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夏に閉じ込められたもの


夏が好き、とても好き。
もうなんとも言えないくらい好き。
大好きって感じじゃない、もう好き!好き好き、好きがいっぱい!って感じ。(なにを言っているの?)

そんな意味わかんないこと言ってしまうくらい、夏、あなたへの想いを言い表せないのよ。


どうしてこんなにも好きなんだろうと考える。
どうして夏ってだけでこんなにも愛しいんだ。


夏で連想されること。

プール。海。花火。蜃気楼。麦わら帽子。蝉の声。ビーチサンダルで歩く音。
ソーダ味のアイスクリーム。室外機から出てくる温風。日焼け止めと汗が混ざった匂い。駄菓子屋で友達が飲んでたラムネに反射した光。

いつまでも好きになれない塩をかけたスイカ。扇風機。蚊取り線香の匂い。膝小僧についた畳の跡。じいちゃんがくれた渦巻きソフト。三ツ矢サイダー。冷房で冷たくなった母の二の腕。熱くなったトロンボーン。再登校で汗でびちょびちょになったキャミソールだけを着替えに帰る時間。

花火が始まるまで、期待を胸に薄暗い中横並びになって話す時間。



小学生の頃から気づいたら、日記をつけることが趣味だった。
全然毎日ではないし、好きなとき、自分の考えを整理したいとき、ただなんとなく日常についてつらつら書きたいときに書くんだけれど。

夏は、10代の頃に書いたその日記を読み返しているような気持ちになるのよね。


夏に閉じ込められた、思い出が愛しいのか。



このツイートがとても好き、わかる。穏やかで、幸せだった。私たちは何かに守られていた。
あの微睡む時間。黒板の日付とその出席番号の人が座っている位置をまず確認して。
遠ければ安心、ぼーっと先生の声を聴きながら夏休みのことなんて考えていた。


夏はいつだって特別だった。




春に、好きな人と電話したとき。

この世の中で、外に出られないことに対して
「春ってなにをするにもとてもいい季節だし、ワクワクするのになぁ」って言ったら
「そうねぇ。でも俺、この年になって笑っちゃうけど、夏が好きなんだよね…なんか、春は確かにワクワクするけど、夏は体の中心からウオオと力が湧くというか…」
って笑っていた。

それだ!って思ったし
そんな風に夏を好きと言えるあなたともっと一緒にいたいって思ったのよ。

(残念ながら失恋しました)


なんだかわからないけど、自然とテンションが上がるのよね。暑いから?

自分の意志と関係なく湧き出てくる高揚感と、同時にもう戻らない夏が自然に思い出されてなんだか切ない。

だからわたしは夏が好きなの。



わたしの夏は今年も更新される。

いつかまた、夏を迎えるとき
閉じ込められた今年の夏を思い出して、愛しく思えるときもきっとくる。
この痛みを、愛しく思える夏がくるんだろう。


今年の夏もいい夏にしたい。
いや、いい夏に決まってる。
だって、夏なんだもん。


今年の夏は何をしようかな。
お昼ごはんを食べ終えて、仕事に戻るまでのわずかな自由の時間で考える。
あの微睡んでいた時間はなく、現実はいつまでも現実だけれど。


そんな夏のはじまり。7月1日。




世代すぎる。ガリレオで好きな夏の曲多い。これはあの頃の夏です。
『サニーデイハッピーエンド』もおすすめ。


君は夏の光を編んだ髪
風になびかせて
蜃気楼の中へと
溶けるように降りていく


とても素敵な表現ね。
今年もよろしくね。



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