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【ドラマ感想】不適切にもほどがある (2)

*「不適切にもほどがある」5話の感想です。ネタバレが多分に含んでいるので、閲覧ご注意下さい。サムネは公式様より。

4話終わりで、主人公である市郎が渚の父に「おとうさん」と呼ばれて続いた5話。

ネットの大方の予想通り、古田新太さん演じる犬島ゆずるは市郎の娘、純子の旦那であった。ゆずるの若い頃を演じるのは錦戸亮さん。出逢いは六本木のマハラジャ(ディスコ)で、純子はワンレンボディコンだった。時系列からいうと1986年の4年後と言っていたので1990年。

余談だが、純子は私とほぼ同じ年なのだが、確かに1990年くらいはワンレンボディコンが流行りまくっていた。純子は女子大生だが、私は高卒で働いていた。周りの職場仲間が確かに一様にワンレンで派手な色のボディコンスーツに身を包んでディスコで夜遊びしていたのを良く覚えている。私は地味なゲームオタクで浮いていたので、ディスコは行った事はなかったけれど。

ふと、前回ムッチ先輩と殴り合いまでしていい感じになっていた純子とキヨシとはどうなったのだろうと。今回もキヨシが不登校の生徒の為にしている事に対して、純子は仕方ないと言いながらも協力している。もう既に恋愛感情ではなく、身内感覚になってしまったのか。はたまた向坂親子は純子が高校卒業までに令和に帰ってしまうのだろうか。

そもそも、親子が昭和に残っているのはキヨシが純子に一目惚れしていたのと、地上波でおっぱいが見たいという願望からであって。この辺は、また後の回で明らかになるのだろうか。前回の展開から、いきなり未登場の赤の他人(ゆずる)が純子と結婚するというのは急ピッチにも感じられた。

それにしても、昭和の純子とムッチ先輩もどうやらサカエさんとキヨシが未来から来ているというのは既に受け入れているようだった。サカエさんがムッチ先輩と公園に行った時に、子供のサカエさんを指差して「あれ私」みたいにサラッと言っている。一方、純子も不登校の「フリースクール」の説明をサカエさんから聞いて「いいねー未来」って言っている。サカエさんのスマホを興味深く弄っていたし。

サカエさんも相変わらず昭和でギャンギャン抗議しているが、令和で不登校だったキヨシが昭和で学校に行きだして、「純子ちゃんとおっぱいのおかげ」って穏やかに言っているのが笑えた。サカエさんは令和の社会学者で多様性重視のフェミニストらしいが、実は市郎に続いて「不適切」な言葉が多い気がした(前にも純子をあばずれと言ったり、中学時代の元旦那にモテないからって同性愛に走るなとか)

令和パートで、演者にGPS付けてパソコンで追跡しているのを見た市郎が、いつもとは逆に「あくまで個人の見解だよね?」「サウナかもしれないし」とか「今日こそ奴のしっぽをつかんでやる」と意気込む渚に「100%疑ってる……」と若干引いているのが面白かった。「検証!!!」と叫ぶ市郎は、令和に染まってきていると感じた(何かのオマージュかもしれない)

八嶋さんが既婚かどうかのセリフの時に、渚が「女優です。高身長の」みたいに言っていて、気になったので調べたら、リアルの奥さんは八嶋さんよりも10cmほど高かった。リアルな小ネタが多い(八嶋さんは本人役だからなのか)

市郎が令和に染まっているのはちょくちょく出ていて、秋津君の事も「ルームメイト」(昭和だと同居人?)と呼んだり、渚の父の店であるテーラーも、スマホ(MAP)を見ながら辿り着いている。

そういえば、今の市郎のスマホは元々はキヨシがタイムマシーンで落としたスマホだった。前の回でそれをショップで名義変更する為に、キヨシの父親である井上をショップに引っ張っていって、キヨシ→井上→秋津→市郎と段階を踏んで名変していた。秋津君を経由する必要があるのは何でかなとも思ったが。前はサカエさんのスマホから着信あった時に、「ママ」と表示されていたのが、今はちゃんと「サカエさん」と表示されている。

最後の平成(若いゆずる)と令和(現在のゆずる)が交互に市郎の身体を採寸しているシーンが泣けた。慣れないゆずるの採寸が手間取って新幹線の終電を逃して、市郎は居酒屋ですっかりゆずると打ち解けて、最後には「おまえら」とゆずるの事もすっかり身内として認めていた。朝になり、市郎は東京に帰る為に駅に向かい純子はそれを見送る為に付き添う。2人は楽しそうにゆずるに手を振って駅に向かって歩き出すが……。

ゆずるは29年もの間、奥さんとそのお父さんを失ったのは自分のせいだと責め続けていたと思われる。また、市郎も例え1986年に帰ってもその9年後には娘共々被災して亡くなるのを知ってしまった。まだ中盤と思われるのに、クライマックスが来てしまったようかの展開だ。これまで東京が舞台だったのに、阪神淡路大震災が物語の核になるとは予想も付かない(2話で渚が市郎に母が阪神淡路の年に亡くなったと言っていたらしいが、私は残念ながら2話はダイジェストしか観られていない)

映画「バックトゥザフューチャー」の悲惨な過去は、完結編の3で見事にハッピーエンドに改変された。あれを観た時に、もちろん非常に面白かったのだが、少々主人公のご都合主義過ぎるとモヤモヤした感想を持った。

このドラマはどういう結末に向かうのだろう。どの登場人物も憎めなくて誰も不幸になって欲しくないのだが、安易なハッピーエンドも安っぽくなる。

予告動画にあった市郎の「どうなってるか分かってる人生なんてやる意味あるのか」というセリフが、今後の展開のカギだと思う。どちらにせよ、今後の展開にも目が離せない。

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