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子犬顔「ホン班長」の悲しい表情に母性本能を刺激される-『海街チャチャチャ』Ep15

10月16日(土)23時頃に配信された「海街チャチャチャ」エピソード15。

癒しのドラマとして「賢い医師生活ロス」を埋めてくれたこのドラマも、いよいよ今夜のEp16の配信をもって最終回を迎える。

ここでは最終回への心の準備として、視聴ホヤホヤの「海街チャチャチャ」エピソード15について思うところを書いてみたい。



1. ホン班長「空白の5年間」の顛末

全くマークしていないかった「AD キム・ドハ」に、ホン班長が殴られるという衝撃の場面をチラ見させて終わったエピソード14。



ドハの行動によって、ホン班長が辛い過去の記憶に直面させられるところからEp15は始まる。

この事件をきっかけに、雪崩のごとくホン班長の「空白の5年間」の種明かしがされるわけだが、エピソード15まで引っ張りに引っ張ってきただけあって、「ホン班長の過去」とは、不幸が重なった結果のとても痛ましい出来事だった。


確かに、その不幸の始まりにホン班長は関係していたかもしれない。
でもそれは、彼のせいというわけではない。それでもホン班長は自分で自分を責め続けてきた。

また、不幸に見舞われたホン班長の大切な先輩パク・ジョンウドハの父の家族もまた、ホン班長を責め立てる。
サンドバックの如く、彼らのやり場のない怒りと悲しみを受け取るホン班長だが、彼自身が誰よりも悲しみ受け止めてくれる相手を必要としていたはず。

しかし、もともと弱音を吐くことに慣れていないホン班長は、その悲しみを自分の心の中に閉じ込めてしまった。そのせいで過去から一歩も前に進むことができなかったのだ。


そんなこんなで、いつものホン班長、つまりは明るく頼りになる男としての彼は、エピソード15においてすっかり鳴りを潜めてしまう。

でもそれは、ホン・ドゥシクという男の素の姿でもあり、れっきとした彼の一部でもあるのだろう。


ともあれ、世の中の多くのことは時間が解決するもの。
ホン班長に起きた一連の不幸も例外ではない。
彼を責め立てた「不幸に見舞われた遺族や家族」の気持ちも、時間と共に変化した。

一方のホン班長もまた、自分の弱さを受け止めてくれるへジンの存在によって、一歩づつ前に進み出す。
そして、「自分を許す時」がホン班長に訪れたことがエピソード15の着地点でもあるのだ。


2. ホン班長の表情だけを追っていたエピソード15

ホン班長の過去「空白の5年間」が明かされるタームとなったエピソード15。

そんな事情でホン班長の表情は終始暗い。

このホン班長の「悲しい表情」に心痛めたのは私だけではないはず。
見ているだけでこちらまで一緒に涙してしまう。

一方で、その「悲しい表情」に強烈に惹かれてしまった私。
エピソード15では、そんな彼の表情だけを追っていたといっても過言ではない。
キム・ソノが表現するホン班長の悲しみは、それまで見せていた爽やかな笑顔と同じくらいの魅力があるのだ。

それはもちろん、キム・ソノの演技力によるところが大きいわけだが、ある意味、彼の「顔」のせいでもあると思っている。

なんというか、子犬系の顔なのだな。
「いい人顔」というのは「スタートアップ 夢の扉」のハンチーム長の時も思ったことだけど、それに加えて「海街チャチャチャ」での発見は、キム・ソノは子犬系だということ。

そんな彼が悲しそうな顔をすると、子犬が「クゥーン」と泣いているような表情に見えてしまい、いてもたってもいられない気持ちになる。
それはつまるところ、私の中に潜んでいる母性本能的なものが顔を出すからだと勝手に分析しているのだが、兎にも角にも胸が締め付けられてしまう。
そして、画面ごと抱きしめてしまいたくなるのだ(おおげさ)。

なので、へジン同様、視聴者は全力でホン班長を支えたくなってしまうのではないかしら。


それともうひとつ。
ホン班長がジョンウ先輩を「ヒョン」と呼ぶ時の声が好き。
「ヒョン」という親しみ込めた呼び方や、そもそも言葉の響きがいいというのもあるけど、キム・ソノの声で聞く「ヒョン」は格別なのだ。

ともあれ、海辺(ホン班長の脳内)で再会した、ジョンウ先輩と語り合うホン班長の涙で緩んだ顔と、「ヒョン」という響きが、海辺の風景や波音と合間ってすごく良き場面だったと思うのであった。


3. どこまでもいい人からはみ出さないチPDという仏

Ep14で、ジョンウ先輩の妻の「いとこ」という、微妙な立ち位置だったことが判明したチPD。
「恋敵以外の役割もあったのね」と驚きを隠せない。

それにしても、彼はこの物語においてとことんイイ人の役回りだ。

なんといってもチPDの存在がへジンとホン班長の関係を急展開させることになったわけで。また、へジンに失恋した後でもホン班長と良好な関係を続けることができるのは、チPDがイイ人、いや仏だからなせるわざ。

それだけはない。
Ep15で明らかになったホン班長の過去に関してもそう。
自分だって無関係ではないのに、決してホン班長を責めることなく、というか、後輩であるドハにホン班長の抱えているであろう苦悩をさりげなく伝えたりと、なんとも人間ができている。

毒にも薬にもならないタイプかと思っていたけど、薬にはなる。うん、なる。
ともあれ、彼の善良さは仕事仲間やコンジンの人々、そして視聴者までもを温かく包み込む。

ホン班長が辛い過去を抱えているのと対照的に、「影」らしきものが1ミリもないチPDは、常に癒しドラマ「海街チャチャチャ」の中心で人々を包み込んでいた。そう、まさに仏のように

そう考えると、彼こそがこのドラマの「ほのぼの空気」を醸成した立役者なのかもしれない。

ともあれ、今夜の最終回ではワン作家への気持ちをしっかり伝え、幸せになって欲しいと願うのであった。


さて、いよいよ最終回。
ホン班長ロスは確実だけど、今日も彼の表情をしっかり追いかけつつ、癒しドラマ「海街チャチャチャ」を堪能しようと思う。

ありがとう!海街チャチャチャ!


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私が運営している「ミントブログ」でも考察を書いています。
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トップ画像:tvN「海街チャチャチャ」公式サイトより引用
http://program.tving.com/tvn/chachacha



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