスとかが食べたくて仕方なくてですね。「アイスが食べたいのですが…」と看護師に聞くと、コロナの影響で病院の売店がクローズになっているので、病院裏のセブンイレブンに行くしかないと。外出には先生の許可が必要と教えてもらった。看護師さんたちはみな忙しそうで、「コンビニに行きたいので外出許可が欲しい」と何人にも伝えては忘れられ、アイスが食べたいだけで忙しい看護師さんたちの手をわずらわせているのがとても申し訳なかった。

やっとのことで外出許可をもらって、6日ぶりに外界に出ると、梅雨明けの強い日差しと熱波が直撃!あと数日で退院なのに(母からLINEがきて、8月6日退院予定と医師から伝えられたとのことだった)、食べきれるのか我ながら不安になる量の甘味をガッツリ購入。

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退院までに食べきりましたけどね。冷蔵庫は申し込まなかったのに、なぜか冷えていたので使わせてもらうことに(すみません。時効よね)。

昼間だらだら寝ているせいで夜眠れなくて、小腹がすいた深夜に音をたてないようにしながら食べた、きのこの山。

8月3日撮影、抜糸前の頭部の様子。

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ずっと頭を動かさずにいたからか、アザになってますね。

8月4日は、8月1日に撮ったMRI画像を見ながら先生に術後の説明を受ける。手術前はたしかに顔面神経に触れてしまっていた血管がみごとに離れている。顔面神経は神経そのものにコーティングがなされていて(説明が難しいのだが、先生はボールペンを例にとって、ボールペンの芯のまわりにケースがあるように、神経もこうやってコーティングされているとおっしゃった)、しかし神経の根元のほうはそのコーティングが甘く、その根元に血管があたっていたため、症状が出ていたとのこと。スマホの見過ぎが我ながら気になっていたので「症状がまた出ないように気を付けることはありますか?スマホばかり見ちゃうんですが控えたほうがいいですかね」と聞くと、「いや、とくに生活に制限はありません」とのことだった。退院は8月6日と正式に伝えられた。通常は3ヶ月後に術後検診らしく、当初10月末に予約を入れてもらっていたが、9月にスイスに渡航予定があるため、三ヶ月後の術後検診を前倒しして9月にして欲しいと頼んだ。術後なにかあったときに、担当医に診てもらえないことは正直不安だ。スイスの医療ってどんなもんなんだろ。余談だが、先生が見ているパソコンの私のデータに「8月3日、アイスが食べたいな~とのこと」と、セリフ一字一句記録されてて、めちゃくちゃ恥ずかしかった。どんだけやねん。

8月5日、いよいよ抜糸。朝起きて、検温のあと先生が病室にいらして「今日、抜糸しましょうか。午後にまた来ますね」と。

私「は、はい。怖い…痛いですか?」

先生「いや、大丈夫。チクッ!チクッ!って感じかな」

どんな感じやねん、それ。

でも、本当に痛くなくて、チクッ!チクッ!って感じだった。そうとしか言いようがない。例えるならば、眉毛を抜く感じ?先生は私をリラックスさせようと、私のスイス渡航の話とかパートナーとの馴れ初めとか聞いてくるんだけど、こちらはそれどころじゃない~~~!!!

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写真、撮ってもらったものの、この記事を書くまでちゃんと見ませんでした。鏡で自分の傷跡がどうなってるかも、怖くて見られませんでした。

今思い出したけど、退院前夜のこの日、スマホから目を離してそろそろ寝るかと思ったら、左まぶたが激しく痙攣してめちゃくちゃ焦った。さすがにスマホ見すぎたか・・・・。でもあれだけ激しい痙攣は今のところこれが最後。

8月6日、いよいよ退院。壮絶だったのは術後3日間で、その後は順調に回復していった。一度食欲が戻ってしまったら、日を追うごとにピンピンと元気になっていく自分に驚いた。退院日のこの日は朝食だけ頂いて、昼には母が病院まで迎えに来てくれることに。母には何度も遠いところまで来てもらってしまい、本当にお世話になったので、帰り道に母の好きなお寿司を食べに行った。左耳がとにかく聞こえづらくて、母が何を言ってるのかもよく聞き取れない。寿司屋のお茶もチビチビしか飲めないし、むせるし、自分の声もうまく出せなくて、色々もどかしかった。


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病院食で一番美味しかった、8月2日朝ごはんのクリームシチュー。
次回最終回。退院後の様子を書こうと思います。



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