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まだ眠気を我慢して働いてるの?1日のパフォーマンスを最大化させる仮眠のすすめ

こんにちは。睡眠研究家みんたつです。

寒くなってくると朝起きるのが辛いですね。
ついつい二度寝、三度寝という誘惑に勝てない日もあります。
忘年会シーズンで夜が遅くなって睡眠不足なんて方もいるのではないでしょうか?

そうすると、日中の暖房が効いた部屋で仕事をしていると、どうしても眠くなったりしますよね。

そんな時にサッとすぐにちょっと寝る(仮眠)をとることができたらどんなに気持ちがいいでしょうか。

実際、同じように感じている方はたくさんいます。

下記の表は、ブレインスリープが行った仮眠への意識調査の結果です。

こちらから日中の眠気を感じている人が67%もおり、多くの方が仮眠を希望しているということでした。
仮眠への意識 | 睡眠偏差値 結果報告

仮眠を希望する人の年代別分布

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更に、ワーキングマザーのストレスの要因としても睡眠時間が確保できないこと、そして、昼間眠たくなるという回答が目立ちました

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ワーキングマザーの5割が「昼間眠くなる」 - 味の素調べ

こういった日中の眠気により、その人の持っている本来のパフォーマンスが発揮されないというのはとてももったいないことだと思います。

パフォーマンスが発揮されないだけならまだしも、ミスの原因になっていることもあり、過去には睡眠不足が原因で大きな事故が起きていたりもしています。

そんな眠気の対策として【仮眠をとる】ということが1日のパフォーマンスを高める上でも、とても有効な方法なんです。もっと積極的に日中に眠くなったら、サッと仮眠をとることを推奨していったら良いと思っています。

実際に仮眠を取り入れている企業

海外の事例として10年も前の記事からの引用ではありますが、10年前にすでにこれだけの企業が仮眠を推奨していたそうです。

海外事例:
■デロイト・コンサルティング (Deloitte Consulting)
■ピザハット (Pizza Hut)
■AOL-ハフィントン・ポスト(AOL-Huffington Post)
■ナイキ(Nike)
■ザッポス(Zappos)
■ベン&ジェリーズ (Ben & Jerry’s)
■グーグル(Google)
■ワークマン・パブリッシング(Workman Publishing)
■ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)
■ヤード・メタル(Yarde Metals)
財経新聞2012年5月15日:[仕事術]仕事中の昼寝は生産性を上げる

こちらの記事では、上記の企業と重複するものもありますが、どんなスペースを用意しているか、推奨されるチェアーなども乗っているのでとても参考になります。

例えば、記事の中にはMetroNaps社開発のEnergyPodという限りなく省スペースで仮眠のためのプライベート空間を作るチェアーなどが紹介されています。このマシンに入ると外の光と音が遮断され、パワーナップに最適の姿勢で仮眠できるのだとか。20分アラームも付いているため、寝過ごしもありません。

それでは、日本国内の事例としてはどうでしょうか?

国内事例:
■三菱地所:
東急不動産ホールディングス:新社屋に仮眠室を設置、仮眠をとり、頭をスッキリさせることで、クリエイティブな発想を生み出します。
ガイアックス:短時間の仮眠「パワーナップ」制度を試験導入 ~業務中の”お昼寝”で生産性アップへ~
ダイドー:カフェインナップを導入
株式会社OKUTA:福利厚生としてpawernap制度を用意し、採用ページなどでも紹介している。
■GMOインターネットグループ
■株式会社Speee

などなどここに掲載できないくらい、日本でも仮眠・パワーナップ・コーヒーナップなどを、制度や場所を用意するなどの取り組みをしている企業は増えています。
https://and-l.jp/magazine/power-nap/

中でも、三菱地所の取り組みの記事が、とても参考になります。キチンと仮眠制度を導入する前と導入後で働いている方の意識や変化をアンケートなどをもとにデータを取られて、効果を検証されています。

記事の中で印象的だったのは下記の部分です。

本質的に大切なのは、社員の「労働時間」を削減、管理することではなく、社員が自らの「エネルギー」を自分たちで最適に采配し、本来の力、パフォーマンスを発揮できるようになること。それを支援する施策へシフトしていったのです。そのための仮眠室です。引用元:三菱地所が導入した仮眠制度。15分から30分の仮眠はこんなに集中力が回復する


それでも根深いマイナスにとらえる風潮

導入している企業なども多い仮眠ですが、それでも未だに寝ていたらサボっているとみなされてしまう傾向もあるかと思います。

また、マイナスにとらえる要因として、仮眠を制度として導入することが長時間労働を助長するのではないか?というものもあります。

これは先の三菱地所の取り組みで伝えていた【その人の本来の力、パフォーマンスを発揮できるようになること】という目的を忘れないようにすることで、仮眠という制度を生かすことができると思いました。

