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コロナでわかる、日本語と英語の違い

緊急事態宣言のその日、4/7にニューヨークから帰りました、「空港検疫対象」の物(者ではない)ですw

みんなで力を合わせたほうがいい、こんな時なのに……。日本ではどこかで誰かが、みんなから攻撃されていますよね。

医療・配送・販売の関係者や、政治家、タレント……。あちこちでの加熱ぶりに、「これが日本人のトレンド娯楽なのかしら?」と思ってしまうほど。

毎日午後7時、市民が拍手で医療従事者たちに感謝の気持ちを伝えるニューヨークから帰ってきて、カルチャー・ショックも通り越してます。

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看護師さんたちのため、ガソリン・スタンドに立って自身の貯金でガソリン代を支払う男性(左) 医療従事者への感謝メッセージ(右)。https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200501-00176254/ の記事より引用

かといって、「アメリカ人が日本人よりも心根が良い」わけでは全くないのは、衆知の事実。アジア人への差別による暴力だって、横行しています。

では、何が違うのか??

私は、言葉による習慣の違いではないかと思うんです。

コロナ関連告知での、日米の違いをひとつ。毎日新聞の11日記事より。

問題となった神奈川県の速報メールには、ツイッター等はもちろん、県庁にも抗議の電話が殺到したとか。

ニューヨーク市の緊急メールで特徴的なのは、「テロ容疑者が市中に潜伏(爆弾テロ警戒)」など。

平和ボケ?した日本の政治家は「緊急メールを使い慣れないため」と、同情の余地があります。なのになぜ、こんな大騒ぎになってしまうのか?

原因は、「公的文書ではお堅い表現一辺倒」である日本語の問題ではないでしょうか。

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「〜してください」とか、「お願いします」とか、一方的な要求ばかりの印象。せっかくの連休前にこんな文面、緊急メールでなくても歓迎はできないでしょうね。

一方英語では、公的文書も普段の話し言葉とそう変わりません。だから、命令調でもカチンと来ることはナシ。

ニューヨーク市からは、コロナ専用の携帯メール通知があります。↓こちらは帰国前日のもの。

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概訳は上から順に「店内の密を避けるため、買い物は家族の誰か一人だけで」「おうちで楽しんで!ニューヨークの公園情報(風景ビデオや、キッズ向けなどアクティビティのオンライン・レッスン)」「コロナサポート用品を提供できる(作れる)事業主を募集中」

素っ気なくても、受信者のためにもなる具体的なお願い。(連絡先や相談窓口リンクつき)

他の日には、「歯科医・整形外科医で人口呼吸器があれば提供してください」「家賃が払えない場合、遅らせてもらえないか家主と交渉してみてください」など。

家主さんも同じメールを見ているので、余裕があれば応じてくれる確率は上がりそう。

日本でもこんないい話が!

日本の政治家やお役所にも、こうした親身さはあるのでしょう。ただ、敬語の壁があり、市民と同列目線でそれを表現する言葉がないのでは?

「GW=がまんウィーク」、せめて最後に「連休を楽しんでください」の一文でもあれば……。マジメな日本語の習慣では無理でしょうね。

日本語にも英語にも、定型句ってあります。仕事の顔合わせでは「よろしくお願いします」。仕事終わりは「お疲れさま」。それ以外の挨拶をする人って、あまりいません。

私が携わっている音楽に関してもそう。日本で「将来音楽をやりたい」と言えば、定型の反応は「上手くいかなかったらどうするの?」「厳しい世界よ?」

その点、競争が更に激しいニューヨークは逆。駆け出しの頃の私が言われたのは、「ヒットチャートに曲を入れろよ」「ラジオでかかるのを楽しみにしてる」。

「ヒットチャート」はまだだけど、「ラジオでオンエア」は叶っているから……。プラスのイメージで励ましてくれたみんなのおかげ。

別にニューヨーカーが特に親切な訳ではなく……。「何かをやりたい」という人に対しては、ポジティブに返すのが定型なだけなのです。いわゆるアメリカン・ドリームw。

対して日本の一部の人々のコロナ対応は、「感染させられたらどうしてくれるの?」 ネガティブな音楽の例と同じに見えます。

ピーク時のニューヨークから帰国の朝。ゴミ捨てのためにアパートの外に出ると、通りがかりの黒人老人やアパートの清掃員さん(見知らぬ顔)が ”Good Morning “と声をかけてくれて……。

こんな時だから、心がほっこり暖まりました。

見知らぬ通行人に「ハロー」と挨拶するのは、ニューヨークの居住エリアではごく普通。「その服いいね」などと言われたりもします。

日本だったら通報されかねない?(笑)けど、まぁ習慣ですね。

そんなさばけた言葉使いは、改まった文書でも一緒。大学のオンライン授業で心理学を履修した時、受講のパスワードを他人に渡さない誓約に際して、次のような質問と選択肢がありました。

Q:他人にパスワードを貸した結果、どのような見返りがありますか?

A1:牢屋に入れられる A2:地方警察に書類送検され罰金 A3:アイスクリーム・コーン

ちなみに、ノースダコタ大学という、ノースダコタ州では名門の大学w

口語とかけ離れた日本の規約文(〜とする。〜として罰せられるetc.)の表記からは、こんな発想は出てこないでしょう。

こちらはNY州知事クオモ氏の、ピークを越した先日のツイート。(サウンドをぜひお聴きください! 知事のナレーションにかぶせた現場映像とピアノ弾き語り♪)

日本語訳すれば、「我らがエッセンシャル・ワーカー(必須業従事者)は、危機の1日目から1000%の働きをしてきています。私の語りに唱和してください:「ありがとう。お疲れ様」

その昔のこのヒット曲↓、ボーカルの声質が好きだったっけ……。

サビが「君は1000%♪」

1000%って、日本の要職者が公的なツイートで書きそうもないこと。

それと見ての通り、日本語の「お疲れ様」は、英語では”Good job”。

働いて「疲れたね」と慰め合うのか、「いい仕事したね」と喜び讃え合うのか……。

こんな言葉の違いに、日米の人々のコロナ対応の違いが出ている気がします。

コロナ疲れから人を攻撃しても、疲れるだけでしょう。然るべき主張があるなら、攻撃より賛同という手もあるんだし……。

例えば「#検索庁法改正案に抗議します」と怒りまみれにツイートしても、権威に削除されるだけ。→署名を併用すれば確実。

思いやりの日本語で主張すれば、気分はアメリカン・ドリーム♪

世界中でこの危機との仕事終わりが1日でも近いことを願って、今日も1000% Good job!

◇あとがき……お知らせ

死生が問われるこんな時だから、運命について考える機会は多いでしょう。

渋谷のマルイ(モディ)でタロット占い師をしている妹が、インスタ・ライブをします。5月17日(日)夜9:00から。(ご視聴は当日、本人インスタ↓ストーリーにてお待ちしております!)

手塩にかけた妹(7歳下)は、占いサロンでも人気のよう。家系の予知能力は、お墨付きです。

はい、私にもある予知能力。なぜ妹のように活かせなかったのか……。人生悔いはありませんが、一つだけ心残りかも。

私のピアノもよろしければ……! 

“A Day of Wine and Grapes”  ジャズの名曲 ”A Day of Wine and Roses(酒と薔薇の日々)”をもじりました。実りの時を迎えたワイナリーの夕暮れをイメージして作った曲。みんなの自粛パワーが実る時を楽しみに……!