キモノリメイクジャケット
以前作った物の紹介
僕は洋服の専門学校を卒業しています。
自分のデザインした服は自分で縫う、が原則の学校だったためスーツなど特殊技能が要求されるものを除き一通りの縫製はできる感じです(テーラリングも習ったが学生の1年間ごときでは習得できる代物ではなかった)
4年ほど前でしょうか。
メンズの間でもRONDO.ymなどキモノリメイクを取り入れたブランドが出てきました。
ビッグシルエットブームもあり、直線的なボリューム感と和の要素が当時のモードにマッチしていて何か欲しいなぁと思いつつなかなか良いお値段で気軽に買えないようなものがほとんどでした。
材料調達編
ならば…作るか。
と思い立ち古着屋などをめぐるも思い描いているような刺繍が入ったものはなかなか出ておらず、着物販売サイトを見てもイマイチ良し悪しがわからずで材料探しからしてつまずくスタートでした(材料探しが難しいのも上代に影響してるとおもいます)
そこで実家の母親(着物愛好家)に何か着てなくてイケてる刺繍の入った着物持ってないか尋ねたところこのブルゾンの元になった着物を譲ってもらうことに成功。
製作編
まずは着物を解体して平たい生地の状態に戻します。
服の状態でも平たいのですが着物は仕立て直しなどを考慮し縫い代が広く取られていることがあり無駄なく使うため可能な限り解体します。
言うのは簡単ですがこれがなかなか大変。手仕事で丁寧に縫われた服はミシンの均一な目より解けにくく解体に時間がかかります。
しかしその過程で見たことの無い芯や独特の作りに触れることができたのは良い経験でした。写真撮っておけば良かった。
そして刺繍や図案が良い位置にきてかつ無駄がないように型紙も配置。
これもなかなか手間のかかる作業。同じ形で作るとしても図案に合わせて型紙の配置が必要なので一点ものと変わらない手間が費やされます。
これは大変だわ。
裏地も同様に着物の裏から裁断。表は足りたのに裏は足りず一部手持ちの現代の生地で代用(後々この部分にトラブルが。後述)
完成写真
完成して
無事完成してから長いこと愛用していますが生地にトラブルなどありません。古い生地なのでそこが心配でしたが全然平気。
むしろ裏地の一部に使用した現代の生地の方が縫い目から裂けてきました。
生地の問題なのかそれとも縫製ミスなのかは今となっては不明ですがカバンと擦れる部分の刺繍にもトラブルがないことを見るとなかなか良いものだったのだなと改めて実感。
前述の通り材料集めや裁断の手間が普通の服を作るのに比べて大きいのであの上代にも納得です。
また良い着物が手に入ったら作ってみたいですね。
もしくは手持ちの着物をリメイクしたい、実家から出てきた等ありましたらご連絡ください。生まれ変わりのお手伝いさせて頂きます。
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