草投げ合戦
いつもニコニコと人懐こい男の子。
「小指のケガ治った!」
と言うので
「見せてみ?」
…小さな指の爪の間が、全部土で真っ黒だった。確かにドッヂボールの突き指は、治った様だが。
「何をするとこうなるの?」
「草投げ合戦!」
聞けば公園の片隅に生えた草を毟って、投げ合う遊びをしてきたそうだ。
生き生きと「草投げ合戦」の楽しさを教えてくれた。同級生達との盛り上がりぶりを聞いていて、私までなんだか楽しくなって、その子とゲラゲラ笑った。
子供の頃に私もやったなって。
ただ、山羊の餌がなくなる、傷むと叱られたのも思い出したけど。
なんだか暖かな気持ちでその話を思い出しつつ、寝る前に見たニュースは、パレスチナの大規模空爆戦の映像で。マスク姿の子供が親を呼び泣き叫んでいた。戦闘機が飛び交ってい。大きな建物が、爆撃で倒壊していった。
大人も、「草投げ合戦」位で止めておけないものかと本気で思ってしまった。草には申し訳無いけども。
パンデミックの最中に空爆しても、未来が明るく変わるとは思えない。
よろしくお願いいたします。