見出し画像

【書評】睡眠専門医による「5時間快眠法」で限られた睡眠時間でも日中のパフォーマンスを最大化できる眠り方を学ぼう(坪田聡)

こんにちは、睡眠研究家みんたつ(@mintastu1)です。

書籍のタイトルだけをみると、「5時起きなんて無理」、「5時間睡眠法ってむしろ体に悪いんじゃないか」と思う方もいらっしゃるかと思います。確かに、個人差があるので一概に言えることではありませんが、現在科学的にも良いとされる睡眠時間は7~8時間、少なくとも6時間は取りましょうと言われています。

皆さん、毎日7~8時間確実に睡眠時間を取れているのでしょうか?
正直、睡眠研究家を自称する私は、残念ながらその時間を確保することはできていません。仕事、育児、資格勉強、諸活動などをしているとあっという間に時間が足りなくなります。

しっかりとした睡眠時間を確保して、ベストな状態で毎日を過ごせば、生産性がUPして、効率よくやりたいことをやった上で睡眠時間も確保できる、のかもしれません。

その為に、ある時期は睡眠時間をしっかり確保して過ごした時期もありました。しかし、結局昼過ぎの14~15時頃は眠くなる。これは「アフタヌーンディップ」と呼ばれるヒト固有の生理機能なので、仕方がないことだと後ほど知りました。

そこで、しっかり睡眠時間を確保しても日中の眠気は避けられないのであれば、最低限の睡眠時間で最大限に疲労を回復する方法を求めて私は坪田聡さんの「朝5時起きが習慣になる5時間快眠法」を手に取りました。

この本を読んで、どうやって睡眠の質を上げるか、また短時間睡眠が本当に可能なのかを自分自身を実験台にして実践しています。まだ完ぺきではないのですが、現時点で私にとって一つの指針となっている書籍なので、ここで是非紹介させてください。

坪田聡さんの「朝5時起きが習慣になる5時間快眠法」ってどんな本?【概要】

この本では、睡眠専門医として20年間、患者と向き合ってきた著者が、医学的、生理学的に正しく「最低限の睡眠時間で、最大限に疲れをとり、余裕のある日々を過ごす」ためのノウハウを紹介しています。

◆寝ても疲れがとれない
◆睡眠時間が足りない
◆余裕のある毎日を過ごしたい
◆睡眠の質を良くしたい

という人が読むと、悩みの解決策をきっと見つけられる一冊です。

一番のポイントは、

睡眠は、「時間」×「質」の掛け算で決まる。という考えのもとに日本人の9割はショートスリーパーになれると確信した著者がステップbyステップで無理なく、具体的に睡眠の質を上げていく方法が学べる

という点。

つまり、単に睡眠時間を削るというわけでも無く、医師として患者と向き合いながら導き出した、【睡眠の質を上げる】方法を実践し、その上で短時間睡眠でもパフォーマンスが下がらない方法を学ぶことができます。

「朝5時起きが習慣になる5時間快眠法」
2016年12月8日に発売された書籍です。全192ページの本です。【約2時間】で読み終えることができます。

ザックリと内容を紹介すると、

・ 「5時間快眠法」のメソッドを知ることができる
・ 「朝5時起き」が習慣になるメソッドが学べる
・ コーチングの考え方をもとにした、睡眠削減の実践方法がわかる

という感じ。

特に全体にわたって著者の『一人でも多くの人の睡眠に関する悩みを解決し、幸せな人生を送る手助けをする』というミッションをもとにしたアドバイスとなっているので、すぐに取り入れられるものを始め、できるだけわかりやすく、イラストなども多用しながら書かれているのがポイントです。

書籍目次

はじめに
PROLOGUE 人は本当に「睡眠時間」を削れるのか?
睡眠時間を圧縮し、余裕のある毎日を手にする
日本人の9割は「ショートスリーパー」になれる
「短眠」=「健康に悪い」という勘違い
STEP1 「即寝・即起き」の技術で、睡眠効率を高める
STEP2 睡眠の「質」を上げ、脳と体を劇的に回復させる
STEP3 5つの「仮眠」で、一日中、疲れ知らずになる
STEP4 2か月で「朝5時起き」を習慣にする
たった2か月で、あなたも朝5時起きのショートスリーパーに
無理なく削れているかを「起床チェックシート」でモニタリングする
失敗は週2回までOK! 連続失敗はNG
「脳科学」「心理学」の両面から、睡眠削減をマネジメントする
「早起きゲーム」で、もっと楽しく、確実に睡眠時間を削減!
おわりに

