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余はいかにして窓際族になりしか。そして海外駐在について。

いまの国のいまのポジション(窓際)に落ち着いて約1年がたつ。窓際族=勝ち組説だぜ、という話も聞くし、窓際族になるくらないなら転職しようぜ、という論説もありますな。「社内ニート」ということばはおもに若年の同胞たちに対して使われるようです。自分はもう40代なので、ニートじゃない(将来がある、という前提のワードですもんね)。あと自分は一応管理職だったわ。なんでこうなったのか、そしてなぜカピカピに干されたまま海外で1年も過ごしているのか?という点を考えたい。


1.子会社出向

新卒で入社した伝統的日本企業で真面目に働いて数年後ひょんなことから海外駐在に。海外希望を出してもおらず、TOEICも受けたことは無い、帰国子女でもない。3-4年と聞いていたのに気づいたら10年経ってしまった。
話は変わるがわが社はコネ入社がふつうにある。関係先企業の子女やら。ええとこの子。自分はどちらにも当たらず、普通に就職活動した結果なのです。海外の人気都市に駐在で行くのはマジの切れ者か、能力的にはアレだけどコネの人です(家柄の良き若人に経歴と自信を持たせてやるため)。自分はやっぱりどちらにも当てはまらない。だけど最低限の期待に応えられるよう働いた。

2.修羅の国からの脱出

本部系の部署だったために時差のある別の部署やら国やらとのやりとりが非常に多かった。時差はつらかった。出勤すると膨大な「至急」の連絡、退勤しようとしても朝が来た地域からのお返事等々。出張はほとんどレッドアイ。そこへコロナが来て在宅になった。あれこれヤバめの案件もあったし、オフィスのある街の治安がアホほど悪くなり、コロナで同僚が死んだりした。もう自分の頑張りや能力ではどうにもできん。この俗世への諦めが生まれてきて、ついに異動願いを出した。

3.学習性無気力

もうどうでも良い...ここから出してくれ...と言うと、とんでもない部署に配置されたりするリスクがあったので、異動を申し出るまでにそこそこの期間ためらった。結果、日本帰国ではなくスライドでの別の拠点への異動が打診された。受け入れ先がなかったのかも…。そして新しい国での窓際ライフが始まった。ポジション自体が(おそらく)仕方なしに作られた役職であったために、責任も仕事もない。(たとえて言うなら、部長とローカル採用しかいないチームに「部長補佐」を作るような。補佐って何。)
あと前任地での経験から、頑張っても人は死ぬし、この世界はクソ。という虚無を抱えていたので、仕事が無いことも、人から期待されないことも大歓迎だった。

4.上司と同僚たち

現地語が分からない。地頭の問題もあると思うのだけど、今もまったく覚えられないし本当に興味が無い。ローカル社員で英語で会話が成り立つのは数人で、日本語使用者は日本人の上司含め数人のみ。ローカルの社員たちは増員が無くとも回っているところに、謎の補佐役が来ても扱いに困っている様子だった。上司の人からは「俺から教えられることは無いよ...」と言われた。立場と仕事を奪われたくない気持ちからだろうけど、相当警戒されているんだろうな。単純に不可解な人なのかもしれない。その保身に励む気持ち、本当に解る。彼はもうこの国から動きたくないんだ。だって帰任したりスライドで行く先がいまよりマシって保証はどこにもないんだぜ。

5.せめて無害であれ!

上司や同僚のテリトリーを脅かして申し訳ない上に、仕事をくれ(但しほどよい程度に限る)とワガママは言えない。そもそも駐在の待遇の給料をもらって窓際に座っているだけなので存在自体が罪。視界に入るだけでイライラさせてしまっていることでしょう...気配を消し、仕事をしているような雰囲気を醸すしかない。罪ほろぼしに日本人駐在のオシゴト会食ゴルフ出張アテンド等々は可能な限り貢献しているつもり。

6.まとめ :(特定の人にとって)海外はキラキラしてない。むしろ病む。

海外暮らしなら、現地文化に触れたり、言語を習得したり、あちこち旅行してブログを書いたり、素敵レストラン行ったり、なんならMBAをとったり、海外での資格とったり....海外の今しかできないこと、あるんじゃない?というアドバイスをかつていただいたことがある。10年の経験を経てひとこと申したいのであるが、そういう事に一歩を踏み出せる人はもともと海外生活に興味や関心がわずかでもあった人(or家族にそういうタイプの人がいる場合)のみである。自分の場合、この暮らしが消費活動やら学習意欲やらを目覚めさせたり&高めたり(?)はしてない。むしろ諦めの方が強くなる。かといって日本に住みたいとも今更思えない。
なのでよっぽどのことが無い限り数年はこの国の窓際で過ごすことになると思う。結局地球のどこに住んでも自分という小さき器からは逃れられないんです。

今日も猫を愛でてから帰る。

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