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飲みニケーション依存症

皆さんの会社には、すぐ飲みニケーションしたがる人はいませんか?

飲みニケーションを全否定するつもりはないのですが、それがお酒を飲む口実やコミュニケーションが取れていない言い訳として使われていることもあります。僕はそれを「飲みニケーション依存症」と呼んでいます。

「飲みニケーション依存症」の症状

■日常的なコミュニケーションに難がある
飲みニケーションを重視している人の中には、そもそも日常的なコミュニケーションに問題があるだろ、という人もいます。そういう人に限って「不器用だからお酒飲まないと...」と言い訳しがちです。なぜかそれを言えば、普段のコミュニケーションに問題があるのは許されると思っているのです。

■飲みに行く口実にしているだけ

「飲みニケーション」を口実に部下を巻き込んで飲み会に行きます。ただ、お酒が飲みたいだけなので、飲み会で武勇伝を語るなど好き勝手に振る舞い、むしろコミュニケーションを悪化させる傾向にあります。

■飲みニケーション以外の改善策を考えない
コミュニケーションの問題となると、何でもかんでも「飲みニケーションが足りない」という人もいます。飲みニケーション以外に、日常的なコミュニケーションを改善する努力をしないのです。

■次の日には元に戻る
飲みニケーションをしてコミュニケーションが活発になったように見えても、次の日には飲む前と同じ状態に戻っていることもあります。飲みニケーションと言っている割には、「あれは飲み会の席だけ」と線引きしてしまっているのです。

■参加するかで態度が変わる
飲みニケーションが実質的には義務になってしまっていることもあります。本来はより良くするための+αの活動であるはずが、参加しないと上司から冷ややかな目で見られるなどのデメリットが発生してしまっているのです。

「飲みニケーション依存症」の原因

「飲みニケーション依存症」はコミュニケーションの問題とちゃんと向き合っていないから起きるものだといえます。飲みニケーションはその解決手段のひとつに過ぎないわけですから、ちゃんと問題と向き合って解決方法を考えていれば依存することにはならないというわけです。

ただ、それが考えられるのはある程度コミュニケーション能力の高い人でしょう。一般論でいえば、管理職やリーダーと呼ばれる人たちはコミュニケーション能力が高いはずなのですが、もしコミュニケーション能力の低い人がそのポジションに就いてしまっているとしたら、コミュニケーションの改善を期待することは難しいかもしれません。そういう意味では「飲みニケーション依存症」は組織人事の問題だともいえます。

それ以外には、「飲みニケーションするもんだろ」という文化が定着してしまっているケースもあります。このケースではすでに目的意識が失われ、飲み会中に誰もコミュニケーションの改善を意識していない傾向にあります。要はただ飲み会をしているだけ、ということです。

「飲みニケーション依存症」の予防

コミュニケーションの改善に取り組むときによくありがちなのが、問題点やその原因を明確にしないまま改善策を検討してしまっているということです。それを明確にすることからはじめれば、飲みニケーションが解決策として適切なのかもみえてきます。依存するようなことにはなりません。

ただ、それを行うためには、やはりコミュニケーション能力や問題解決能力に長けた人物は不可欠です。そのためには、会社として現場の実態をしっかりと把握し、その上でコミュニケーション面も考慮した組織人事をおこなうことが望まれます。

おわりに

どんな事業を行うにせよ、コミュニケーションは非常に重要なものです。しかし、コミュニケーションは見える化しにくいものだけに「なんとなく問題っぽいなと感じて、なんとなく解決策っぽいことをする」という状況になりがちです。「飲みニケーション依存症」はあくまでそれがわかりやすい形で現れている一例に過ぎません。

会社員のストレスの大半は人間関係に原因があります。もっと会社がコミュニケーションと真剣に向き合うようになれば、会社という場所はより働きやすい環境になるのではないかと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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