見出し画像

子育てと癒し•天使の育て方10-1


第六期
生後十二ヶ月から二十四ヶ月
其の一


一番重要な時期(後半)

 

 前回の、最も重要な時期の後半です。
ニ歳までは、基本的な働きかけが効果的な時期ですので、楽しく子育てを充実させる為に、大変ではありますが、実りある時期でもあります。

 基本的に、天使さんの才能や能力は、最初の三年で決まる、と思っています。
才能や能力とは、目に見えないものも含めて、全人格的なことです。
決して、学力や、知能だけのことではありません。

日本では、昔から、「三っ子の魂、百まで」と、言われてきました。


 具体的な学習や技能を習得する前段階の準備期間で、生活の中の働きかけだけで、十分に培われていきます。


 タイトルの上の写真は、今から旬の柿ですが、同じ一本の木からなる柿にも、個体差があるように、一人ひとりの育ち方は違うのですが、相対的な能力は、この時期の、好奇心や、社会性や言語や、運動機能などの伸ばし方次第で、子供の能力は、十分育つものと思っております。
 


 ご家庭の方針であれば、お教室などを利用して、お母さんのご負担やお悩み等を専門家にご相談して解決、解消するのも一案でしょうし・・・基本的には、ご家庭の状況と方針を優先させて良いと思います。
 

 幼稚園や、学齢期になれば、集団での教育や、躾などにも、当然家庭以外の第三者が加わり、他の要因が入って参ります。


 ですから、個性重視の観点から言えば、各家庭の感性で良いのですが、なお一層この時期のお母さんの、お子さんへの接し方が、重要になって参ります。


 我が家の天使さん達も、動きが盛んになり、感情の表現も多彩になって、面白くもありましたが、子供の成長の早さに、日々、驚かされ、翻弄されていました。


 活動的になり、部屋の中の紙のパイプで組み立ててある、ジャングル・ジムや、木馬や電動で動くスクーターのようなおもちゃがあり、それらを楽しんでいました。
音の出る、ピアノや楽器にも関心だけでなく、実際に音を出したりするのもこの頃です。


 電動の動くおもちゃなどの完成度の高いものは、すぐに飽きてしまい、積み木や、パズルや、手動で動くもの、あるいは、おもちゃ以外の、機械類や台所やその他道具類に興味を示します。


 また、絵本など、言葉の発達を促すものへの、興味も増します。


 エピソードとしては、私の時は、絵本を丸暗記して、読んでいるふりをしていたみたいです。
 母の実家の祖父母の家から、自宅に帰る列車の中で、何時ものようにシンデレラを読むふりしていたら、母と同じぐらいの年齢の、外国人女性が、驚かれて、同じ年齢の、お嬢さんがいらしたようで、うちの子は、まだ字も読めないのに、どうして?と、母に尋ねられ、「暗記していて、読んでいるフリをしているだけです。」と、母は、英語で答えていました。
その人は、笑って、暗記するだけでもすごいわ、と言われ、それが切掛で親しくなり、何回か、母と其の方のお宅に遊びに行った、思い出があります。


 さて、我が家の天使さん達は、感情の出し方も性格も、既に、この頃から、其々違いました。


 上の天使君は、慎重な割に、冒険好き、おっとりしていて、優しい子でしたが、若干怖がりで、高い所が嫌いみたいでした。
 地域の風習で、初誕生に、一升の餅米で作ったお餅を背負わせて、その後で、将来の職業を占う、道具を置いておき、まだ歩けない子は、ハイハイして取りに行かせて、最初にととったものが将来の職業ということなのですが、お餅の重さに、潰れてしまい泣き出しました。
 しかし、直ぐに、興味のある、道具に向かって、お餅をかなぐり捨てて、突進していました。
 


 この頃、テープレコーダーを勝手に点けたり、消したり、いつの間にかできるようになっていて、うっかり目を離すと、大音量で、ステレオデッキをいじれるようになっていて、ラジオにスイッチを入れて、アップテンポな音楽に、ご機嫌に、体を揺すって踊っていました。
 

 車がなかったので、歩道橋を、天使君とバギーの両方を抱えて登ったり降りたりして、片道二、三十分かかって、買い物に行く途中、私が、「かわいい、ベイビーハイハイ、可愛い〇〇くん。」と歌うと、〇〇くんのとこにだけ反応し「あい、あい・・・。」と返事をして、いつもご機嫌でしたが、私の上腕二頭筋は、この時に、マッチョになってしまいました。


