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娘が生きた記録

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先天性表皮水疱症の娘が頑張って生きた210日間。
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2020年6月の記事一覧

NICU卒業

NICU退院までのお話、その2です。

カンファレンスが終わってから退院するまで1か月。
週3日ほど病院に通って皮膚処置やおむつ替え、授乳の練習をさせてもらいながら、退院に向けて在宅支援の申請をしたり、処置や日常生活に必要なものを買い揃えたり、部屋の片付けをします。

生後2か月その間に、娘は生後2か月になりました。
皮膚の状態は変わらずですが、ミルクは良く飲めていて、体重も順調に増えていました。

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病気の子を出産

病気の子を出産

妊婦検診では異常なしまさか自分の子が難病で生まれてくるなんて思ってもみませんでした。妊婦検診では特に異常はありませんでした。

気になることといえば、それまで順調に大きくなっていたのに、36wの検診くらいからあまり増えなかったこと。出産の時にちょっと心拍が落ちてしまい帝王切開になりかけたこと。でもこれは、表皮水疱症に関わらずよくあることだから、病気の予兆だとは思っていません。

表皮水疱症は遺伝性

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病気の確定診断

娘が亡くなるまでたった6ヶ月間の出来事とはいえ、すごく長くなりそうなので、先に主な出来事を時系列で簡単にまとめておきたいと思います。
簡単にと言いつつ、これまた長くなりそうなので、まずは出産〜NICU退院までを小分けにして綴ります。

病気の知識はゼロからのスタート娘が生まれてはじめて、表皮水疱症という病気を知りました。

表皮水疱症は、表皮と真皮を接着させるタンパクに生まれつき異常があるため、日

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病型確定


少しずつ慣れてきたころ入院してすぐは表皮水疱症の栄養障害型と言われていました。表皮水疱症の患者の約半分は栄養障害型ですので、娘もそのつもりで、退院に向けての日々を過ごしていました。

相変わらず毎日のように水疱やびらんができていました。高熱が続き、CRPの値も高いため抗生剤の点滴もしていました。治療法ないならすぐ退院かなと思っていたのに、1ヶ月経ってもまだまだその気配はありません。病状は悪化して

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在宅支援サービスを知る

NICU退院までのお話、その1です。

病型を宣告された翌週には退院カンファレンスがありました。
生まれたばかりの娘が、1年以内に死んでしまうと言われても、自宅で暮らしていくための準備はしなければいけません。病院まで往復3時間かけて通うのは大変でしたが、早く退院したい気持ちはほんの少しだけ。この頃はまだ退院するのが怖い気持ちの方が大きかったです。

自宅で皮膚処置をするために一番の心配は、毎日の皮

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