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潜在能力と絹織物 1.

見えない世界と見える世界を繋ぐ•••
探究の世界

#探究学習がすき



これからの時代を生きる若い人たちへ・・・

二つの世界を生きる



幼い頃から、ずっと考えできた事があります。

 それは、自分は、今、何故此処にいて、此れから、何をして、どう生きていけばよいのか、そして、何処に行くのか・・・。
と、言う事です。

 きっと、皆さんも、多かれ少なかれ、この様な事を考えていた事があられるのでは・・・。

 前にも、別の記事、” 苦難を超えて、栄光へ・・・Ad astra par aspera Vol.7 "   と、 "  砂状のミラージュ” の中でもお話いたしましたが、ある日、鏡を見ていた時、そこに写った自分の瞳の奥に、「あ、他の誰か•が•い•る•••。」と、思ったのです。

 それから、時が過ぎ、教育の仕事で経験し、実感した事は、潜在的な能力の計り知れない奥深さ、でした。(” 苦難を超えて、栄光へ・・・Vol.1、2 " )

 更に、人生の苦難を経験し、人生の儚さや、死にも直面し、生きることの尊さを実感し、再びあの問いを思い出し、手術の後の入院中のベッドで、入試の論文を書き大学で哲学美学と美術史を学ぶ機会を得ました。

何と、其処にたどり着くまでに、実に、半世紀近くの時が過ぎていたのです。


 しかし、不思議なことに、人生の極初期の頃に、深く思った事は、たとえ時間がかかったとしても、必ず其の願いや思いを実現する機会が与えられるのです。

 如何に潜在意識の奥深くに強くインプットするか、そして頻度にもよりますが・・・。

 今では、其の人生の問いについて、学んだり、考えたりする事が、日常になっています。

 
 其の際に、価値ある思考やアイデアを具現化する為、一旦潜在意識へ潜るということと(ググるではなく、モグる)、其の為には、価値あるイマジネーションとビジョンを生み出す環境にい・る・ということが大切になります。

 恐らく、古代の哲学者達も、最初は、極自然な疑問から、始まって、其の深い洞察力や思考力から其の答えを導き出していたのではないか、と、思っています。

そして彼らもまた、其の環境を整えることを考えていた様です。
 
 彼らは、哲学の議論を交わしながら、アテナイの街外れで畑を耕しながら、食べ物を自分達で整え、共同生活をしていたようなのです。
(今度は、ググってみて下さい。)

 そういう意味では、幼い子供達や若い皆さんは、皆、其の疑問の中で、日々暮らしていますから、初期の哲学者と同じように、小さな或いは、若い哲学者だと思って接しています。
 

そして、それが、人間の本質なのかもしれないと・・・。


 当時の哲学者は皆、世の中に正しい答えなどない時から探究し、何の権威の後ろ楯もない時代、その直感と閃きの中から、各々の答えを導き出していたのです。

 そして、科学的に、立証できる事とある程度推測できる事、それから先は、神の領域として、肉体を超えた、目に見えない、魂や精神の働きや在り方等の形而上的な事はそのまま答えのない事も、答えとして、思いや考えを巡らせてきていたのでしょう。

 つまり、子供達も、完璧な答えを知りたいのではなく、自分で考えたり、調べたり、学んだり、研究したりする時に、大人は何を考え、どうするのか知りたいだけで、一緒に考え、興味がある事に向かう姿勢を行動で示してあげれば良いだけなのでしょう。
 

興味の方向性は、本人が決めるものですから•••。


 其処で、探究していくうちに、物事への確信や摂理に行き着く場合もあれば、そうでない場合もあるわけで、それは、世に言う、成功したとか、しないとかの問題ではないのです。

 まして、現世利益や、優劣や、或いは競争や勝負の勝ち負けとも違う、何かが腑に落ちた!と、思えるところにあるのかもしれません。

 そして、何より自身が、何かに興味を持って、学んだり、研究したりしている事が、その大人の様子を子供達が見て、同じ様に、やってみよう、と思うのではないかと思います。

 私が探究して来たのは、潜在能力を活用することで子供達の能力を伸ばしていければ、と、言う事でしたが、其れを実践し、実感した随分と後で、暫く其の仕事からも離れていた時に、デカルトの ” 省察 ” という本の中で “ 生命の座 “ とよばれる、人間の脳内の奥深くにある処にそのkimo があるかも知れないという事に行き着いたのです。
過去に書いた記事、” 覚醒するは・・・汝にあり!Voi.8 “ には、教室での実験的な取り組みの事と、デカルトの本に出会った時の事の事をお話し致しました。

そして、自分自身が探究したかった事が、もう一つありました。

 
 それは、絹織物が如何に其の時代時代の、文化や経済、時には権力と地政に関わりながら、国や地域を越え伝播してゆき、人々を魅了してきたのか、それに纏わる歴史的な背景について学び、其の結果、圧倒的魅力のある絹織物を探究し、製作したものを、直接欲しい人に届けたい、という事でした。
(記事 " 砂状のミラージュ、シルクロード編 " )