上記の各STEP毎に具体的な方法がいくつも紹介されています。

最初からすべてができなくても、一つづつ取り組みやすいものから取り組んでいけば、徐々に全体的な睡眠の質を上げていける内容となっています

「朝5時起きが習慣になる5時間快眠法」を読んだ感想【書評まとめ】

正直、短時間睡眠というのは眉唾もので、ちゃんと睡眠時間は確保しないといけないと思っていました。そして、読み終わった今も可能であればしっかりと睡眠時間を確保したいという思いは基本的に変わっていません。

しかし、現実は毎日きちんとまとまった睡眠時間を確保し続けるのは、やりたいことが沢山ある人にとっては難しいです。私もその一人です。

そこで、この本に書かれていることを実践することで

①短時間睡眠が必要ない人は、同じ睡眠時間でも睡眠の質を上げることで日中のパフォーマンスが向上する

②短時間睡眠が必要な人は、短時間睡眠が実現可能であるという感触が得られるようになる

ということを実感しています。

実践編

短時間睡眠=1日5時間快眠を目指して実際に取り組みました。

書籍の中に出てくる睡眠時間を削減していく方法として紹介されている早起きゲームの表を私が作ったものがこちらです。

画像1

睡眠時間削減に取り組んでいく中で大事なポイント

①一週間に15分ずつ、2か月かけて徐々に睡眠時間を減らしていくこと

②1週間のうち、1~2回までは【失敗】してもOK
正し、2日連続失敗してはいけない。これは体内時計を狂わせないために絶対に守るべきルールです。

③コーチングの技術で、睡眠削減を続けるコツが載っていてその通りにやれば上手くいく
具体的には、睡眠時間を減らすことで手に入れたいものを明確にし、課題とご褒美を設定して、少しづつ取り組んでいくということ

私もこの8週間の取り組みによって、一度は5時間快眠習慣を身に付けました

【一度は】と書いている通り、8週間たった後には毎日5時間快眠をずっと実践できているわけではありません。

現在は、5時間~6時間の間を行ったり来たりしています。
スマートウォッチFitbitの睡眠ログから、ここ最近の睡眠実績をご紹介致します。
一応、朝5時起きは定着しています。

画像2

実践して得られたこと

1.短時間睡眠ができるという感触を得られた

2.睡眠時間が確保できず睡魔に襲われた時の対処法(仮眠)を身に着けることができた

3.睡眠削減ゲームを通して、新しい習慣を身に着けるときのコツが得られた。(課題とご褒美の設定、急激に変化させない事)

ちなみに、坪田さんがこの本より前に書かれているパワーナップ仮眠法という本の中では、著者も6時間以上の睡眠時間を推奨していました。

もともと短時間睡眠を推奨していたわけではない著者が、【現代人の幸せとは何か】を追い求めた結果行きついた、この本のメソッドはとても頼りになると思っています。

睡眠の質を上げたい、睡眠時間が短い日がどうしてもある。遊びも仕事も健康も全部大事にしたい。やりたいことがあるのに時間が無くてできない。

そんな風に感じている方には是非お勧めしたい一冊です。

著者のプロフィール
坪田聡(つぼた・さとる)

日本睡眠学会所属医師、医学博士。雨晴クリニック(富山県)副院長。睡眠専門医として、20年以上現場に立ち続ける。日本睡眠学会の他、日本スポーツ精神医学会、日本医師会、日本コーチ協会にも所属。ヘルスケア・コーチング研究会代表世話人も務める。

脳も体も冴えわたる 1分仮眠法』(すばる舎)、『快眠★目覚めスッキリの習慣』(KADOKAWA)、『能力が5倍アップする 睡眠法』(宝島社)、『専門医が教える毎日ぐっすり眠れる5つの習慣』(三笠書房)など著書多数。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?