見出し画像

ドラマで勉強「虎に翼(第95話・第96話)」

第20週から舞台は再び東京。
時は昭和30年。
寅子&航一さんは揃って東京勤務となりました。

第95話で航一さんは
「僕は優三さんの代わりになるつもりはありません。あなたを照子の代わりにもしない。お互いにずっと彼らを愛し続けていい。数ヶ月後、来年はわからないけれど、今、ドキドキする気持ちを大事にしたってバチはあたらないじゃないですか。永遠の愛なんて誓う必要なんて無いんですから。なりたい自分とかけ離れた、不真面目でだらしがない愛だとしても、僕は佐田さんと線からはみ出て蓋を外して溝を埋めたい。

それに寅子は
「永遠を誓わないだらしない愛。なるほど。私たちが欲する最適なものかと。」
と応える。

すごく真面目に話をしているけど「好きになっちゃった。先にことは考えないでとりあえず付き合わない?」ってことですよね。
端的に言えば「恋をしたから恋しよう」

お互いに伴侶を亡くし、子供がいる身。
性格的にも「好き〜」と突っ込むタイプではないので、お互いを納得させる理屈というか言い訳が必要。

最近でも「結婚前提」を求める人は多いと思いますし、「結婚」を手に入れておきたい、という気持ちもありそうです。
特に日本は法律上、結婚していないと出来ないことも多いので。

この「結婚前提」が後日花江ちゃんに「寅ちゃんって、ホント分かっていない」と言われる流れになっています。

先週から時が経ち。
稲さんが亡くなってしまった。
花江ちゃんのお世話係だったので、新潟編では「まだ生きていたのね!」と驚いたのですが、残念です。

今日は再会のワチャワチャで箸休め回な感じですね。
猪爪家の人達も大人になり、道男がお約束で特上寿司を出前してくる。
寅子と花江ちゃんのヘアスタイルが「あったかもなぁ」という雰囲気で時代を感じる。何だかんだ寅子は最新のスタイルを決めている。昔、涼子様の記事をスクラップしていましたもんね。

寅子が有名人になった時、家族インタビューをされたました。直治が「最近は音楽に興味を持っています」と話していました。リップサービスかと思ったら、本当に興味を持っていたのね!
サックスなんて渋いじゃないですか。

それから、台所が家の中にリフォームされていました。
寅子が買ったであろう洗濯機も導入されて、花江ちゃんの家事も少しは楽になっているようで良かった。

そして、花江ちゃんと直明が微妙な空気を作っている。
直明には結婚したい彼女がいて、結婚後も猪爪家で一緒に暮らしたい。
花江ちゃんは断固反対をしている。

寅子は最初はキョトンとしていた。
直明に彼女がいることを知らなかったのか?興味がなかったのか?

視聴者ははるさんと花江ちゃんのバトルを知っていますから、「それはそう」と思いながら見ていたはず。

バトルと言っても穏やかでしたけどね。
うちは母と姑のバトルが激しかったので、はるさん、優しいなぁ、と思いながら見ていました。

寅子に彼氏が出来たことは猪爪家では知られており、「結婚するの?」というお決まりの質問。この質問は時代を超えてますね。

航一さんと「永遠を誓わないだらしない愛」に目覚めた寅子は最先端のご婦人代表のドヤ顔で、
「結婚は幸せの終着点ではなくて選択肢の一つに過ぎないわ。一つの価値観に縛られてはダメよ」と説く。

夜中、花江ちゃんから
やっぱりとらちゃんはなんにも分かっていない。
部屋の狭さなんて関係ない(中略)
姑みたいな義理の姉と同居したい嫁なんてこの世に存在しません。
今でも大半の女の子にとって結婚は選択肢じゃない。結婚は幸せの終着点で絶対条件なの。結婚という人参を目の前にぶら下げられて冷静さを失っている彼女に何の考えもなく同居を持ちかける直明ちゃんに怒っているの。

いや、マジ、ごもっとも。
直明は良い子なんだけど、この姉弟は育ちが良すぎて逆に鈍感。

もし嫁姑問題が勃発したら直明は「まってまって、落ち着いて話そう。お互いが納得できる解決策を考えようよ。絶対、分かり合えるよ。」みたいに間に入るんだろうな。ちょっとウザいかも。

