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『賢い医師生活2』Ep9-”大切なのは結果”と理解し尽くす、人魚姫たちが患者を支える

神回と言われたエピソード8に続き、良き癒しの時間をいただきました。
ということで、エピソード9の感想を綴ります。

1. 表舞台ではないところで患者を支える人たち

エピソード9が一番伝えたかったことは何か。

それは、目立たないところで医療を支える人々の存在とその重要性みたいなもの。
そして、医療を受ける我々はその人たちの存在を忘れていけないということ。


それらのメッセージは、救急医学科の医師ポン教授をはじめとする救急室の医師たちと、ジェンウォンと共に子供たちの世話をするNICUの看護師たちによって表現される。

たとえば救急室の医師たち。
彼らの仕事は特定の患者を完治まで見守ることではない。
救急の文字通り、緊急で処置が必要な患者を受け入れる窓口であり、専門医に引き渡すまでの応急処置を行うのことが彼らの任務。

考えるまでもなく、ストレスのたまる大変な仕事だと思う。
救急患者は休むことなく運ばれてくるわけで、その症状は多岐にわたる。
そしてもちろん、どの患者も緊急を要している。
適切で迅速な判断と処置が常時求められるという過酷な仕事だ。

日々、どんなボールでも受け取らなければならない救急は、他のどの医者よりも心の広さというか、「受け止め力」が要求されるのではないかしら。

一方で、救急で運ばれた患者はそこで緊急処置を受けた後、それぞれの専門医に託される。そのため、多くの患者にとって救急医との関係は希薄。


劇中では救急室レジデントのヨン医師が、自分のことを「誰にも分かってもらえない人魚姫」にたとえていた。
確かに、最初に患者と出会い、処置をした自分の存在が認識されていないというのは寂しいこと。どれだけ心配しても、そして尽くしてもそれに気づいてもらえないのは悲しく、そして時に悔しいのも理解できる。

そんな釈然としない思いを抱えるヨン医師にポン教授は言う。


大事なのは結果だ
誰の功績かは関係ないのさ


「救急措置のおかげで患者を救えたなら十分だ」とも。

でも、なんだかんだ言っても人に感謝されるのは嬉しいしモチベーションにもなる。
患者からの感謝は、たとえ治療の過程でどんなに苦労をしたとしても、それを帳消にする力を持っているのだ。

もちろん、患者にお礼を言ってもらうために働いているわけではないけれど、手術を施した医師は患者に感謝され、初動で救急で患者を助けた自分が彼らの記憶にも残っていない現実は、ある意味せつない。
それを納得して自分の中に落とし込むには、やっぱり時間や鍛錬が必要なわけで。

そんなヨン医師の気持ちを察し、ポン教授が放つ言葉が泣かせる。

俺が分かってやる



そう。患者はわかっていなくても、仲間である医師たちは理解している。
救急室の医師たちはもちろん、専門医たちは救急での処置があったからこそ、自分たちの仕事がスムーズに運ぶということを知っている。

実際のところ、オペレーションとはどの機能が抜けてもワークしない。
そういう意味で、患者を助けるのは手術をした医師だけではない。それぞれが、それぞれの役割を誠実に行うからこそ成り立つのがオペレーションであり、誰もが必要不可欠なのだ。

ヨン医師に話を戻すと、自分が精一杯やった仕事を理解してくれる人がいることが大切なのは間違いない。どんな人格者であっても、他者からの理解や感謝によって、自分の存在意義を確認している部分は少なからずあると思うし、それが力にもなる。

一方の、助けられる患者側としては、目に見えるもの、または自分が認識できるものが自分を救った全てではないということを忘れてはいけない。
人は様々な人に支えられて生きている。それも知らず知らずのうちに。

これらはこのエピソードが伝えたいメッセージなのだと思うし、このご時世なら尚更のことだ。


さて、救急医学科のポン教授を演じたのは「ヴィンチェンツォ」でも大活躍だったチェ・ヨンジュン。

「賢い医師生活」シリーズでの出番はそれほど多くないけれど、彼の存在はユルジェ病院には欠かせない。救急医の活躍なしでは医療が回らないように、ポン教授もそこにいるだけで安心感みたいなものを周囲に提供していると思うのであった。


2. イクスンの本音と頼りになるお兄ちゃんの存在

個人的には、シーズン2で最も気を揉んでいるのがジュンワンとイクスンの関係。
そして、イクスンの兄であるイクジュンがキーパーソンになるのは必然。

で、妹の「今」の気持ちを悟った彼は早速行動に出る。
深夜バスでの「偶然の出会い」を創出したのは、お兄ちゃん。イクジュンだった。


さて、ジュンワンが数年ぶりに会うイクスンにどんな言葉をかけるのかと、固唾を飲んで見守った。

そしてジュンワンが絞り出した言葉は、

元気にしてた?


