社員とお客様どちらが大事か
1.社員とクライアントのどちらが大切?
実は、この質問に即答できなかったのです。
今は即答できます。
最近、僕のファーストキャリアの機会を創ってくれた古巣の特許事務所といろいろ話を進めています。
冒頭の問いはその事務所の所長であり、弁理士としての師匠でもある先生から問われた言葉です。
(注:先週に引き続き、僕が勝手に「師」と仰いでいるだけで正式な弟子とは思われていないと思う)
2.中畑の背景と間違っていた考え
僕の公式なプロフィールは、WEBサイトにも載せているように下記の通りです。
会社員時代、新設のグループを作ってもらいマネージャーというポジションを用意していただくもののほぼ一人部署といってもいいものでした。
当然、マネジメント経験もなし。その後のスタートアップでも同様です。
基本的に毎日が個人プレーであり、自分の判断と責任で全てを決めて上長に提案して決裁をもらいその通り遂行する、というのが僕の会社員人生でした。
「チームで何かを達成する」
ということは未経験でした。
その後、いろいろな経緯とめぐり合わせ(ここは話すと長くなるので別の機会に。。)で事務所の創業をしましたが、当初の1年間はアシスタントの方2名と自分という個人事務所の状態でした。
2018年、事務所を法人化したタイミングでチームを作りました。
一人でできることには限界がありその限界を超えないとスタートアップ業界の知財支援を加速化できない、と考えたからです。
しかし、もともと会社員時代も個人プレー、個人事務所のときも個人プレー、そんな自分が持っていた考えは、
代表は、誰よりもクライアントのことを考えなければならない。
というものでした。
この考え方は社員にも無意識に強要していたように思います。
・支援している相手はスタートアップ時間軸なんだから、24時間、質問には即レスすべき
・知財担当者がいないんだから、どんなときもこちらが汲み取って先回りしてあげないといけない
・相手がわかってくれない、ではなくて、こちらが十分な説明をできていないと思え
・・・・
ここに文章化できるのはこれくらいで、もっとストレートでキツい表現もしていましたし、こういった考え方を無意識に社員に強いていました。
ただ、実は今思い返せば、
管理部長からは
・みんな、100%中畑さんのような思いで入社したわけではないし、人生において働くことに対する価値基準は個人個人で異なる
と言われていたし、
前回noteに出てきた経営の師匠からも
・自分の価値基準を人に押し付けるな
と言われていたし、
大手企業の管理職の方からも
・マネジメントとは、その人の将来を広げること、それだけを考えること、
言われていました。
ただ、それでも、
代表は誰よりもクライアントのことを考えるべき
という考えは、全く変わらずでした。
冒頭の古巣の所長からの問い「社員とクライアントのどちらが大切?」に少し時間を要して「社員だと思います」と答えた後、この問いについて自分の中でも真剣に向き合う時間を取って、社員ともコミュニケーションとる機会を増やした結果、自分の中で自信をもって言える回答は、「代表は誰よりもクライアントのことを考えるべき」というものから次のように変化して定まったように思います。
3.社員とお客様どちらが大事か
この問いに対する今の回答こうです。
社員が誰よりもお客様に専念できるように、
代表は誰よりも社員のことを考えるべき。
どの企業の経営者も、どんな理由であれ、社員のみなさんの人生の貴重な時間を預からせていただいているものと思っています。
自分が一番クライアントのことを考える、ではなく、社員が一番クライントのことを考えることができるような環境を創ること、そのサポートをすることができるのは、実は代表だけなのではないか、という確信に至りました。
4.今のOne ipとMBIPのメンバー
One ip弁理士法人も、Model-based知財開発合同会社も、さまざまなバックグラウンドの方にジョインしていただくことができました。
社会課題を解決する技術があふれる世界を創る
この目標を達成するために、最高の仲間と働く環境を創り続けることが自分の最重要責務だと心得ています。
2017年~2022年までの5年間、エアロネクスト社のCEOである田路さんと一緒に仕事をする機会がありました。
独りよがりになっていた僕に彼が教えてくれた言葉です。
経営者としては、たった5年。まだまだ至らないことばかりですが、素晴らしい社員にいつも助けられてきました。
そんな社員のみなさんへの感謝を1日でも忘れてはならないと思っています。
※冒頭の写真は、リヒター(Gerhard Richter)展で、思わず写真を撮った「Strip Painting」(※撮影許可された展示物です)。
僕には、いろんな色をまとった方が集まっている今の組織のように見えました。
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