今の私が彼女にできること
今年の4月から緩和ケア病棟で看護師として働き始めた親友。
最後に会ったのは5月末だったから、今回会ったのは約3ヶ月ぶりか。
少しやつれたように見えた。
新卒看護師。緩和ケア病棟。
そして彼女の責任感の強さ、献身的な性格。
眠れない、蕁麻疹が出る、という話を時々聞いていた。
全て仕事のせい、というわけではないだろうけど、仕事の影響は充分に大きいと思う。
私と彼女が出会ったのは高校2年生のときだが、私の知る限りでは、彼女は5歳の頃から看護師になりたいと言っていたらしい。
17年、ブレずにその夢を追い、そして叶えた。もちろん、ここがゴールではなくて、彼女はこの先もこの世界でやっていくつもりだろう。
少しやつれた彼女の顔を見て、私にできることはないものかともどかしくなった。
いや、自分のこともままならない私が何を、とは思うが、何か自分にできることはないかと思わずにはいられない。
私が高校生の時、彼女が私のことで、保健室で泣いていたことがあった。私はそこにいなかったので、これは後から知った話だ。
「私ができることはないのか、何か力になりたいのに私は無力だ」
そう言って私のために彼女は泣いていた。
そんなことはない。あの高校時代、彼女がいてくれたことで私がどれだけ支えられていたか。あのとき彼女がいたから、今も私は生きていると言っても過言ではないのに。
「そう思ってくれる人がいるだけで、大きな力になっていると思うよ」
泣いている彼女に、保健室の先生はそう言ってくれたらしい。
本当にそう。本当にそうなんだよ。
ただいてくれるだけで嬉しいのに、彼女は私のためにいっぱい考えてくれて、いっぱい助けてくれた。笑わせてくれた。
今の私が彼女にできること。
特別なことじゃなくていい。いつでもそばにいる。いつも大切に思っている。まずはそれが第一歩かなと思っている。
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