仮眠のメリットとは

代表的なのはNASA(アメリカ航空宇宙局)が行った実験で、「昼に26分間の仮眠をとった結果、認知能力が34%上昇し、注意力も54%上がった」とされています。
「Crew Factors in Flight Operations IX: Effects of Planned Cockpit Rest on Crew Performance and Alertness in Long-Haul Operations」 https://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/19950006379.pdf

厚生労働省が2014年に公表した「健康づくりのための睡眠指針2014」にも、「午後の短い昼寝が作業能率の改善に繋がる」と、パワーナップの効果を謳っています。

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こちらは、西川の仮眠によるパフォーマンスの変化についてのグラフです。

パワーナップを実施することで、仮眠前に比べて集中力が向上し、作業時間が短縮するという結果が得られています。さらに西川の推奨するちょっと寝ルームで仮眠をした時にはミスの減少も見られており、適切な環境での仮眠がより効果的であることも紹介されていました。

画像参照元:日本睡眠科学研究所 推奨『ちょっと寝ルーム』のご提案

仮眠には1分、5分という短い時間で取る方法もある

とは言え、業務中に仮眠をとるというのがなかなか認められていないという状況下の方も多くいるのかと思います。そこで、そんな方には、仮眠=30分程度の睡眠という思い込みがあったらそれを捨ててください。

実は仮眠の仕方には5つのバリエーションがあります。上手くこのバリエーションを使い分けて眠気をコントロールしていきましょう。

① ナノ・ナップ
姿勢を変えることなく、目を閉じ「数秒間」じ~っとしている、合わせて深呼吸などをして呼吸も整えると良い。目の疲労軽減、集中力アップに向いています。
使用場面:仕事と仕事の合間など気分転換したいとき、エレベーターの中など一瞬の隙間時間

② マイクロ・ナップ
「1分から数分間」の名のナップと同じように目を閉じ深呼吸をする。集中力が切れたと感じた時などに行うと良いとされる。
使用場面:細かい作業をしている合間、商談前、大事な会議の前など

③ ミニ・ナップ
体を締め付けているものは緩め、リラックスした状態になっておこなう。疲労ケアに良いとされる「10分間」の仮眠のこと。
使用場面:始業時間前、休憩時間が取れるとき、前日寝不足だなと感じているときの午前中、パワーナップが取れない時

④ パワー・ナップ
日中の「30分未満」の仮眠を指す。仮眠と言えばこの20分~30分未満でとることを言うことが多いです。このパワーナップをする前にコーヒーなどのカフェインを摂取しておくことで、ちょうどパワーナップから目覚める頃にカフェインの効果が表れて、よりスッキリと起きることができます。
使用場面:正午から午後3時までのあいだにおこなう。

仮眠において必ず守りたいことはダメナップを取らないようにすることです。ダメナップとは30分以上の長時間に及ぶ仮眠のことです。30分以上寝てしまうと深い睡眠になってしまい起きた時にスッキリしない、ボ~っとする、夜の睡眠の質を低下させるなどのデメリットが出てきてしまいます。

そんな、仮眠を効果的にとるポイント

・光をシャットアウトする:アイマスクなどの活用がおすすめ
・あえて座った姿勢で眠る
・タイマー設定を忘れないようにしましょう
・カフェインナップ(仮眠前のカフェイン摂取も効果的)
・耳栓やホワイトノイズの活用

カフェインナップについて補足:

カフェインの効果が半減するのに8時間程度かかると言われています。その為、寝る8時間以上前を目安に取るようにしましょう。

もし、夕方にも眠気があるからと言ってカフェインを飲みすぎると、むしろ夜の睡眠を阻害することにもなりかねません。

結果、夜が良く眠れない⇒日中眠くなる(なのでカフェインを取る)⇒夜眠れないという悪循環を引き起こしてしまう可能性があります。

いつでもだれでもどこでも眠くなったら仮眠が取れるようになったらいいのに

仮眠はサボっているのではなく、あなた自身の本来の力、パフォーマンスを発揮できるようになるために取り入れるものそんな風に意識を変えて、是非積極的に仮眠を取り入れて毎日を楽しんでいきましょう。

いつでも、どこでも、誰もが眠ければ仮眠をとっていい社会になったら、今よりちょっとはご機嫌で暮らせる人が増えるんじゃないかなと思います。

もちろん、日々の生活習慣でしっかりと夜の睡眠もとれることが大前提として大切なのは間違いありません。日々の睡眠習慣の疑問・質問・お悩み事などがあればお気軽にお声かけください。

睡眠が変われば人生が変わる
睡眠研究家みんたつ








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