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『賢い医師生活2』Ep11 - ソンファの気持ちの変化をたどる

前回同様、1時間53分という映画並みの長さだったエピソード11。
いままで結論がでなかったあれこれに道筋と光が見え、「賢い医師生活2」もいよいよ終わってしまうことを感じさせる展開だった。

さて、エピソード11のメインストリームはイクジュンのソンファの恋の行方。

最終回を前に、ソンファの気持ちの変化にフォーカスしてEp11を振り返ってみようと思う。


1. 40代、大人の恋の臆病さはどこから

シーズン1の最終回でソンファに告白(の前振り)をしたイクジュン。

まずはイクジュンの告白をおさらいしてみよう。

ソンファの転勤によって告白を決意した彼は、いつになく真剣な表情でこう言う。


よく聞け

友達がいる ずっと昔からの友達だ 
でも好きになった

告白したら気まずくなりそうだし
だが今回も告白しないと 一生後悔しそうだ


それに対してのソンファの返事は、シーズン2開始早々。

今みたいに 一番の親友としてこの先も過ごしたい

わたしがあんたなら、告白しない


うぅ。。玉砕。

長年の親友であるからこその難しさが全面に出てしまった結果だ。実際のところ、イクジュンだって迷っている。こんなことを言って気まずくなるのはイヤなわけで。

結果、イクジュンはソンファの気持ちと選択を静かに受け止める。



さてここで、ソンファについて分析してみる。

チェ・ソンファ
40代前半、女医、恋人はいないけど頼れる親友がいて、やりたい仕事に従事している。良き同僚たちに囲まれ皆に慕われている。
忙しいけど、仕事もプライベート(バンド活動やソロキャンプなど)も充実で、何より4人の心許せる友がいれば寂しくはない。


ステキな40代だと思う。
こんな日常をおくっていれば、「恋人が欲しい」と強く思うこともないのかも。

それに40も過ぎれば、恋愛が人生に占める割合は少なくなってくる。

「恋愛はあってもなくてもどっちでもいい」、それが本音なのではないかしら。というか、むしろ独りの方が気楽だったりもする。

自分の生き方や生活パターンが確立している、自立した40代の女としては「居心地のよい今の生活を手放すのはちょっと惜しい」、そんな風に思っても不思議ではないと思うのだ。

もちろん、恋愛の良さは知っているし拒絶するものでは全くない。その一方で、恋はいつか終わるし、傷つくことがあるのも知っている。

だからこそ「恋愛あれこれ」に心を砕くよりも目の前にある日常を優先してしまう。そんな風に自分の気持ちを曖昧にしているうちに、知らぬまに時は過ぎていく。

と、これが40代前半を生きるソンファのリアルのような気がする。


その一方で、ソンファは、イクジュンが自分に必要な人間だとよく分かっている。

彼女が一番恐れているのはイクジュンを失うことであり、だからこそ、彼との関係を恋という不確かな舞台に上げることに躊躇する。そのリスクを負う勇気がないのだ。親友としてそばに居てくれるイクジュンとの日常を失うのはとても怖い。

