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いちばん大事なことを、「金が稼げない」というどうでもいい価値基準に照らし合わせて、後回しにして、後回しにしすぎて捨ててきた話


『村上春樹 ハイブ・リット』冒頭文より引用。

 僕はいちおう小説家が本業で、翻訳は副業ということになっている。実際にそのとおりで、小説を書いているときは、何よりもまず小説の仕事を優先する。毎日早朝に起きて頭がいちばんクリアな時間に集中して小説を書いてしまう。それから食事をするか、運動をするかして、「さあ、これで今日のノルマは成し遂げた。あとは好きなことをしてもいい」というところで、おもむろに翻訳にとりかかる。
 つまり翻訳という作業は僕にとっては「仕事」というよりはむしろ、hobbyに近いものなのだ。つまりもう日課としての、責務としての仕事は終わって、(たとえば)これから魚釣りに行ってもいいし、クラリネットの練習をしてもいいし、しゃくなげのスケッチをしてもいい、何をするのも自由だというところで、それらの選択肢に進むことなく、あえて机に向かって翻訳をするわけだから、つまりそれだけ純粋に翻訳が好きなのだということになるだろう。自分で言うのもなんだけど、趣味としてはなかなか悪くないと思う(クラリネットが吹けるというのも楽しそうではあるけれど)。

この本は、ティム・オブライエンをはじめとする英米文学作家の短編の原文と、見開きでその右ページに村上春樹の翻訳がついているという、いわば英語と日本語のハルキセレクトによるハイブリッドが楽しめる仕様になっている。



単純に村上春樹のチョイスする英米文学作品が春樹訳で読めるの楽しいな、と思って手に取っただけだったけれど、冒頭文でわたしがこれまで1ヶ月あまりずっと模索していた「わたしによる、わたしのための、わたしを楽しむ、わたしらしいシンプルライフとは」という問いに、この冒頭の400字ちょっとの文章がみごとに答えてくれたので、引用してみた。

本業と副業、という観点があるとしたときに、わたしは無意識のうちに「講座やセッションやライティング・ライフ・プロジェクトなどの実際に利益を生み出す活動」のことを本業とし、こうしてnoteにつれづれデイズをつづることは本業ではない(そして利益を生むわけではないので副業ですらない)、と位置づけていた。

つまり責務としての仕事は、お金に換算できること。
その責務を終えて「さあ、あとは好きなことをしよう」と思ったときに、こうして自分の日々をつづるのだと。

これがばかげた思い込みであることが、「もう、100万回たいせつなことに気づいてきたのだから、もうないだろう、気づくべき盲点は」と思い込んでせっせと盲点を隠していたせいで、気づけなかったのだから、人間というものは、自分というものは、ほんとうにおもしろいものだと思う。
ばかじゃなかろうか、俺。

「オレの名前を言ってみろ…!! オレは誰なんだよ」

by 三井寿

である。

わたしの本業はもうとっくに決まっていたではないか。
わたしのビジョンはもうこんなにもこんなにも、明らかだったではないか。

1) すべての人の内側にある、最も美しいもの(個性化の種・本質)を見出す

2) 出会う人、つながる人が自分自身の真の美しさに目覚め、それを人生で顕現させていくために「言葉の力」を使う

3) 生きづらさや不全感を感じながらも、日々を営む人々の暮らしに、小さな気づきや、ふっと肩の力が抜けて希望を感じられるような、魂の視点からのライフスタイルをつづる


2019年9月に言語化したこのビジョン。
何度読み返しても、何度ブラッシュアップしようとしても、ここからずれることがなかった、わたしだけのビジョン。

わたしにとっての本業は、稼げるか稼げないかとかではぜんぜんなくて、ただこのビジョンを両目をかっぴらいて(ついでに第三の目とかもかっぴらいて)、まばたきもせずに見つめ続けることだけなんじゃないの。この、ばかばかばか、ばかちんがァ!


毎朝、ほんとうに自分の生命感覚がフレッシュで、エネルギーにみちみちているこの黄金の時間帯に、なんだかんだと「書く」以外の所用を詰め込んでいたと思う。
事務作業をし、フィードバックをし、オファーされた原稿を書き、セッションをしていたこの時間。
どうしてもどうしても、「ただ自分の内側を書いていく」ということを優先することができなかった。

それは、いちばんだいじなことを、「金が稼げない」というどうでもいい価値基準に照らし合わせて、後回しにして、後回しにしすぎて捨ててきたということだ。
3年間毎日noteのときも、これは仕事ではなくて「鍛錬・プラクティス」というたぐいのものだったから、やっぱり朝の時間をそれに当てることはなかった。夜、ヘトヘトになった心と体を叱咤激励して、なんとか仕上げる”超努力”という習練だった。

いちばんだいじなことを、いちばんに優先する、ということを、こんなにも無意識のうちに避けていた自作自演についてはまたどこかで考察するとして、とりあえずきのう、そして今日と、わたしのいちばん最高の朝時間を、noteを書くことに費やすことができていて、めちゃくちゃ幸せです、ということを、この場を借りてお伝えしようと思います。

あの、なんかこんなことで、涙が出るほど嬉しいんですわたし。
それは、

「オレの名前を言ってみろ…!! オレは誰なんだよ」

という、この世でもっとも意味のある問いに、自分の魂が答えてあげたからだと思うんですわたし。



ライティング・ライフ・プロジェクト 第15期 <6月スタート>
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