減量07.運動を取り入れたい理由
多くの人が体重を減らすためには、「運動」か「食事制限」を真先に行うと思います。「体重を減らすため」ということであれば、その二つを行えば(細かい部分の成果は置いておきますが)、目標は達成できると思います。
しかし、「運動」と「食事制限」そのどちらかだけでは、体重を減らすことは簡単ではなく、必ずしも良い成果が得られるとは限りません。
これまでにも減量中に運動を取り入れることを勧めていましたが、今回はもう少しその理由を説明していこうと思います。
内容が重複する点もありますが、参考までに過去の記事で運動に触れたものを↓にリンクしておきます。
1.エネルギー消費のためにする運動
一つ目の理由はエネルギーを消費するためです。
体重を減らすためにはエネルギーの消費量を増やすことが、エネルギー収支を負にするために有効です。
ダイエットのためにとりあえずジョギングを始めてみる、という方もいるかと思いますが、それは間違いではないです。
ジョギングをすることによってエネルギーが消費されるので、総消費エネルギーが増えます。そうすることによってエネルギー収支が負になれば、ほぼ間違いなく体重は減ることでしょう。
「100kcal分の食事を我慢するのと、100kcal分消費するために運動をするのとどちらが大変か」というような言い回しで、食事でのエネルギー摂取を減らすようなものを見たことがある方もいるかと思います。実際に、「100kcal消費する運動」を行うよりも「100kcal分の食事」を節制する方が簡単だと思われます。だからと言って、食事だけ見直していても限度があります。運動をすることでエネルギーが消費されるのは間違いないのですから、余程の理由がない限り両方を実施してみましょう。
食事だけで200kcal節制するよりも、食事で100kcalと運動で100kcalずつ節制する方が簡単かもしれません。また、運動にはエネルギー消費以外の面でもメリットがあるので、是非運動を取り入れてみましょう。
2.筋肉を維持するためにする運動
人の体型は筋肉によって引き締まったシルエットを形作ります。
体重が減る際にはほとんどの場合、脂肪だけではなく筋肉も減ることになります。このとき、筋肉の減少量が多かった場合、折角痩せたのに見た目には良い成果がない場合もあります。
ダイエット中に運動(特に筋力トレーニング)を行うと、筋肉の減少量を減らすことができます。そのため、体重が減ったときに、引き締まった身体を得ることができると思われます。
また、筋肉が減ってしまうと見た目だけではなく、機能的にも問題が生じます。
数年前は「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」という運動器の機能低下が問題視されており、近年では運動器だけではなくいくつかの要素が関係しあって起こりうる「フレイル」という状態が問題視されています。
どちらも、筋肉があれば必ず防げるというわけではありませんが、筋肉があると予防の効果が大きく期待できます。
特に若い方では、筋肉が少ないことによるデメリットが認知されていないように感じますが、「貯筋」という言葉のように早めに筋肉を付けておいた方が良いです。所謂高齢者になっても筋肉を鍛えることはできますが、その効率は若い方が断然良いです。
減量中もしっかり運動を行って、筋肉を維持でするように心がけてみましょう。
3.リバウンド防止のためにする運動
よく「食事制限だけのダイエットはリバウンドする」ということを聞きます。そのほとんどが、「筋肉が減少することによる基礎代謝量の減少」が理由でリバウンドすると言われているかと思います。
これは間違いではないと思いますが、摂取エネルギーがダイエット前(=食事はダイエット前と同じもの)に戻っているという前提のものが多いです。確かに、食事内容を以前のものに戻す人はいるかもしれません。
そして、ダイエットをする前の食事に戻したのであれば、基礎代謝量がそのままであったとしても体重がダイエットをする前に戻るのも当然ではないでしょうか。この前提を用いている人のほとんどが、自分の所属しているジムの会員数を増やしたいのだと考えることは容易です。
私がリバウンド防止のために運動を推奨するのは、ダイエット後の生活をより良いものにするためです。
前述したように、ダイエット中に行っていた運動と食事を、ダイエット以前のものに戻してしまえばリバウンドするのは当然です。かと言って、永遠にダイエット中の内容を続けるのは不可能だと考えられますし、仮に続けられたとしてもその生活は健やかなものとは言い難いでしょう。そのため、日常生活を楽しみつつリバウンドを防ぐために、ダイエット中に行っていたことを少しずつ緩めていってほしいのです。
ダイエット中は体重が減っているはずなので、エネルギー収支は負となっています。そして、ダイエットが終わったのであれば、体重を減らすのではなく維持することにシフトすればいいはずです。そのため、エネルギー収支がプラスマイナスゼロになるまでは幾分かの余裕があるはずなので、その分は頑張っていたことを緩めても問題ありません。
しかし、運動を一切合切止めてしまえば、運動でのエネルギー消費分も食事で賄う必要があるので、食事を元に戻す余裕はそれほどなくなってしまいます。
ダイエット後にリバウンドを防ぎつつ、切り詰めすぎない生活を送るためにも、ダイエットが終わっても是非運動は続けるようにしましょう。