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ドラマで勉強(虎に翼)花江ちゃんは金星

土日はドラマがないので朝一番の楽しみがなくて寂しい。
今期は「虎に翼」「光る君へ」「アンチヒーロー」を観ています。

note には「虎に翼」が多いけれど。
「虎に翼」「アンチヒーロー」は法曹界・法律を扱ったものですが、過去作では「リーガルハイ」「ビギナー」がお気に入りです。

折り返し地点だし。
前半の感想。

猪爪家は「やっぱり親子だよね」って行動や発言が多い。
「口癖」=思考が似ている、ということでしょうか。
意図的に入れたセリフだと思います。

寅子が女子部の入学を父・直言に話をしたら、直言は「その手があったか!」とひっくり返っていたんですよね。

寅子が優三と結婚を決め、両親に報告をしたシーン。
母・はるさんが「その手があったか」と「なるほど、なるほど」という顔をしていた。

そもそも、はるさんも実家の旅館から逃げたくて結婚したので、戦略的結婚に関しては否定はしないはず。

直言が頭を押さえて「頭がついていかない」とム〜となっているコミカルな表情は岡部たかしさん、流石です!

死に際の懺悔シーンも含め、岡部さんだから「もう、しょうがないなぁ」と笑って送り出すことが出来たのだろう。

「その手があったか」は手詰まりを打破する策を見出した時に出る言葉。
猪爪家の皆さんは他の方法はないか?と思案し、諦めない人達なんだろうな。

「虎に翼」はキャスティングが素晴らしい。

直言は寅子大好きな親バカで、妻に頭が上がらず、往生際も未練タラタラで情けない父でしたが、この父のお陰で寅子の自己肯定感は天井知らずになりました。

「自己肯定感」は本当に大事。
大人になってから身につけるのは至難の業です。

直言の反応は「家の格式とか相手の地位を気にするよね」が滲み出ました。
優三さんの真面目で優しい人柄も知っているはず。

家族のような存在だけど、やはり家族ではないし、家族になるとは想像すらされなかった人。
何かにつけ「家族からは一線引かれた立場」の絵は上下の関係を暗示していました。

実際、直言はエリート。
寅子の歴代のお見合い相手も帝大卒とか海外駐在帰り。そもそも結婚は「家同士」とも言われているので、時代を踏まえると当たり前かもしれません。

昔は書生さんという存在は多く、勉強する人を居候させ、援助する美徳があったんですね。

そして、全くわかっていない男・直道の「俺にはわかる」
子供の直人にもちゃんと引きづがれていました。

「全然違うけど」という部分も同じで、微笑ましい遺伝です。

父ちゃんは能天気な「俺には分かる」でしたが、直人は真剣にお母さんのことを考えた末の「俺には分かる」なので、いじらしかったです。

今でも道男との恋愛疑惑は必要だったのか?と疑問が残っています。
かなり引いて観ていました。

あそこまで匂わせをしなくても良かったのでは???
直人に着させたらダメだったのかな?


前半を見て一番印象が変わったのは花江ちゃんかな。

喋り方がネチョと甘ったるいし(失礼)、「したたかに」直道と結婚をしたので、図太い女と思っていた。

味付けも毎日料理をしていれば、はるさんの味に変えることが出来たのに。
自分の味を押し通し、結局「嫁姑問題」は別居という形になりました。

あの時代、長男夫婦が別居する=はるさんが「意地悪な姑が追い出した」とご近所に言われたのでは?と思ったりもしました

今は本当に可愛い♡と思う。
ザ・女子であり、ずっとずっと女学生時代のまま。

恋バナが好きだし(すぐに恋愛と結びつける)。
寅子がラジオに出演する時も「何を着ていくの?ダメよ〜特別な日は着飾らなくちゃ。そのほうが楽しいじゃない」と言っていた。

