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【10/19】直島のアートが素晴らしかった話前編

昨日ヨットで直島に上陸し、そのままヨットで泊まらさせてもらったで、本日は直島からスタート。
今日は学びが多く長くなりそうだが、仕事が立て込んでいるので、分けて書こうと思う。*家プロジェクトのネタバレ注意


家プロプロジェクト


概要

家プロジェクトは、直島の本村地区で展開する1998年から始まったアートプロジェクト。在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化しています。(Benesse Art Site Naoshima HPより引用)

まず、バスを降りてすぐにあるチケットセンターでチケットを買った。1050円(税込)これで6つのプロジェクトを見ることができる。

まず、このシステムが好きだった。
チケットは通常一枚一枚別れるものや、何か一枚を見せたらいいようなものなどだと思うが、ここは違った。
パンフレットの縁に四角い枠が書いてあってそこに行った先々でスタンプをもらうような形になっていた。ある意味スタンプラリーのようなものだ。
そうすることで、パンフレット自体がチケットとなり、捨てられることもなく、どこを回ったのかが一目でわかる。各プロジェクト先ではいちいちチケットや金銭的なやり取りをすることなくハンコを押すだけでいい。二重の見学まで防ぐことができる。
利用者としても、パンフレットを持っていればいい。そして、回った記録も持って帰ることができてちょっとした思い出になった。
とてもシンプルだけれどもみんなが喜ぶような構造になっているのがまずいいなと思った。

角屋

命をテーマにしている場所で、普通なら床の場所に色々な色・大きさ・早さのデジタルの数字が散りばめられ、その上には水を貼っているアート作品。水は瀬戸内を表しているそう。


ちょうどタイミングよく団体向けに説明している場に遭遇。
「このアートは町民たちが参加して自分で好きな数字を数える速度を決めて作ったものなんです」
「ある方はここに自分の決めたものがあることを誇りに思い毎日のようにここに足を運び、「死んだ時には墓に来てもらわなくてもいい。ここに来て欲しい」というくらいだったそうです。」

そんな話を聞きながら、色々な速度・色の動く数字たちを見ていると、人々の個性に見えてきた。

南寺

唯一チケットを買った時に「集合場所」の時間が発行された場所。
入り口で「スマホや、スマートウォッチの電源は切って鞄にしまってください。中は真っ暗闇で、見ようと思ったって絶対に何も見えないので、壁を手で触って伝ながら中に入ってくだささい。
と言われてびっくりしたが、中に入ると本当にそうだった。
真っ暗で何も見えない。手探りでベンチに座る。
向かいに何か白く光っている枠があるのだけ見えるが、それ以外は何も見えないし、何か始まるわけでもない。
"ただ、暗い場所を体験するだけなのか?"と一瞬思ったが、そうではなかった。
暗がりに目が慣れてきたのか、隣の人のシルエットや、部屋全体がなんとなくわかるような気がしてきた。そう思っていた時
「歩けるくらい見えるようになってきた人から立って光の場所まであるいてください。」
と言われたので、正面にある、少しぼんやり白く光る場所まで歩いて行ってみた。
プロジェクターで写しているだけかと思っていた光は全くそうではなく、そこには窓が空いており、どこまでも空間が広がっているような気がする。
手を出して書いてみても雲を摑むようような形で何もない。
ずっとどうなっているんだろうかと考えていたが、とても不思議な体験だった。
ちなみに、部屋が明るくなったのか、自分の目が慣れたのかを考えていたのだが、入り口に向かって出る時にさっきは真っ暗で全く見えなかったものが見えるようになっていたので、目が慣れたんだと思う。
人間の脳の構造をうまく使ったトリックのようなアートだった。

中は撮影できなかったので外だけ

護王神社

入り口でおじいさんが「あんまり一度に人が入れないから、3分くらいで戻ってきてね」と言ったので、"そんなに短いの!?"と驚いたが、みてみたら言っていたことがわかった。

1人がやっと通れる狭い狭い入り口を入っていく。

1人がやっと通れるくらいの入り口

突き当たり右側に透明な氷のような階段が地上に向けてつながっていた。

地上に向かって伸びる透明な階段

地上には江戸時代から祀られている護王神社があり、そこの階段も透明だったので、そこまで繋がる階段なんだろう。

地上側の祠

通常だったら石造りの階段を透明の氷のような形で表現する見た目も綺麗だが、普通だったら見えないその先まで見ることのできる作品だった。

表面だけをみていたら気がつかないけれども、見えていることのさらに奥にはそれを築き上げ、構築してきたものがしっかり根を張っているということを体感したような作品だった。

景色としては帰り道細い通路から見える外の景色がなんとも言えず綺麗だった。

ここまで書いてだいぶ時間がかかってしまったので、他の作品については次回?に書きます。
本当にとても素敵な体験ができた1日だった。

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