はるさんと花江ちゃん。
バトルと書いたけど、どちらも意地悪ではなかった。はるさんは、はるさんなりに気を使い、花江ちゃんははるさんに追いつこうと努力していた。二人ともいい人だったので配慮し過ぎて拗れてしまった。花江ちゃんも若かったけどね。

そう、良い人・悪い人関係なく拗れてしまう可能性が高いのが嫁姑。花江ちゃんも「知らぬ間に自分がお嫁さんに嫌な思いをさせてしまう」のが怖いのかも。夫婦仲が悪くなる理由として義理の両親との関係もかなりある。二人なら仲良しなのに、家族が入ると拗れてしまう。
距離感って本当に大切。物理的にも、心理的にも。

個人的には結婚と幸せは全くイコールにはならないと思うけど、もちろん結婚して幸せな人もいる。それも頑張って二人で手に入れた幸せかもしれないし、奇跡的に何も頑張らずに幸せだと思える人もいる。
「結婚して落ち着きたい」という人も多い。イメージとしては良くわかるし、私もそう思ったことが何度かあった。

花江ちゃんだって色々あったけど。その上で結婚は幸せの終着点で絶対条件なの。
ということは、花江ちゃんにとって結婚は幸せだったのだろう。

寅子はアッサリと恋に舵を切った。女学校時代から結婚にはトキメキが湧かなかった。優三さんと優未とのことは愛しいだろうけど。結婚が幸せだったと思ったことはあったのかな?

まぁ、少なくとも恋(女心&男心)、人間関係においての心の動きについて本質を捉えているのは花江ちゃん。本質というかリアルを知っている。
あ、優未もお察ししますね。この2人は間違いない。


鈍感な寅子・直明コンビ、この後どのように猪爪家に迷惑をかけていくのだろうか。

それよりも美佐江。今週は出ないようだけど、いつか出るだろう。
「東大の反抗的、戦闘的な女」で色々と考えていたら何やらデジャブが。
そうだ、神林美智子だ!
つかこうへいの「飛龍伝」の主人公。安保闘争で亡くなった樺美智子さんがモデルの演劇。

樺美智子さんは東大文科三類、昭和34年、22歳の時に闘争で亡くなりました。
安保闘争は昭和34年・35年。美佐江の年齢と若干ずれてしまうので違うと思うけど、美佐江と美智子、名前が似ている(あくまで私の妄想です)

そして同じく昭和34年。
寅子は「原爆裁判」の裁判官になります。昭和45年に判決なので、長い長い裁判です。東亜事件と同じくらい長いですね。

朝ドラは9月末までだと思うので、原爆裁判をしっかりやって、どこまで描くのだろうか。


日本では8月は少し重い気持ちになる。
原爆、終戦、日航機事故。

カードは「ソードの2」
平和という名前のカードです。

剣の柄には天使がひざまづいて祈りを捧げているモチーフが付いています。
剣は戦いの道具であり、思考です。

理性ある人間なのに、剣(武器)を持つと戦いになる。
剣はペンに見立てることも出来ます。

思考は言葉、文字に繋がるので、最近ではSNSですね。
大きな武器や爆弾などなくても、架空の空間で、たった一行、一言で相手にとんでもないダメージを与える怖いツールになってしまった。

2本の剣(思考・思想)はバランスよく配置され、背景も穏やかな色です。
私たちは思想、つまり意思を伝え、交えなければならない。コミュニケーションの基本です。
その時、相手も自分も傷つけてはいけない、傷つけないように細心の注意を払うこと。
意思、それを表現する言葉。使い方が非常に難しい道具です。

というか、SNSでなくても「言葉」の暴力性に気が付かなければならない。
暴力は暴力を生むのか。暴力は連鎖するのか。

「降り積もれ孤独な死よ」というドラマも見ています。
直道兄ちゃん(上川周作さん)が出ていて、最初気が付かなかった。

何となく見始めたけど、次回が楽しみなドラマです。
が、とても痛いので誰にでもお勧め出来るか?となると微妙。

8月は重いと書いたけど、過去のことを、過去の人を思い出す月です。
祈りの月です。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?