 下の天使ちゃんは、お餅を引きずったまま、ハイハイしていき、自分の興味のある、道具目指して突進して、その逞しさに、履いているスカートがお相撲さんの回しのように見えたのが、印象的で、周りを笑いの渦に巻き込んでいました。
 

 そして、食いしん坊さんで、高い椅子によじ登って、摘み食いをしようとして、来客の人に、「めっ!」と、叱られ、食べ物に手を出す寸前で、固まったまま目だけをぱちくりして、皆んなを爆笑させていました。
   

 女の子は、大人の真似が大好きで、いつもエプロンと、三角頭巾をしたがり、何もできないのに、忙しそうに、その格好で、居間と台所の間を、ばたばたと行ったり来たり、していました。
きっと、私の真似のつもりだったのでしょう。


 そう言えば、第四期のところで、お話しし忘れていたのですが、ミルクをお母さんが飲ませる場合は、天使さんのお顔を見て、目を見ながら、ゆっくりとした気持ちで、話しかけながら、あげてください。


 生後六ヶ月から八ヶ月ごろ、二人ともミルクを自分で持って飲みたがるので、むせるといけないので、そばで見ていると、上の天使くんは、真っ直ぐに両手で持って飲んでいたのですが、下の天使ちゃんは、横向きで、枕に哺乳瓶を持たせかけて、片手で持って一気に飲んでいましたが、終わると、疲れて、空になった哺乳瓶を、ポーンと放り投げて、一度はゴミ箱にシュポンと入ったことがあり、上の天使君が、それを見て、大爆笑していました。

 二人とも、ミルクを飲む時は、鼻に汗をびっちりかいていて、ミルクを吸って吐く息と、呼吸とのバランスを、上手に取っていて、この頃の第四期の赤ちゃんは、離乳食の時期にも入るので、食欲旺盛で、生命力に満ち溢れていて、元気いっぱいだこと、と思っていました。


 さて、この時期の、特徴と、注意点を、お伝えします。


1、
まず第一に、お母さんとの絆ができていることです。
この頃の天使さんが、ハッピーでいられる事には、お母さん、もしくはそれに代わる存在が、側にいることが大前提です。
この時期に、それが出来ていると、後で、非常に約束事を守ることを教える時などの躾がしやすくなっていきます。


 以前、この記事のなかでも、お話ししたお母さんを傷つけるような言葉を発していた子は、その言葉の意味を知りませんので、お母さんに言ったのではなく、その状況下で、誰かがお母さんに発した言葉で、その場の雰囲気が最悪だったことが、その子の心に嫌悪感を生み、その時のことを再現して、その言葉を吐いてしまい、その時のことを思い出して大泣きしていたのです。
周りの方も、天使さんの前で、お母さんが辛くなるような言葉をかけないように気をつけてあげて下さい。


2、
おもちゃを与えすぎない。
物にばかり関心を寄せ、肝心の人には関心を持たないようになってしまう可能性があるので、ほどほどに、しかも、この頃の天使さん達は、電動で動くおもちゃは、直ぐに飽きてしまい、関心事はオモチャだけではないので、特におじいちゃんおばあちゃん方は、お母さんの教育方針に従ってあげて下さい。


3、
おもちゃと同じように、特に初めてのお子さんの時は、ぐぜらないようにということと、おばあちゃんなどが、孫からのご自分の人気取りに、お菓子や、甘い飲み物を天使さんに、あげたがられますが、要注意です。
食欲がなくなったり、癇癪持ちのハイパーアクティビティに育ってしまう場合もあります。


 以前、書いた記事にもその例として、言葉の遅い子の例で、その時は、お母さんの代謝異常が原因でしたが、外的要因として、精製された砂糖などの糖分の取り過ぎが原因の場合もあります。


4、
1日のうちで、一人で過ごす時間が増え、対象物の物に対する、観察や、働きかけや利用する行動が増えていきます。

 特に、上の天使君は、物が転がり落ちる、落下の様子を、ミニカーが螺旋形の道路から降りてくるおもちゃを繰り返し遊んだり、球が転がり落ちてくる遊びなどを繰り返し、集中していましたが、この頃に物理や力学などの概念が育つと思われます。
 特に、水やボールなど、水遊びをしては、辺りを水浸しにして叱られることが、多い時期でもあります。

