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【掌編小説#6】ギリギリステータス
僕のステータス
Level:46
HP:6/100
MP:0/100
攻撃:59
防御:77
不安感:96%
不幸度:98%
特殊能力:普通運転免許
自分のステータスが見える。
ドラクエやFFなどのRPGが大好きな僕は自分を客観的に見ていて数値化して捉えている。
今、僕は不幸だ。将来への不安感しかない。
彼女にフラれ、仕事を失い、金もない。
携帯の契約も切れた。
腹も減って体力もない。
ベッドから起き上がる気力もない。
持っている能力といえば普通運転免許。
ほぼテンプレでみんな持っている能力。
こんなギリギリのステータス。どうしてこうなった?
僕が今まで歩んだルートが間違いだったのか。
だとするとどのルートで間違えたのか。
中学の時、選んだ部活?
高校卒業して選んだ就職先?
結果的に離婚する事になった妻?
何を考えたところで今不幸である事には変わりなく、このままではHPが尽きてしまう。
「このまま人生ゲームオーバーか…」
『ピンポーーーン』
呼び鈴が鳴る。
「よう!生きてるか?」
親友の外川がやって来た。
「不幸のどん底っ顔だな。とりあえず、これでも食えよ」
僕の大好きなすき家の牛丼を突き出し、外川は笑ってる。こんなに不幸な僕を見て、それでもいつも笑っている外川を見ると僕も笑えてきた。
『ピンポーーーン』
再び呼び鈴が鳴る。
「よう!あれ?外川も来てたの?」
親友の丸田だ。
「携帯繋がらないから心配になってさ。金もないって言ってたし。とりあえずこれ食えよ!」
同じく突き出されたのは、すき家の牛丼だ。
「考える事は一緒だな」
「ははっ。一気に2個も食えねーよ」
持つべきものは『親友』だ。
僕のステータス
満腹度:100%
持ち物:親友×2
〈完〉
【解説という名の言い訳】
掌編小説6作目です。
休日にぼーっとしながらラジオ聴いていて思いついたアイディアを一気に書き上げました。
親友だけでは人生どうにも…っていうと深い話になってしまいますが…まぁまぁいつも言ってますが遊び心です(^^)
最後の『持ち物:親友×2』。人を持ち物と表現したところが、自分でも迷ったとこなんですが、「持つべきものは親友だ」ってところを合わせるにはこの表現の方がしっくり来て、あえて『持ち物』にしました。人を物のように思ったりしてるわけではありません(^◇^;)
差し入れの食べ物は正直何でも良かったんですが、貧乏な頃食べてたのは牛丼のイメージが残っていた上で、語呂が良かったので『すき家の牛丼』にしました。
読んでくれた全ての人へ!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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『すき家は毎回チーズ牛丼を頼む者』
ミノキシジルでした。
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