それに、もし彼と付き合ったとしても、その恋はいつか終わるかもしれない。そうなれば元の親友には戻れない可能性だってある。

うん、ソンファが慎重になるのも無理はない。


コレが大人の恋がゆるりと進む理由。
歳を経るごとに臆病に、そして慎重になるのが人間なのだ。。


2.ソンファの心を溶かすのは


「親友と気まずくなりたくない」

これは彼女の本音だっただろうし、イクジュンもそれを理解している。
だからこそソンファの気持ちを尊重した。


お互い気持ちがあったとしても、そこから一歩踏み出すのは思いの他簡単ではない。もどかしけど、それが大人の恋なのだ。


しかし、ソンファの心を溶かす糸口になった人物がいる。

それは、エピソード3で登場した、VIP患者の兄(イ・ギュヒョン演)。

長年の親友だった女友達に告白された彼は、
はじめは彼女の思いを受け止めることができなかった。


親友と気まずくなるのは嫌だ  今まで通り親友でいよう


それが親友の告白に対する彼の答え。

しかし、彼は自分の答えに矛盾があることに気が付く

好きだといわれて 気まずくなるのはイヤだと答えた


「好きだ」と言われたのに、「好き」でも「好きじゃない」でもなく、「気まずくなるのはイヤだ」と答える。うん、確かに答えになっていない。

彼もソンファと同じように、絶対に失いたくない親友との関係を、恋によって壊したくなかったのだ。

しかし、彼は自覚する。

「友達」ではなく 「男と女」だと


すごくシンプルなことなんだけど、近すぎて見えないこともある。
あるいは関係性を壊したくないが故に、あえて気づかないふりをすることも。


ソンファは、自分がイクジュンに対し、同じように感じていることに気づく。



さて、ここで気になるのはエピソード11で描かれていたイクジュンとソンファの学生時代の描写。

イクジュンに想いを寄せているソンファに対して、イクジュンはつれない。

親友のクマがソンファのことを好きだったからなのか、別の理由があるのかはよくわからないけれど、とにかくイクジュンはソンファの気持ちを受け止めることはなかった模様。


う〜ん。
個人的にはこのくだりはいらないと思ったり。
20年前にどうだったかよりも、その後の20年間の関係の方が彼らにとってずっと重要なわけで。

実際のところ、母の病気で参っているソンファに代わって仕事を引き受けたり、邪魔にならないように支えたり、馬鹿なことをして笑わせたり。いつもさりげなく彼女のそばにいるイクジュンは、ソンファとの良き関係を着実に築いてきた。


一方、イクジュンにとってもソンファが心の支え。

二人の気持ちは同じなのに、そこから先に踏み出す勇気やきっかけがない。


しかし、イクジュンの事故によって、ソンファの気持ちに変化が起きる。 

大切な人に「好き」と伝えられなかった後悔の方が、関係を壊すリスクよりも大きいと判断したのだ。


そして、今度はソンファがイクジュンに告白する。

よく聞いてね。
あんたがケガしたとき 最初に何を思ったと思う?

告白してれば あんたが好きだと 言えばよかった
最初にそう思ったの

あんたの気持ちが変わってなければ 

私たち 付き合う?



「よく聞いてね」
ソンファのその言葉は、イクジュンが告白の時に最初に発した言葉「よく聞け」と呼応している。


そして、ソンファが照れながらもゆっくりと告白するその間、その言葉を噛み締めているというか、楽しそうに聞いているイクジュンの態度が、「ああ、イクジュンらしい」と微笑ましく。

ともあれ、雨降る夜の告白、すごくいいシーンだったな。


ここから、イクジュンとソンファの男と女としての歴史が始まるのだ。


3. 親友プラス恋人という関係

それにしても最高じゃないか。

親友の二人が親友でなくなったわけではない。
親友という関係に、恋人がプラスされたのだ。

気持ちが通じるとはなんと素晴らしいことか。

もちろん、独りで過ごす時間も心地よいけど、好きな人と喜びを分かち合うことで生まれる幸福は、何ものにも変えられない。


特に、大人の恋は一筋縄ではいかない分、大切な人と時間を過ごす重みを充分に理解しており、幸福度も高いのだ。


ところで、恋を叶えるに大切なことって何かしら。

諦めないこと。
思い続けること。

いや、静かにそばに居続けることなのかも。

イクジュンとソンファのように。


***


ところで、「雨を見る」ってすごくロマンティックで好き。
たとえば、家の窓から、車の中かから(イクジュンとソンファのように)、屋根のある安全な場所から、大切な人と見る雨はなんだか特別で、すごく幸福な時間だと思うから。


2. 最終回に向けて

エピソード11で忘れてはいけないのはソッキョンとミナの恋の行方。


初デートでピンクのワンピースを着たミナの、ぎこちない仕草が可愛すぎ。
そして、クマの紳士っぷりがちょっとこそばゆくもあったけど、とにかく気持ちが通じた二人を見るにつけ、ホッコリする。


ところで、ソッキョンのアメリカ行きは母対策ってことよね。

きっと最終回でミナとソッキョン母が再会し、「!」という展開になると思っているのだけど、あの「口紅ハルモニ」がソッキョン母と知った時のミナの慌てっぷりが、今から目に浮かぶようで微笑ましい。


さて、恋愛モード全開だったシーズン2だけに、ジュンワンとイクスン、ジョンウォンとギョウルの関係性も最終回で一歩前に進むのかな。

ジュンワン推しの私としては、ぎこちないながらも、彼がイクスンとの関係修復しつつあるのが嬉し。


最後に、最終回予告編。
笑顔がかわいいジェハク先生の涙が気になる。。


さて、泣いても笑っても次回が最終回。
ロスは必須だけど、楽しみです。



※回想シーンとはいえ、チホン先生推に会えたのは幸せ♪



トップ画像:tvN「賢い医師生活」公式サイトより引用
http://program.tving.com/tvn/doctorlife2




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