そうだよね。
そう言うしかないし、むしろその一言に全ての想いが込められている。

また、その後に続く短い言葉には、ジュンワンの切実な気持ちが表現されている。

嫌なら断ってもいい
会って、話がしたいんだ


「これ、絶対断るなよ!イクスン!」と心の中で祈りつつ鑑賞しました。。



ともあれ、エピソード9でようやくイクスンの病気を知ったジュンワン。
彼の心の揺れは如何程かと思うとこちらまでザワザワするけど、とりあえずジュンワンがイクスンの気持ち(ジュンワンを今も想っている)を知るところまできて、ホッと一安心。

それにしても、「スマホの待ち受けがジュンワン」という見せ方でイクスンの現在の気持ちを表現するあたり、エピソード8での仕込み(イクジュンがイクスンのスマホを見るも、その内容に関しては描写なし)を含め、素晴らしき。

言葉にしたら嘘くさいもんね。
ステキな構成ですごく好き。

ところで、イクスンの本音はどこにあるのだろう。
ジュンワンに自分を諦めさせるために「好きな人ができた」と言ったその理由は、自分の病気でジュンワンにこれ以上の負担をかけたくなかったから(だと思う)。

だとしても、それでジュンワンが納得しない&苦しむのは想像に難くないわけで。


ともあれ、未だジュンワンを想っているイクスンとしては、自分の気持ちをジュンワンに知られたことに、内心ホッとしたのではないかしら。

だって本当は側にいて欲しかったはず。
病気を抱えているならなおのこと。


一方のジュンワン。
イクジュンからイクスンの入院の事実を聞き、こう思ったはず。

「俺とイクスンのこと、知ってたの?」

うん。知っていたんだよ、お兄ちゃんは。

いつもふざけてばかりで軽いノリのイクジュンだけど、ここぞというところは外さない男でもある。

友達と自分の妹が付き合っていると知れば、兄としてそれなりに複雑な感情を抱くだろうに、余計な詮索は一切せず、二人の気持ちを客観的に観察し、ひっそりとサポートする。

そんなイクジュンが好きだー!


3.今週のあれこれ

イクスンの歌声。
聞きました?

すごく上手い。彼女も99sのボーカルにしてもいいじゃないんですか!?
ともあれ、多才だな、クァク・ソニョン(イクスン)。美しくて歌も上手い。


さて、今週もノロノロと順調なのはクマさんとミナ。
クマさん(ソッキョン)が心を開き始めたのはとても良きこと。また、ミナの存在が彼の中では大きくなっているのは、ミナを応援する身としては喜ばしい限り。

とはいえ、ソッキョンの母とミナの今後の関係が気になるところではある。
でも、ソッキョンもそろそろ親離れすべきよね。いい大人なんだから。(と言いたい放題)


そして、ソンファとイクジュン。
なかなかいい雰囲気になってきたじゃないですか。

なのですが、個人的には、ソンファの学生時代の回想シーンはいらないような気がした。

「学生の頃、イクジュンのこと、ちょっと好きだったんですよー」的な描写がなくても、これまでの二人を描く中で、ソンファの気持ちがイクジュンに傾いていく様子は十分に表現されていると思うから。

ともあれ、ソンファとイクジュンの関係の変化に関する前振りはカンペキ。
次回以降の動きに期待。


【今週のスペシャル】

何と言ってもユ・ジョミョンのカメオ出演!
梨泰院クラスのチャン・デヒとしてお初にお目にかかかったユ・ジェミョンが、映像科医師として登場。
私の中ではソン・ドンイルと共に、見ているだけで嬉しくなる激推し俳優なのでときめいた。

あの卓球大会をエピソード9に挿入する意味があったのかどうかはよくわからんけど、とにかくユ・ジェミョンに会えたことはこの上ない喜び。
彼が出演していた「応答せよシリーズ」でお馴染みの未の鳴き声?「メェ〜♪」という効果音もなつかしく、ツボでした。


あと3話で「賢い医師生活2」が終わってしまうと思うと、悲しい。。
確実にロスになるだろうと思いつつ、すでに気持ちはエピソード10へ向いている私なのであった。


トップ画像:tvN「賢い医師生活2」公式サイトより引用
http://program.tving.com/tvn/doctorlife2




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