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「正直不動産」に真の企業の持続性をみた


 NHK総合で放送中の「正直不動産2」(毎週火曜よる10:00-10:45)を楽しく見ています。今まで嘘八百を並べてでも不動産を売りまくっていた不動産営業マン・永瀬財地がふとした偶然から嘘がつけなくなってしまい、正直営業マンとして活躍していくドラマの続編です。同僚のカスタマーファースト命の月下咲良の名コンビ(迷コンビ?)とともにタワーマンション購入、家賃滞納、ワンルーム投資の落とし穴、狭小住宅など様々な不動産情報や働く人たちに明日への活力を与える痛快なビジネスコメディードラマに仕上がっています。
 不動産は人生の縮図で、就学・結婚・相続など人生で3回はお世話になる高額な買い物ですが、買い方、借り方、選び方によっては心無い不動産屋に付け込まれることもあります。そんな不安を払拭し、「いい家と出会いたい」と願う視聴者の夢を嘘がつけなくなった「正直不動産・永瀬在地」が活躍する姿を描いています。この続編(シーズン2)では、かつて永瀬を”Lier(嘘つき)”に導いたかつての敏腕不動産営業マンの上司が地域のライバル不動産屋「ミネルヴァ不動産」に入社、正直不動産の永瀬が勤務する「登坂不動産」に牙を向いてきます。永瀬と月下はZ世代の”取扱注意”の後輩や、一癖も二癖もある同僚たちと逆境に立ち向かい、「お客様が一番幸せになれる家」を命がけで提供し、シーズン1よりさらにパワーアップしたあの永瀬を強制的に正直にさせる”風“とともに、町の安寧を取り戻していきます。
 このドラマを見ていて実は、私は企業の経営持続性のカギは、この永瀬と月下のカスタマーファーストとは何かということにあると思っています。不動産営業はとにかく売って売りまくれと毎日、営業数字に追われています。しかし、即効性のある営業手法ばかり取っていれば数字は短期的に伸びるかもしれませんが、お客様はどう思うでしょうか。このドラマでは、不動産営業マンがひとりひとりのお客様と向き合い、本当に信頼のおける営業マンはどちらなのかをお客様からの視点で解き明かしていきます。ライバル不動産の敏腕営業マンは確かに販売のノウハウに長けていて、巧妙にお客様を導く(成約に結びつける)ことができますが、お客様がこの先、どこかで騙されたと思ってしまったら、その不動産屋に二度と足を運ばないどころか、悪評が地域に広まってしまうでしょう。
 真の営業は、お客様との信頼関係を構築することにあるというのをこのドラマを見ていて再認識させてくれます。それは、日本企業が迷走している売り上げ停滞の罠、つまり、施策を打てば売り上げが増えると思い込んでしまっているジレンマでもあります。マスマーケティングに始まり、今はデジタルマーケティングとかデータベースマーケティングとマーケティング技術が百花繚乱、流行り廃りとなっています。しかし、真の企業の経営持続性は、そんなことを追求するのではなく、ひとりひとりのお客様と対峙し、信頼関係を構築していることに尽きると思います。ドラッカー曰く「企業の持続性は顧客創造に尽きる」ですが、それは顧客との信頼関係を築くためのITシステムの使い方であったり、現場営業の教育であったり、マーケティング部のコミュニケーション施策であるべきだと思うのです。

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