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雪月狂花

前日投稿しました新曲「雪月狂花」の歌詞になります。


舞い散る雪も月も花も
彼方へ忘れ去られる様に


生き急ぐかの様な季節
またこれ見よがしに色をなし
諸行無常の傍
暁に眠る

白々しい面と裏腹
晦冥の中を手探りで這い
届かぬあなたへ
修羅を燃やしては
過ぎゆく時間を呪う

悴む牡丹一華の花言葉に
憐れまないで
指切拳万
遣らずの雨も霞となる

艶めく今も過去も刻の
彼方へ忘れ去られる様に

所詮覚める夢だと言うのなら
この手を解いてよ

あなたの声も顔も笑みも
色褪せてゆくと知りながら

彼は誰時に伏する狂花
名残り月の影



“白妙の 夜具に凍える 寒椿”
“散るを怖れて その首手向く”

雲に隠れ嘲笑い蔑む虧月もまた
湖面を見下ろし乱れ狂う

明けに泛ぶ
胡蝶之夢とあらば
覚めて忘れてしまえと乞うだけ
それすら叶わぬ現が返歌なら
醜い己を厭う

はにかむ曼珠沙華に偲ぶ祈りは
神のまにまに
日照り雨に散る夢見草より
刹那に消ゆ

婀娜めく雨も雪も軈て
泡沫となり消え行く様に

果たす為の契いだと言うのなら
その瞳は逸らさない

えならぬ宵の隅に
二度と帰らぬものと悟りながら

大禍時に萌ゆる妖花
朧月の影



舞い散る雪も月も花も
彼方へ忘れ去られる様に

これが終の杞憂だと言うのなら
夜半に咲き乱れよ


終夜愁い唄う日々も
彼方へ忘れ去られる様に

薄命の通い路だと言うのなら
拒む術などない

舞い散る雪も月も花も
此方へ還り咲き逝く様に

今際の時に傾く供花
天満月にて

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歌詞の解釈はこちら

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