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おとなの自由研究〜セミ編

一応おとな女子である私ですが、今でも観察や、図鑑を使う調べものが好きです。

今回の記事は、2023年8月8日深夜から翌朝にかけての、セミの羽化の観察日記です。

撮影した写真をご紹介しながら進みます。
オーム(ナウシカ)のような虫たちが苦手な方にとっては、ギョッとしてしまう内容かと迷いましたが、私は心から美しいと感じたため、記事にしました。

生きもの好きな方に、
お子さんや生徒さんの観察の参考にお読みくださる方に、
そして何となくここまで読んでくださった方にも、楽しく最後までお付き合いいただけたら幸いです。


8月8日の21時半頃、ルーナ(うさぎ)がおつかいに行ってくれないと言うので、痛み止めを飲んで痛み止めを買いに。いつものことだが、歩いていった。

おかげで素晴らしい体験をしました。

帰りに、歩道をノソノソ歩くものを発見。
この時期は、クロゴキがよく地面を走っているのですが、動きの遅いゴキだなぁとかがんだら、セミの幼虫だった。

とりあえず、このままでは踏まれる恐れがあるので手に取り…、ワクワクしてしまった♪
セミの羽化の瞬間を見てみたいと思ってきたので、連れて帰ることに。

この時点で背中に緑色が透けています。いかに殻が薄いかが分かります。

家の中は、意外とツルツルしたものが多いことに気が付きました。
そのこともあるのか、手には進んで登ってきます。
物理的にもストレスがかかりますし、また手のひらには細菌などが多くいます。お子さんと観察される方は、長く触ったり、撫でたりはしないよう、見守ってあげてくださいね。

部屋には連れて行かず玄関で観察。
なかなか落ち着く場所が見つからないようで、ヒヤヒヤと祈るばかりでした。
電気はひとつしか付けていなかったのですが、それでも明るかったようで、かわいそうなことをしてしまいました。

ようやく、家具の影になって薄暗い壁で静止。

23:17

このくらい暗いのが落ち着くよう。
夜に羽化するのですから、考えてみれば当然ですね。

観察、撮影するには暗いので、LEDの懐中電灯を使いました。
フラッシュは使っていません。
LEDは、虫が反応しやすい紫外線を発しないため、刺激が少ないと言われています。

あまり至近距離は気の毒なので、20センチほどのところから、スマホで拡大して撮っています。
また、目の前でシャッター音を鳴らさないよう、基本動画モードで。それ以外は、イヤホンの穴を手で塞いで撮影しています。

羽化には体力を使います。
とてもデリケートな状態です。
できるだけストレスを与えないよう、静かに観察や撮影をし、くれぐれも触ってみたりしないよう、見守ってあげてください。



23:45

出産みたいだと思った。
体を上下させ、休み休み、耐えるような、必死さが伝わってくる。


23:50

耳を澄ますと、ミシミシと殻が敗れる音が聴こえる。

23:53
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本当に美しいエメラルドグリーン。
この美しさは、どんなに技術が発達しても作り出せないと思う。

23:58
0:00

このあたりから、スマホカメラが「ネコと認識」と言う。笑って手元がぶれるので、やめてほしい。
ちなみにルーナ(うさぎ)も、ネコと勘違いされている。

私の目は、アマガエルみたいと認識しましたが・・・

0:03

脚の先には、もやしのひげ根のようなものが見えます。

0:07

イナバウアーのようなポーズが長く続く。
虫はすごい筋肉の持ち主。高タンパク食として昆虫食が注目されるのも、うなずけます。


0:16
0:27

ようやくイナバウアー終了。
20分近くやっていました。

0:30

コンパクトに折りたたまれていた羽が、だんだんと開いていく。
根元のエメラルドブルーも、だんだんと消えていきます。不思議。

1:36
幼体から抜け出てから1時間40分。

本当に薄くて、透き通った羽。
角度によっては見えません。

顔にご注目。太い眉毛のように見えませんか?

2:08

羽に黒い模様が浮き出してくる。

2:31

結構苦労して、壁の方に移っていた。
飛ぶ練習なのか、羽を動かし始めます。

3:03

離れたところからも、はっきり羽の脈(翅脈/しみゃく)が見て取れる。

3:46

歩けるようになってくる。
羽化開始から、4時間以上が経過。

4:37

アブラゼミと思って観察していたため、「全然黒くならないよ?」と戸惑い始める。

このあたりから、私の頭がふわふわしてくる。
このまま寝るわけにもいかず、家にスイカもりんごも砂糖もなかったので、コンビニに買いに行く。


その20分の間に飛んでみたようで、返ってくると床で発見。

5:05
この写真では分かりませんが、ほんのり緑色が残っています。


オスかメスか知りたい場合は、ひっくり返して、弁(腹弁)が見えるのがオス。お腹が丸見えなのがメスです。
ですので、鳴くのはオスのみ。メスを呼ぶ声です。
鳴いていたら、その時点でオスです。

私に羽化を見せてくれたセミは、女の子でした。


と、以上で観察終了!

夕方に帰しました。
元気に飛んでいったのでよかったです。
しっかり飛べるようになったら、なるべく早く、見つけた場所に帰すのがよいと思います。
飛ぶ虫は、ケージの中では翅を傷めてしまいます。


一度家に入れた野生の生きものは、獲った場所であっても帰さない方がよいと、今は言われています。
理由は、家庭内にいる細菌、ウイルスなどを自然界に持ち込んでしまう可能性があるから。そのことにより、生態系が崩れます。

このことを踏まえた上で、私個人の考えです。

セミのように飼育が難しい生物もいます。帰すことが前提で観察する場合もあると思います。

たくさん触らない、
みんなで触らない、
虫にもいろいろな物に触らせない、
部屋の中に持ち込まない、または一部屋、
なるべく早く帰す、

など、できるかぎりの配慮をすることが大切かな、と思います。

カブトムシの幼虫を素手で触ってはいけないことは、よく知られています。人の手に付いた細菌などで弱ってしまうことがあるからです。
逆に、セミの羽には抗菌作用があることが報告されています。
赤ちゃんにはよりやさしく接する、これは虫であっても同じですね。



自分の体長の何十倍もある高さまで登り、ひとりで羽化し(彼女の場合は私が応援していましたが)、それを一晩でやり遂げて、何でもなかったかのように飛んでいく。 
なんて素晴らしいのでしょう。

小さな命を愛おしみ、謙虚でいられる人になりたいと、心に刻んだ夜でした。


2023.8.8深夜〜明朝に観察
2023.8.9 / 8.14 執筆

画像のみを後日まとめたいと思います。


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