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135.そこに「濃くて深い塊」はあるか


この連休は、うたちゃん(中1娘)ともケンカして、夫ともケンカして(いままさに)、なんかおもしろかった。むかむかしたんだね、みんな。まあ暑いしね。

しかもうたちゃんとの大ゲンカの内容が「BTSはいずれ兵役にいく」「いやこのままだと行かない可能性もある」という超絶くだらない内容で白熱したあげくのケンカっていうのが自分でウケる。だって、彼らが兵役に行くか行かないかなんて、わたしたちに知りようがないではないか....。

ちなみにわたしは相変わらずBTSが好きなので、彼らのニュースに関しては、さすがにハングル文字は読めないまでも、ギリ英語なら読めるってことで海外のニュースサイトも読んでいるので「もしかしたらこのまま兵役に行かないことがあり得る派」の意見を読んで、なるほどアリかも。と考えていた。

対するうたちゃんは「行かないとかありえない」という意見で(そういうお国柄ですものね)、わたしとしてみれば「このわたしが日々どれくらいの労力をかけてBTS関連のニュースを漁っていると思っているわけ? オタク魂をなめてもらっちゃ困るんですけど(怒)!?」という怒りでした(超どうでもいいよおまえのオタク魂など 笑)。

とにかく、全世界が彼らに大枚ぶっこんでますからね。韓国の3大大手芸能事務所の全営業利益を足しても、BTSの所属するビックヒットエンターテインメントにかなわない。僅差でもなく文字通り、一桁違う額で大勝ちしていたり、このタイミングでIPOの審査を通らんとしていたり、ビッヒは実質BTSだけしかアーティストがいないわけで、国をあげて推進しているK-POP産業の、1兆ウォンの利益を生み出す黄金の7人の男の子を、一銭の得にもならない、なんなら身の危険すら(VIPだから)あるであろう兵役に出すのか? 完全に国益に反するでしょ?

と、データまで見せて熱く語ったのに「HAHAHA!ありえないよwww」っていう反応だったのでめっちゃ怒っちゃった。てへ。

おっとそんなわけで久々にBTSネタだね。

わたしもうたちゃんも彼らのファンだけど、ひたすらパフォーマンスだけを見ている娘とは違って、わたしは彼らのインタビューを国内外問わず読みあさって、翻訳された歌詞を読み込んで、ドキュメンタリーをメモを取りつつみる、そういうベースを作った上で、パフォーマンスを見て感動する、というやり方なので、ぜんぜん違う楽しみ方をしているんだな、と思った。

わたしはそのパフォーマンスを、その彼らの表現を、彼らたらしめているエッセンスはなんなのか。その思想と哲学はどんなものなのか。そこに「濃くて深い塊」はあるのか。と、そんなようなことを、彼らが外に向けて放ってくれて、触れ合える情報から見出したいと思っているのだ。

ちなみに、「濃くて深い塊」というのは、『精霊の守り人』シリーズの著者である上橋菜穂子さんのブログにあった言葉だ。


『精霊の守り人Ⅱ 悲しき破壊神』の演出をしてくださった
加藤拓さんが演出をされたというので
では、と思って見始めたのですが
久しぶりに
「濃くて深い塊」を堪能しました。

他に、良い表現が浮かばないので
そう表現しておきますが
私、物語でも映画でもドラマでも音楽でも
これがあるかないかで
大きく違う、と思っています

子どもの頃から、ずっと
「その感覚があるかないか」を頼りに
評価してきたような気がします。


BTSのパフォーマンス映像を、もう5ヶ月くらいひたすら見続けているけれど、「飽きない」というか「飽きることができない」感覚について、非常に興味深いと思っている。なぜだなぜだなぜなんだ。なにか理由があるはず。と思っていて、K-POPのパフォーマーでありプロデューサー(TWICEとかを手掛けている)JYパークさんが、虹プロである女の子に言っていた言葉を思い出した。


「あなたのパフォーマンスは、悪くはない。
ですが、10回ステージに立ったら、10回とも同じパフォーマンスをしそうです。」


と、暗に「それじゃあ、観客は魅了できないんだよ」というニュアンスでのダメ出しをしていた。それじゃあ、つまらないんだよ、と。

だから、アイドルたちはパフォーマンスを完璧に仕上げてくるけれど、表情を変え、衣装をかえ、髪の色を変え、同じ曲をまさに七変化といった風に見せてくる。けどそれだって実は本質ではなくて、

BTSは、パフォーマンスごとに「今、その瞬間の、自分だけの、心象風景」を楽曲に乗せて表現することにものすごく長けていて、同じ曲の別のステージを見ると、「別な曲ですか?」ってくらい、幅のある仕上がりになっていたりする。毎回、完成度が非常に高いのに、毎回彼らのコンディションや立ち位置や抱えているストーリーの変化をなまなましくのせてくる。

いや、これってほとんどクラシックの楽しみ方じゃない?って思うくらいだ。グールドの弾く『ゴルドベルグ変奏曲』のどの盤が好き?いつの時代の演奏が好き?って、同じ曲なのにそのときどきの彼の表現の在り方によって、いくらでもエンドレスで楽しめるような、そういうエッセンスがあるのだな、と思う。

自分の在り方を表現できるひとは、ステージごとにパフォーマンスが進化していくし、進化していくたびに多彩で多層になっていくから、彼らの純度が高まれば高まるほど求心力が増していくことになる。

と、久しぶりにBTSについて考えちゃった。うたちゃんと仲直りしてこようっと。でも「兵役に出ない、がもし現実になったらちゃんと賭け金(3000円)をママに払いなさいよ」とだけちゃんと言い聞かせておこう。

兵役がある、という文化・背景によっても、ボーイズグループの有限の時間における本気度というものは、諸外国とちがうだろうな、と思ったり。彼らについて考察すると、書いている手が止まらない。

アメリカでは『TIME』誌で特集が組まれ、イタリアではBTSの専門誌が創刊され(いちアーティストの専門誌が創刊され、隔月で発行されるのは極めて異例)、ハーバード大学ではビックヒット(彼らの事務所)と組んで、彼らの成功についてリサーチして論文を発表するだかしただかなので、もう、読んでみたい英語文献だらけなので、そろそろいいかげん本気で英語をやるモードに入りたい。

ていうかやりたいことだらけでホントに忙しい(オタクだから)。


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