なんとかやっていけそうと思える
今も、高校の恩師と連絡を取っている。
私が高校を卒業して、4年経つ。
先生からのLINEが週末に来る。
親と子ほど離れた年齢。
話の内容はと言うと、
「庭の紫陽花が咲きました(写真)」
「家に帰る途中で、登山に行きました(写真)」
「産直に美味しそうな桃が・・・」
本当に、こんな感じ。
いや、おじいちゃん、おばあちゃんの絵はがき交換か?
でも、私はこのやりとりを密かに楽しみにしている。
俗世から解き放たれて、息継ぎができる感じ。
すごく、心の温かい人だなと思う。
こんな例えで伝わるかわからないけれど、「出汁」みたいな人だなと。
いつの間にか、じんわり心に染みている。
目立つわけじゃないのに、心の根本をそっと支えてくれている、みたいな。
意図的なのか、何の狙いもないのかわからないけれど、先生が何気なく口にした言葉が、今もずっと私の軸に貼り付いている。
いや、意図的とは思えないな。
本人に言っても、「そんなこと言ったっけ?」って返ってきそう。
7月の始め、先生から写真が送られてきた。
「曇り空から光が差しました」と。
「今週もなんとかやっていけそう、と思えるような空ですね」と返した。
「その繰り返しだよ。私の場合。」と先生。
そのやりとりが、なぜかずっと心に残っていて、私はその日から「来週もなんとかやっていけそうと思える空」を探して、写真を撮っている。
出不精なので、たくさんは撮れないけど。
撮ってはみたが、まだ何か違う。
明日もまた生きようと思える風景。
いくつか見つけたら、アルバムにして先生に渡したいと思っている。
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