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10歳の私と今の私

カウンセリングを受けて

会社で頑張り過ぎて、適応障害になってカウンセリングを受け続け、はや半年。
心理士さんとの会話の中で、仕事を頑張るにあたり何が原動力だったのか、ネックになっていたのかという話になった時に言われたのが、何かを話す度に出てくる年齢「10歳」だった。

「10歳の私」の自覚

「みおんさんの中には、「10歳のみおんさん」が居る」
心理士さんとのカウンセリングの中で出た言葉だ。
これは解離性障害とかではなく、ただ単に比喩表現である。
なぜ、「10歳の私」というものが誕生したのか?
箇条書きにするとこうである。

1.両親の離婚及び継父との壁をうまく処理できていなかった
2.離婚後、実父とやり取りを継続してしまった
3.感音性難聴が発覚し、健常と障害の間を彷徨った
4.姉と自分との対応に格差を感じていた(姉は優遇され、自分は抑圧されていると感じていた)

「10歳の私」は、今の自分では自覚できていなかった当時の辛さや思考がこびりつけながら、今の私と一緒に歩んできた。
その行動原理はたった一つだった。

「良い子でいられる」ように

「10歳の私」は「良い子でいられる」ことに固執していた。
母に対して、実父に対して、継父に対して。
姉が奔放なことをすれば派手に怒られるのを目にしてきたので、そうならないようにと、期待に沿うようにと、良い子でいられるようにと、努める癖がついていた。
それは家庭内だけに留まらず、学校生活や社会に出てからも変わらなかった。
どれだけ歳を重ねても「10歳の私」は存在し続け、今を生きる私の思考の元となっていた。
けれども、歳を重ねる度に「10歳の私」と「今の私」の乖離が起きていて、無理をしてでも「良い子でいられる」よう努めてきた「10歳の私」は、無理ができなくなっていた。
心理士さんが言う。
「子供って歩けなくなるとしゃがみ込んじゃいますよね。10歳のみおんさんもしゃがんじゃったんです。でも、今のみおんさんは10歳のみおんさんに『早く立って!良い子でいて!』と急かしてる。そんなんじゃ、子供は泣いてしまうから、10歳のみおんさんが泣いてしまうから、許してあげてください」
彼女は私が思っているより強くなくて、勿論、私も強くはなかった。

ぬいぐるみを「10歳の私」に見立てて

心理士さんに、「何かぬいぐるみを持ってください」と言われた。
次のカウンセリングの時、チップとデールのハンドパペットを抱えて受けた。
「その子は、「10歳のみおんさん」です。だからその子は小さくて、弱くて、幼い。守ってあげてください。優しくしてあげてください。それが「今のみおんさん」を守り、優しくすることに繋がります」
なるほど、と納得した。
10歳の私、と言われても、なかなか想像はできなかったが、ぬいぐるみという物理的な存在がいることで認知がしやすくなった。
「あの時、私はつらかったの?」と、自分でも気付かなかった苦しさに気が付くことが増えた。

一緒に足並みを揃えて

今もカウンセリングは、必ずチップとデールどちらかのハンドパペットを連れて受けている。
そうして自分を理解していき、復帰できるよう、仮に復帰できなくても、そんな私を許してあげられるよう、私たちは手を繋いで行く。

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