キラキラしたものが好きで、好きな人のお嫁さんになるのが夢で、好きな人たちが喜ぶ顔を見るのが好き。

金星が輝きまくっている人ですね。
金星のカードは「3番・The Empress(女帝)」

綺麗なカードです。

はるさん亡き後、家事で疲弊していたけど、梅子さんのアドバイスで花江ちゃんの強み「甘える」を使うことが出来た。
「甘える」は女子が持つ武器の一つ、女子力。

ジェンダーフリーの時代ですが、だからと言って女子力が強い人は存在するし、それもまた個性であり生き方なので、花江ちゃんはずっと変わらずピンクに囲まれていて欲しい。

梅子さんも少し似ています。
ピョンピョンして喜ぶのが可愛い。
この先は花江ちゃんと女子会して欲しい。

今、花江ちゃんブレスレットを作っている最中。
天然石はキラキラするので花江ちゃんみたいな人をイメージすると作りやすいし、楽しい。


そして今。

寅子は家庭裁判所で紅一点で働いています。

カフェー燈台で轟とよねが弁護士事務所を立ち上げ、寅子が来て(本当は出禁)、梅子さんも来て(今は居候)。

気がつけば轟が黒一点状態です。
調べたら「紅一点」の反対語は「黒一点」でした。

この対比も上手いな、と思いました。
「紅一点」は男性集団の中に女性がいる特別感がある時に使われます。

「男性ばかりの中で、さぞ大変だろう」が透けて見えるのですが、当然逆もあり得るわけです。
そして轟は空気のように馴染んでいる。

法学部では「魔女5人組」と言われた寅子達。
「ファイブ・ウイッチーズ」と小馬鹿にしていたハーシー・小橋も最近は寅子と肩を並べ普通に喋っている。

当たり前だけど仕事においては男女の性差は関係ない。

時代的に男女の差別があり、男女が交わる・関わる機会も少なかったであろう。
法改正も含め、それぞれが馴染むには時間が必要だったのかもしれません。

そして大庭家の一族事件。
梅子さんの三男・光三郎が、あろうことか父の妾と恋仲になった。

その事実を知った時、よねさんは「どいつもこいつもクソだな、男ってものは」と轟の前で吐き散らかす。
轟が「男をひと纏めにするな」と貧乏ゆすりをしながら答える。

そうなんだよ。
「女だから」と括るのがダメなのと同じで「男だから」も使ってはダメなんだよ。

よねさんは「ただ女であるだけで」の理不尽から「女をやめた」人。
女・男の分類が嫌だったはず。

それが「男ってものは」と分類をしてしまっているのは、誰でも自分の持つ偏見には気がつかないことを表している。

この言葉を吐いたよねさんが、とても時代遅れに感じたのだ。

「女」であることを否定し、「男」を「ほらね」と邪険にしては、よねさんはどこに立つの?

だからこそ「よねさん」という個人で立ば良いはずなのに。
もっともっと表に出て欲しい。
優しくて、心を知る素晴らしい人だから歯がゆいのかも。

寅子達が勉強を始めた時は明らかに男女は不平等で、女性の地位は低かった。

だから法律を武器に、力にしようと勉強をしてきたはず。
新日本国憲法・第14条に全員が「ようやく」と心を震え、涙したはず。

寅子もハーシーも社会に出て、色々な人、人種に関わっている。
轟は戦争に出て、また違う経験をしたに違いない。

よねさんだけ、寅子と絶縁してからはあの地下のカフェーから出ていない。

孤児に炊き出しをしたり、法律相談をしたり。
日陰の存在として、誰にも主張することなく、自分の出来ることをしている姿は立派。

よねさんは今でも「助手」。
ただの助手ではなく、とても有能な助手。
その後、弁護士試験を受け続けているのだろうか?

満身創痍の寅子を助ける為に「出来ることはする」と言っていた頃。
次の試験の時は女性らしい服装や言葉使いをする覚悟をしたと捉えていた。

でも、寅子が勝手に去ってしまい、傷ついたよねさんは試験を受ける気力を削がれてしまったのでは?

梅子さんが加入したことで、轟事務所の「法知識」レベルは爆上げされた。

相談だけならよねさんも、梅子さんもクライアントに寄り添うことが出来るだろうし、実際轟よりも頼りにもなりそう。

しかし資格がないと出来ないこともある。
法廷に立つこと、書類を作ること。
何よりクライアントの信頼。

結局、資格のある世界は「資格ないんでしょ?」と言われたらお終いなのだ。

梅子さんに背中を押され、弁護士資格を取得し、寅子のように陽の光の中に飛び出して欲しい。

梅子さんが開いた扉の先は眩しかった。
梅子さん、よねさんをよろしくお願いします。

次はヒャンちゃんがカフェー燈台に来るのかな?涼子様と玉ちゃんかな?

いつか花江ちゃんや優未、寅子の周りの人がカフェー燈台の、あの壁を前に。
全員で第14条を読み上げるシーンを見てみたい。

月曜から後半戦。
愛のコンサートのお陰で寅子は有名人になりそう。

法律が好き。
全ての人たちを平等に幸せにする、困っている人たちを助けることが出来る最高の仕事、と言っていたけど。

実は寅子自身が法律で人を助けている場面は少ない。

道男は法律関係なく寅子が家に住まわせたし。
梅子さんは自分でケジメをつけたし。

ドラマは人の平等をテーマにしているけど、実のところ寅子は相当恵まれている。
他の人とは圧倒的に違う。

最後の最後、人は、人生は不平等だな、と思うのだ。
それを運と呼ぶのかもしれないけど。

その運の上で、自分の意思を行使する権利は平等にある。
でも、不幸とか不平等と思っていると気がつかない。

生まれ育ちに引っ張られず、何処かで過去からの影響を断ち切れば、少なくとも未来だけは自分の責任で生きていけるのだ。
梅子さんの今後の姿が楽しみ。






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