 物を投げたり、ドアを開けたり閉めたり、スイッチを着けたり消したり、絵本の表紙を開けたり閉じたり、特にお勧めが、蝶番のある箱や本などの開け閉めですが、分厚い絵本などですと容易です。
 あとは、手で回せるものにも興味を示します。


 同じように、人にも関心を示す時ですので、この頃の天使さんは、一人の人を、じっと見つめたりしています。


 ただし、この時期も、小さなものを口の中に入れたりして観察しようとするので、要注意です。
目を離さないようにするのは、動けるようになった赤ちゃんの行動範囲のことを考えると、お母さんが、かなり大変になってしまうので、周りの人も注意してあげて下さい。


5、
この時期は、歩けるようになって、今まで動けなかったけれど関心を持っていることに盛んに挑戦していきますが、何もしない時間も多くなり、その時間の差にも個人差が生まれ、最初の好奇心が育っていれば、ありとあらゆることに好奇心を向けられますが、その好奇心の材料が乏しいと、差が出てくるように思われます。
 

 普通のご家庭であれば、物と人との関心のバランスが取れていますから、心配いりませんが、中には特別に優れた環境の場合や、その逆の場合もありすでにこの時期に、個人差が生まれています。

 奇跡のような、天才的才能を幼少の時から示すお子さん達には、この優れた環境と、遺伝等に関係することも考えられますが、普通の家庭であっても、その後の本人の心掛け次第で、十分能力を発揮することも考えられますので、そのことは、お習い事のところでお話ししたいと存じます。

6、
この時期には、家の中でお母さんの行動について回っている時と、一人で遊んでいる時があり、もう一つは、テレビを見るという行動がありますが、ほとんどの子は、テレビにあまり関心がなく、他の兄弟やお友達が見ていたり、お母さんと一緒に過ごしている時、少しの時間見るくらいのことです。
 もちろん、個人差は、ありますが•••。

 私の時は、テレビが普及し始めた時代で、ちょうどその頃、父の単身赴任先に母と私が半年ほど、一緒にいた時があり、同じ職場の人がいた下宿屋さんにある、テレビを私が、食い入るように見ていたので、自宅に戻って直ぐに父がテレビを購入してくれて、ディズニーの番組や、幼児番組を見ていましたが、それまでは、ラジオの朗読の時間が好きでした。


 天使さん達も、幼児番組は見ていましたが、あまりテレビには、私ほど関心がなかったと思います。

7、
野外で遊ばせる。
この頃に、公園デビューする親子さんも多いことと思われますが、私の頃は、母が潔癖症で、公園のお砂遊びも遊具も、ばい菌だらけと言い、あまり遊びに連れて行ってもらえませんでしたが、その代わり、お弁当を持って近くの神社や、河原に連れて行ってくれました。

 我が家の天使君も天使ちゃんも、週末には、運動遊具のある公園に連れて行っておりましたので、散々、遊んで、疲れて夜は、ぐったりして、夕飯もそこそこに、眠ってしまっていました。


 こちらも、ほどほどに、週に一、二回でも、1日に数十分でも、ご家庭の事情でよろしいかと思います。


 しかし、この時期、運動能力や自分では安全確認が未成熟な時期ですので、遊具での事故にはくれぐれもお気をつけください。


8、
上の兄姉がいる場合、三歳以上であれば、幼稚園の年少か、それ以上の年齢であるので、天使さんの日常にはあまり関係ないでしょうが、近くにいつも兄姉がいる場合その関係から、学ぶことも多くなります。
 できれば、上のお子さんの嫉妬や被害を避けるのであれば、三歳以上離れているとその心配は少ないかもしれません。

9、
この時期の運動機能としては、ものに上ったり、歩いたりが盛んな時期です。
また、三輪車や、車などの自分が乗っかって動かすことのできるものに興味を持ち出しますが、二歳児近くにならないとうまく動かせずにストレスや癇癪を起こしたり、事故や怪我を招きますので、できればそれくらいまで待った方が賢明でしょう。


 さて、ここまでのお話で、かなり紙面を割いてしまいましたので、ここで一旦、intermissionを入れさせていただき、次の知的教育と、心の問題や、うまく育てるためのコツなどを、次の記事にいたします。


 最後まで、お読み下さいまして、有難う御座いました。
                      Mio
                           
  







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?