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黒子に徹する

以前勤務していた在宅介護業界の
会社のホームページで、
ブログ担当をしていました。
二十代の時、だったかな。

私専用のブログを作って頂きましてね、
その名も「ケアラーのくっぱ」(赤面!)


ケアラー(carer)は英国語で介護士。
くっぱはcuppa=cup of teaです。


思えば会社のブログなのに
仕事とは関係ないことを
随分書いていて、よく許されたな、私。


そのブログに「黒子」という題で
記事を載せたことがあります。

皆さんのnoteを拝見していると、
実にいろんな方がいて
いろんな役割があることに
気がつきます。


笑っちゃうほど面白い。
アイデアが斬新。
豊富で質の高い知識を提供している。
癒される。


じゃあ私の役割は何だろう?
そう思ったら、
そうだなぁ、やっぱり「黒子
これじゃないかな?


🧸🧸🧸🧸🧸🧸🧸🧸🧸🧸🧸🧸


ブログ担当だった会社では
何をやっていたかと言うと
簡単に言えばつまりね、


取り立て屋ですわ。



介護保険を使う時は
A社のケアマネージャーが計画を立てて
それに基づいてB社、C社などの事業所が
サービスを提供します。
ケアマネのいるA社で
サービス提供する時もありますが。


サービスの報酬は
基本的に、9割を
国保連合会に請求します。


ケアマネは
計画の実績を提出します。
これを給付管理票と言います。


サービスをした
B社、C社などの事業所は、
請求データを提出します。


A社の給付管理票と
B社、C社などの請求データを
突合させてはじめて
入金されるのです。


問題は、
他社(A社)にいるケアマネさんが
非常によく給付管理票のミスを
されること。


つまり、
サービスを行った事業所(B社、C社)の
請求データが正しくても、
他社(A社)のケアマネの給付管理票に
間違いがあれば、
B社、C社に入金されない
のです。


自社が請求データを修正して
出し直せば入金される
話ではないので、
サービスを行った事業所は
気をつけないと未回収の売掛金が
山のように膨れ上がります。


他社に給付管理票の提出依頼を
再度する。


でも、ケアマネさんが
辞めていたりキレやすい人で
「正しいのを出したわよ!」と
怒ってやってくれない、
或いはPC操作に弱く
何度言っても出来ない、
なんて話が山ほどあるんです。




お願いしに行ったら、
ケアマネさんにキレられて
コップの水を掛けられた
なんて話もありました。


じゃじゃん!


そこで、我々取り立て屋の登場です。
その名も「請求回収担当」(本当です)
私は社会福祉士なのに
取り立てをやっていたんですね。ふふふ。
(ちゃんとソーシャルワーカーを
やっていた時もありますよ!)


我々は本社にいまして、
未回収のある各事業所に
督促状の明細みたいなのを
毎月送る訳です。


「おら〜!金回収しろや〜!」ってね。


未回収が多めの事業所には
電話サービス❤️


「請求回収のSMで〜す。
 (私の旧姓はSです)
 所長いますか」ってね。


事業所ではきっと
こんなやりとりが❤️


「所長、請求回収のSMさんから
 お電話です」

ぎゃ〜っっ‼︎SMさん???
 いないって言っといて‼︎」


電話でも拉致が開かない時は
事業所訪問します❤️


「請求回収のSMで〜す❤️
(ムチ持って)事業所訪問します❤️
覚悟しとけやゴラ❗️」ってね。


会議などで各所長が
本社に集まる時、
大柄で日に焼けた所長が
私のところにいらっしゃって
「SMさん!いつも有り難うございます!」
と大声で(90度のお辞儀で)
仰った時には
「私はヤクザですか」と思いました。


「SMさん、
 あんまり僕を
 いじめないでください〜」と
泣きつかれた所長は
今や地域会社の社長です。


まあとにかく、
そうやって各所長を可愛がって(?)
売掛金回収業務をサポートするのです。


そうして売掛金回収率100%を
達成し続けた所長は
偉大な人物になります。
(売上を上げることも
もちろん大事ですが)


本社に引き抜かれたり
出世したり、
周りから崇められる訳です。



私たち取り立て屋部隊は、
どんなにその所長に手を焼いても
所長の回収率が良くなれば、
「良かったですね」で終わり。
はい、次行くよ。ですよ。


つまり黒子。
表舞台に顔をさらしては
いけないのです。


内助の功、とも言いますね。


私、嫌だなぁと思っても
黒子が向いているみたいです。


教育者なんて皆
黒子ですがね。


役に立つ知識や経験を
学生に身につけさせて、
上にブーン❗️と放り投げる。

おら〜!上へ行け〜!ってね。


そうして年収1000万円になった
元学生もいます。
現在社長なんて、わんさかいます。
上へ行ったら、その子はおしまい。
次の下にいる学生を
泥沼から引き上げる。

(あ、経済的な意味の高みへ行かなくとも
 幸せであれば良いのですよ)


日の当たらない役割。
そんな役割もけっこう
いいものじゃないかな、って
思っています。

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