古川 和

月に一つはあげたい。

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記事一覧

超短編『牛丼屋にてベルがなる』

僕にはかつて、松屋を愛してやまない友人がいた。曰く、その”ちょうどいい”感じが、いいのだそうだ。それである日、彼行きつけの松屋に足を運ぶこととなった。なんという…

古川 和
2か月前
10

#短歌 動物列車

ガタンガタン ガタンガタン 電車の音が聞こえます ガタンガタン ガタンガタン 犬猫工場やって来る 人を癒やしにやって来る ガタンガタン ガタンガタン 家畜工場や…

古川 和
8か月前
5

#短いエッセイ 貧乏人のフリをしている金持ちという設定の貧乏人

私は正真正銘の貧乏人だけど、本当は金持ちという設定で生きている。 でも本当に金持ちで貧乏人のふりをしている人もたくさんいる。 このsns全盛時代でそんな人は少なく…

古川 和
8か月前
7

#短歌 激鬱くん

激落ちくんが売ってました たまに鏡を磨きます(それで) 激鬱くんは、売ってません。 誰も買わないし、そもそも商品としての需要がない、だからほしいと思わないんだぬ…

古川 和
8か月前
1

#短歌 知り合い

しってる町で知り合いに 出会ったよ だからしりあい それだけ ただ少し 知ってるだけ お尻とお尻で、出会って、ぶつかって、やり合って、そんなめんどくさい事、恥ず…

古川 和
8か月前
超短編『牛丼屋にてベルがなる』

超短編『牛丼屋にてベルがなる』

僕にはかつて、松屋を愛してやまない友人がいた。曰く、その”ちょうどいい”感じが、いいのだそうだ。それである日、彼行きつけの松屋に足を運ぶこととなった。なんというか常連らしいのであった。一応コンプラのこともあるから”とある牛丼屋”ということでもいいぞ、などと言っていたけど…なんのことやら。

さて、事前の彼のアドバイスは、シチュエーションとして”さっぱりした”感じ、気持ちとしては”最初だが、最後の覚

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#短歌 動物列車

ガタンガタン ガタンガタン 電車の音が聞こえます

ガタンガタン ガタンガタン 犬猫工場やって来る

人を癒やしにやって来る

ガタンガタン ガタンガタン 家畜工場やって来る

人に食われにやって来る

ガタンガタン ガタンガタン 

#短いエッセイ 貧乏人のフリをしている金持ちという設定の貧乏人

私は正真正銘の貧乏人だけど、本当は金持ちという設定で生きている。

でも本当に金持ちで貧乏人のふりをしている人もたくさんいる。

このsns全盛時代でそんな人は少なくなったかもしれない。

でもいるかもしれない。

で私は貧乏人なんだけど本当は金持ちかもしれない。

まあどっちでもいいですね。結局のところ。

雨風しのげて、暖かくて寝るところがあって、食べるものに不自由しなければ、十分でしょ。

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#短歌 激鬱くん

激落ちくんが売ってました

たまに鏡を磨きます(それで)

激鬱くんは、売ってません。

誰も買わないし、そもそも商品としての需要がない、だからほしいと思わないんだぬん

だけど誰もが飼っています、心のなかに(自分だけかな?)

ふとした時に ポロンって出てきます。アレじゃないよ?

だれも拾わないから

でもどこかに落ちていれば、それは激落ちくん

落ちてないから、激鬱くん

拾って食べて、猛毒

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#短歌 知り合い

しってる町で知り合いに 出会ったよ

だからしりあい それだけ

ただ少し 知ってるだけ

お尻とお尻で、出会って、ぶつかって、やり合って、そんなめんどくさい事、恥ずかしいことやったりしない、言ったりしない

だから知り合いってだけ

人間ですから、合わないの

いい目にも悪い目にも遭わない

ってシリアの(中東の)知り合いが言ってましたとさ

おわり