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映画・ドラマのレビュー

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映画・ドラマ・ドキュメンタリーなど鑑賞した映像のレビューと、作品から感じたことを綴ります。(ネタバレあります)
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2020年7月の記事一覧

ヒョンビン演じる主人公たちに惹きつけられる理由

「愛の不時着」沼に落ちて以来、ヒョンビンの主演映画やドラマを片っ端から鑑賞した。ドラマ6本、映画6本を2ヶ月で完走したのだからなかなかのハマりっぷりだと我ながら思う。これに加えて愛するリ・ジョンヒョクに会うために、1日1回は「愛の不時着」のお気に入りシーンを鑑賞するルーティンも継続中。 さて、過去のヒョンビン主演の作品を観ながら、ヒョンビン演じる主人公たちのリ・ジョンヒョク的な部分を無意識に探している私。 当たり前だが同じ人間が演じているので、笑顔やしぐさなど似ているとこ

『マチネの終わりに』心の奥底にしまい込んだ想いと情熱の行き場について

2019年/日本 監督:西谷弘 出演:福山雅治・石田ゆり子 「マチネの終わりに」は、せつなく静かな大人の恋の物語だ。 若い頃のように、情熱のままに自分の気持ちをぶつける恋ではない。 40代という年齢だからこそ抱く葛藤、生きてきた時間の分だけ見える景色、そして胸に湧き上がる愛する人への想いがじっくりと描かれている。 まずはあらすじを。 ギタリストの蒔野とジャーナリストの洋子は出会ってすぐに恋に落ちる。しかし蒔野のマネージャー三谷の嫉妬によって、二人はすれ違ってしまう。

『劇場』 失って初めて気づく価値

2020年/日本 監督:行定勲 出演:山崎賢人・松岡茉優 1. 安全な場所について男が必要としているのは安全な場所。 そして、その場所を守りたい女。 感情に従順である人間は恐怖 でも尊いと思った 永田は沙希のことを感情に従順と感じている。 でも、本当にそうだろうか。 確かに天真爛漫で無邪気なところが沙希の長所だ。 でも彼女は本音を隠してはいなかったか? 沙希は言う。 「ここが一番安全な場所だよ」 永田にとって微笑みながらそう告げる沙希は「神」だ。 彼女は優しさと

『愛の不時着』 愛すべき脇役たちについての考察

「愛の不時着」への愛ゆえに、メイン登場人物4人それぞれの考察や感想をnoteに書いた。 それらの記事のアクセス数から分かったことは、人々の関心は「リ・ジョンヒョク」に集中しているということ。「リ・ジョンヒョク」に関する想いを書いてから2週間だが、それよりも前に書いた「ユン・セリ」「ソ・ダン」の記事のアクセス数を投稿から3日で悠々と抜き、今や倍以上の差がついている。 記事の好みや良し悪しもあるので一概には言えないが、タイトル(登場人物の名前が入り)を観てアクセスをすると仮定

ツンデレの潜在能力は 「ツン」 と 「デレ」 の比率で決まる 『ジキハイ』からみる人はなぜツンデレに惹かれるか

ついにU-NEXTにも手を出してしまった。 こちらのラインナップにはNetflixやPrime Videoにない作品が数多くあって、しばらくは観る作品に不自由はなさそうだ。 まずは「愛の不時着」以来惚れてしまったヒョンビンの主演作品制覇を目指し、U-NEXT独占の「ジキルとハイドに恋した私」を鑑賞中。 このドラマは解離性同一性障害(多重人格)を患うソジンと、彼の副人格ロビンを中心に展開する。タイトルが軽やかなので明るいラブコメかと思いきや、中盤が意外に重い内容で良い意味

去る者と残される者 それぞれの苦しみについて 『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』

2017年/韓国 原題:One Day 監督 イ・ユンギ 「ワン・デイ 悲しみが消えるまで」はいわゆるファンタジー映画。 今まで観てきたイ・ユンギ監督の作品(「愛してる、愛してない」「男と女」)が、現実の男女の心の揺れを描いたものだったのでちょっと意外だった。 この物語は、闘病の末自殺した妻の死後、すっかり無気力になっているガンスと、事故で昏睡状態の視覚障害者ミソ(幽体離脱している)との交流が、現実とファンタジーの世界を交錯しながら描かれる。 ここでは、ファンタジーや

ワルになりきれないク・スンジュンが見えないところで『愛の不時着』を支える

「愛の不時着」への愛が止まらず、既に主役カップルであるリ・ジョンヒョク、ユン・セリ、そしてリ・ジョンヒョクの婚約者ソ・ダンについてのnoteを書いた。 そうなるとあと一人、忘れてはならないのがク・スンジュン。 「愛の不時着」において、ク・スンジュンは目立つことなく、または見えないところで物語を円滑に進行させる役割を果たしている。メイン登場人物たちが自分の人生に夢中になっている間に、彼は密かに次の展開に結びつくアクションをしているのだ。 ここでは、そんなク・スンジュンに焦点

なぜ リ・ジョンヒョクに何度も会いたくなるのか 『愛の不時着』

「愛の不時着」でヒョンビンが演じる「リ・ジョンヒョク」にハマっている。 このドラマを何周も観てしてしまう理由の一つは、彼に会いたいから。 はじめはリ・ジョンヒョクに恋してしまったのか、ヒョンビンに惹かれているのか判断がつかなかったが、結局のところリ・ジョンヒョクなのだと思う。 正確にはヒョンビンが演じるリ・ジョンヒョクに惚れたのだ。 ここでは、何度も会いたくなる(観たくなる)リ・ジョンヒョクについて深掘りしてみたい。 1. リ・ジョンヒョクという人生北朝鮮の将校であるリ