 多くの人が、リスキーでなので、最初から手を出さない、そして、産業革命以降、あまりにも品質や内容よりも、効率や利益を追求する余り、忘れられてきた、絹本来の魅力や機能を再構築する為に、伝統的産業ではあるのですが、敢えてベンチャーとして、絹織物の探究をテーマとしての事業を立ち上げました。

 シルク•レボリューションと銘打って、( 産業革命に逆行) 繊維とファッションでは世界に冠たるミラノで、展示会に出展し、多くの著名ブランドにご来場頂き、ミラノのファッション界や繊維界の重鎮のご支援とご支持を頂きました。

 来場者の中には、イタリアの繊維産業で有名な、コモ湖にある最大手の絹織物の会社で、エルメスやシャネルを顧客に持つ、若い経営者一族の方もいらして下さり、「なぜ、シルクレボリューションなの?」と言う質問を受け、拙い英語で説明したら、何故かかなり真剣な顔で、頷いておられた事が、印象的でした。

 目に見える物に関わるのであっても、目に見えない思考とかインスピレーションとか、其れらの直感的創造への閃きから、人に伝える訴求力も、製品自体の魅力も生まれてくるのです。

 話は、遡りますが、当初は、手仕事と機械の棲み分けをし、絹の研究者の手機作家と日本古来の染色技法や砧杵仕上げ、生糸の座繰の技法を手がける製作担当者と任意団体として活動していましたが、その後、手仕事とは、袂を分かつことになりました。

 当時、最初に手がけたのが、ローザという、シチリアが原産の品種の繭の三重織ストールでした。
 あまり知られていませんが、実は、日本には
500以上の蚕品種が農水にあり、世界の蚕品種の
宝庫なのです。

 日本が、富国強兵政策で、外貨を稼ぐ為に、製糸や繭の横浜の蚕種業が盛んになり、其の輸出で横浜港が栄えていた頃、遠くヨーロッパでは、蚕の微粒子病が蔓延し、あのパリオペラ座の緞帳から王室や貴婦人のドレスまで、日本の生糸が使われていた時代かあったのです。

 江戸時代の交易の拠点長崎の交易品の九割近くが、生糸や絹織物だったこととは対照的に、長崎が其の入り口なら、一変して今度は、横浜は、其の出口だったのです。


パスツールが微粒子病の遺伝子を突き止めるまで、其の繁栄は続きました。

謂わば、日本の絹業が、近代国家にまで成長するのを支えた、と言えるのです。

 以前、ふとしたきっかけで出会った、今は亡き政治経済の評論家の先生が、
「日本を近代国家に導いた絹産業を捨てる事は、育ててくれた親を捨てる様なもので、古くから、米と絹を農業の根幹に据えてきた日本が、其の根幹を失えば、再び再興するのには、膨大な時間とエネルギーがかかる。以前、其のことを本に書いた。」と、仰っていましたが、其の技法ひとつ、ローテクの機械の部品ひとつを取っても、後世に残すべき内容であり、それに加えて、既存には無い技法や織組織を自分達が納得できる、美意識とセオリーに基づいての創作と探究活動をして参りました。

 この様な、紆余曲折だった、私の探究人生から、選択肢は、一つとは限らないと、最近では思える様になってきたのです。

 沢山の選択肢からひとつに絞るのも、其れもまた、幸運な事なのですが・・・。

 紆余曲折という言葉がある様に、迷ったり、立ち止まったりしながらも、それぞれの人が、使命とする究極のテーマを死ぬまでに見つけられたら・・・其の時は、BINGO ! なのです。

 三番目の目標が見つかったからといって、以前から探究してきた事を続けていて良いのです。
 ただし、各々の人生の残り時間にもよりますが・・・。

今度は、其れらを融合させ、新しい極地を開いていけるかもしれないからです。

勿論、一つに絞り込んでも、然りです・・・。

 其の時に、自分の興味と直感の赴くままに、挑戦していければ、違う景色が開けていくのを、見る事が出来るし、其れを楽しむ事も出来るからです。

 他者からのマニュアルだけでは行き詰まるのは、人生には、此れらの、不確実不確定な、本人にもわからない事が待ち受けているからです。


 なので、子供の頃から、色々な事に興味を持ち、幾つかの引き出しを持っておくのも良し、最初から一つに当たった時は、其れも幸運な事で、やはり、其の選択自体にも、答えはないのです。

答えのない、不確実な時代が来たのではなく、最初から、そうだったのです。


そうでなければ、古代の哲学者の時代から、生まれてきた意味についての問いを抱く事はなかったでしょう。

何の疑問すら持たずに済む様に、周りから教え込まれてきた時代は過ぎて、一巡りして元に戻っただけなのですから•••。


探究については、もう一つの記事、" 覚醒するは・・・汝にあり!Vol.19 " の中で、お話ししています。

 街中に、愛が満ち溢れるこの季節に・・・。

 これからは、潜在意識に繋がって、ご自分の潜在能力を信じて、同時にこの美しい地球の、遍く人に与えられた愛と光の中で、癒されながら、人生における探究の旅に出かけてみましょう。

遍く人の覚醒と癒しのために・・・。


May both awakening and hearing be with you.

                  Mio










 



 

 


 








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