障害者向けグループホームで気づいたこと
私は、仕事でグループホームを訪れたり、職員の方とお話したりする機会も比較的あります。また、知的・精神・身体障害者の方が暮らすグループホームでも働く機会があります。
障害者向けのグループホームでは、だいたい20歳から70歳以上の方まで、幅広い年齢や障害特性の方が暮らしています。女性のみ・男性のみのホームもあれば、基本は同性メインだが一人だけ異性もいる、というホームや、男性と女性でフロアが分かれているホームもあるなど、さまざまです。
グループホーム入居者の方もさまざまで、生活介護や就労B型に通う方もいれば、企業で障害者雇用として就労している方もいます。
また、知的・精神・身体の異なる障害を持つ方々や、軽度〜最重度レベルの方々が一緒のグループホームに暮らしている、というケースも見られます。
障害者向けグループホームを見ていて、感じたことを記載します。
※あくまで主観です
メリット
・基本的に、室内がきれいで広め
・個室がきちんとありプライバシーが保たれている
・入居者一人ひとりが守られ、尊重されている
・親に何かあった時でも安全に暮らしていける
・安定して過ごすためのサポートがしっかりしている
デメリット
・働いている職員さんの質がまちまち
・職員間で方針が共有されていないことがある
・支援はあるが細やかで手厚いほどのものではない
・どうしても制約はある
・合わない入居者とも共同生活をしないといけない
安定して暮らせる
まず、グループホームの外観は一棟アパートのようになっているところが多く、外から見ると賃貸住宅や一戸建てのように見えるところが多いです。室内には共有のリビングや個室があり、風呂場やトイレなども職員さんが定期的に掃除をする(業務に含まれている)ので、全体的に清潔です。
たとえば、賃貸で古く狭いアパートに住んだりするよりも、住環境自体はよほど整っているように感じられます。個室も決して狭くはなく、適切な生活スペースが確保されています。職員が一人は常駐しているので、入居者の変化や体調不良、トラブル等にも対応できる体制です。
個室にはテレビやゲーム機などを置いている人もいたり、自分の好きなものをディスプレイしたり壁に貼っていたりなど、それぞれが自分らしく生活している様子が伝わります。入居者の方が自分らしく暮らすための配慮がなされているように感じます。
休みの日や、クリスマスやお正月などの行事のときは、グループホームでイベントをしたりみんなで外出をしたりもします。入居者の中には「自宅へ戻らずずっとグループホームにいたい」というほど気に入っている方もいるようです。ホームの雰囲気や職員さん・他の入居者さんに慣れてくると、自分の居場所だと感じ、居心地が良いと感じる方も少なくないようです。
栄養バランスを考えた食事が提供されますし、服薬管理や、月に使うお金の管理なども職員が行うため、日常生活に支援が必要な方も安定した生活ができます。親が高齢になったり亡くなった後でも暮らしていくことができるので、その点でも安心です。
最低限のルールはあるものの、提供される食事以外に飲食したいもの(おかずや飲料、アイスなど)を購入して、共有の冷蔵庫に保管したりすることも常識の範囲内であれば制限はなく、可能です。
立地もさまざまで、駅から徒歩〜20分程度で行けるというところも少なくなく、利便性もさほど悪くありません。
グループホームによっては、入居者の通所先(就労B型や生活介護等)と同じ母体が運営しているケースもあり、その場合はより連携が取りやすい面もありそうです。
障害に理解ある職員ばかりとは限らない
グループホームで働いている職員は、たとえば「全員が障害理解や対応バッチリのプロ集団」みたいな感じとはちょっと違う、といえそうです。障害特性に理解ある方やスキルのある専門性が高い方も当然いれば、入居者に合った支援というよりも「自分の気分や都合で接している」「障害への正しい理解があるとまではいえない」という方も、残念ながらゼロではありません。
もちろん、大半の職員さんはまともで思いやりのある方です。また、待遇がしっかりしていたり研修体制が整っていたりするところや、職員さんのレベルが高いホームも多くあります。
ただ、障害者向けのグループホームは無資格でも働けるところがほとんどで、時給も高いとはいえなかったり、夜勤ができる方を必要としていたりするところも多いです。実際、夕方〜次の日の朝までのシフトだったりするグループホームが多いので、働ける人が限られがちという面も。
そのため、そもそもなかなか人が集まらない、障害への理解やスキルがさほどなくても働くことができてしまう(それでもホームとしては人手を確保するのが優先)という背景もありそうです。
生活の場ということで、基本的なルールは設定されているところがほとんどですが、職員間で入居者への接し方などはそこまで統一されていないようにも見えます。
たとえば、障害特性ゆえにしつこくなったり不安定になりやすいAさん(入居者)に対して、「うるさい、わがまま」という捉え方をする職員がいたり。
また、入居者の方もさまざまで、落ち着いている方もいれば、トラブルメーカーのような方(わざとではなく)もいたり。入居者からすると一緒に暮らす人を選べないほか、なかなか空きがなく、合わないからといってすぐにグループホームを変えるということも難しいので、人によってはストレスになってしまうこともあるかもしれません。
また、月に使えるお金や予定などはある程度決まっているので(管理が難しい方には仕方がないことでもあるのですが)、「なんとな〜くコレを買いたい」「予定にはないけど、これを衝動買いしたい!」「今日は外で食べたい気分になったから急遽外食して帰る」みたいなことは難しかったりもします。
もちろん、週末や連休などに実家に戻ったりすることに制限はないので、そういったときに自由気ままに過ごす、という方もいるとは思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?