筋肉02.トレーニング初心者の種目選択

 筋力トレーニングの種目にはいくつかの分類の仕方があります。その内の一つとして、関与する間接の数によってコンパウンド種目とアイソレーション種目に分けられます。

 コンパウンド種目は複合関節種目のことで、複数の関節が同時に動く種目です。具体的な例としては、スクワットや腕立て伏せ、ベンチプレスなどが当てはまります。

 アイソレーション種目は単関節種目のことで、一つの関節のみが動く種目です。具体的な例としては、アームカールやレッグエクステンションが当てはまります。

1.コンパウンド種目とアイソレーション種目のどちらを優先するか

 トレーニング初心者の方は、基本的にコンパウンド種目を優先することをお勧めします。

 これは、コンパウンド種目を最初に取り入れることで、全身の筋力強化を優先して行いたいからです。全身の筋力をしっかりと鍛えることができると、今後アイソレーション種目を行う余裕を確保することができるようになります。

 もしかしたら、鍛えたい部位が限られているため、最初からアイソレーション種目を行ってトレーニングしたいという方もいるかもしれませんが、私はお勧めしません。

「三角筋中部だけを肥大させたいからアイソレーション種目のサイドレイズを行う。コンパウンド種目のアーノルドプレスは、上腕三頭筋や三角筋前部にも関与するから優先度は低い」

 ほとんどいないとは思いますが、上記のような考えをする方もいるかもしれません。その考えに至った理屈は理解できますが、そうしたところで理想通りにはならないでしょう。

 もしも、現状から三角筋中部だけを肥大させたくて、それ以外の筋肉は極力肥大させたくない、というような場合ならこの記事はこれ以上読まずに思うようにトレーニングを行ってください。

 そうではなく、三角筋中部を集中して鍛えて肩回り、もしくは上半身の見栄えを良くしたいのであれば、コンパウンド種目も行いましょう。肩回りは三角筋中部だけではなく、前部と後部も鍛えた方が見栄えは良くなりますし、上半身も肩だけではなく上腕と胸部も鍛えた方が見栄えは良くなるはずです。

2.筋肉の大きさと力

 ほとんど全員が想像できると思いますが、基本的に筋肉が大きいほど力も比例して大きくなります。

 逆に考えると、力が大きいほど筋肉も大きいと言えます。単純過ぎる考え方かもしれませんが、ほぼ間違いなく当てはまります。もしもジムに通っているのであれば、周りの人をこっそり見てみましょう。自分よりも重たい設定でトレーニングしている人は、自分よりも大きい筋肉を持っているのではないでしょうか。

 このような(屁)理屈から鑑みるに筋肉を肥大させたいのであれば、目的の筋肉に刺激を与えられる種目を継続して、漸進的に負荷設定を上げていくことで目標は達成されるでしょう。そして、負荷設定を上げていくのに効率的なのは、アイソレーション種目よりも重たい重量を扱えるコンパウンド種目なのです。

3.アイソレーション種目を行う意義

 コンパウンド種目を優先したいとはいっても、アイソレーション種目を行う必要がないというわけではありません。

 アイソレーション種目を行う一番のメリットとして、対象の筋肉をピンポイントで鍛えられる、というものが挙げられます。しかし、デメリットとして高重量での実施が難しいため、コンパウンド種目を行った後に行うのがベーシックな考え方です。

 身体の中で注力して鍛えたい部位がある場合は、「コンパウンド種目で高重量を扱って強い刺激を全体的に与えてから、アイソレーション種目で集中的に刺激を与える」というのが定説となっていると言えるでしょう。(POF法などもありますが、

4.注意点

 コンパウンド種目とアイソレーション種目の両方を取り入れると、それだけ時間と疲労が増えます。

 トレーニングの初心者ほど基礎体力が低いことや、そもそもコンパウンド種目のみでも十分なトレーニングの効果を得られると考えられます。そのため、やはり優先するのはコンパウンド種目なのではないかと思います。

 コンパウンド種目を中心にトレーニングを継続して、体力的に余裕があるようになった際や、普段のトレーニングで刺激が足りなくなった際に、改めてアイソレーション種目を導入するかを考えてみましょう。


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