幸せな働き方コラム#3_お金の幸せは長続きしない。働くとお金の関係の衝撃的な事実

(2017.8月のブログ転載です)

こんにちは。「幸せに働ける人を創る」ということをライフテーマにしていますミノです。

今回のトピックスは、働くと金について。

2年前の私は、働き方改革のプロジェクトゴールを「お金」にしたことで、一時的な集客は出来ても、継続的な参加に繋がらず。住民のモチベーションを「お金」以外でどのように上げられるのか悩んでいました。

そんな時、衝撃的なデータと出会いました。それは、『報酬と、人生満足度は比例しない』という研究結果です。他の研究結果を見ても同じようなデータが続々と出てきました。

ここでは、「働くとお金」について、私がお金による幸せは長続きしないと考えるに至った3つの事例をご紹介します。

1.GDPと幸福度は、相関しない


一つ目は、GDPと幸福度の関係です。

内閣府が毎年実施している『国民生活選好度調査』内のデータでは、GDPはざっと、50年で6倍に上がっているのに生活満足度はほぼ横ばい(生活満足度というのは生活へのアンケートを行った結果)。

戦後も、高度経済成長期も、リーマン・ショック後も、あまり大きく変わっていません。

幸福度に関する研究会報告―幸福度指標試案より抜粋
つまり、国が豊かになりGDPが増えても、日本国民の心は豊かになっていない。人は経済的に豊かになったとしても幸福度は、変化しないということです。

大変ショッキングなデータですね。

経済が伸びれば、お金を稼げれば、人はより幸せになると考えていた私の前提は音を立て崩れて行きました。

2.お金で得られる幸福は長続きしない


幸せを研究している事例はここ数年増えていると言われています。

その中で、米国のニューカッスル大学の心理学者ダニエル・ネトル氏は幸せの要素を2つの①地位財 ②非地位財にわけ、それぞれをバランスよく満たすことが幸福になる上で重要だと述べています。

具体的に言うと、地位財は、お金や職位などのステイタスとなるもの。また他人より優れていると感じられる機会や勝負事で得られるものです。

一方の非地位財は、健康、自主性、自由、愛情など、他人と比べずに得られるもの。

両方をバランス良く増やしていくことが重要と言われる一方で、この研究は「地位財によって得られる幸福は、持続性が短い」という結果も提示しています。

また、人が最も幸福を感じられる給料は、約7万ドル(日本円で700–800万ほど)。それ以上の給料が上がっても、人の幸福度にはあまり影響しないと唱えています。

つまり給料が増える、ボーナスが貰える、売上達成に貢献するというのは、達成する瞬間や、その後の数日は幸福度が上がるのですが、人々の生活の中での余韻は短い。

一方で、周りから感謝されることや、家族、パートナーから愛情を感じることは、幸福度が長く続くというものです。

諸説ありますが、『人のためにお金を使うことで得る幸福度と、長期による努力の結果自分一人が昇進したことで得られる幸福度の持続性は同じぐらいである』という説。かつてはホントかなと思っていたことですが。この理論を当てはまると納得がいきました。

3.お金による社員モチベーションの見直して、業績アップ!


最後に、お金と社員のモチベーション’(幸福度)の考えを基に、面白い施策を取り入れた企業の事例をご紹介します。

米国シアトルに本社を置くクレジットカート処理 会社Gravity PaymentsのCEO Dan Price氏は、「お金で挙げられるモチベーションには限界があり、人が最も幸福を感じられる給料水準は、約7万ドル。給料がそれ以上上がっても、人の幸福度にはあまり影響しない」という研究結果を知りました。

その後、彼は、お金と社員のモチベーション’(幸福度)の考えを基に、面白い施策を発表します。

それが 「全従業員に最低年収7万ドル(約700万円前後)を保証する」というもの。かつての従業員への平均年収は570万前後のためカスタマーサポートの新卒も大幅な賃上げになりました。

その一方で、社長や役員も700万に統一された為、今後昇進しても給料のアップはなしとなりました。


当初は、役員報酬、社員のボーナス、給料の上昇がなくなることから、業務へのモチベーションが低下するのではないかと懸念する声が社内外から多く上がっていました。

しかし、それから1年後に発表された業績は昨対比で、アップにつながっていました。この背景には、社長と社員の人間関係がより強固になり、自身の給料を9割以上カットしてくれた社長のために頑張ろうと考えた社員のモチベーションの向上があったと推測されています。

以上3つの事例は、生活基盤を整えるための資金(お金)は必要であるが、お金によって得られる幸福度は、持続性が短い。また、一定の金額に達すると、それ以上あがることはないという点を教えてくれます。

つまり、「お金」だけをモチベーションにと考えていた私の考えは、これらのデータによると上手くいかないことが実施前からわかっていたのです。

もし、この文章をご覧になっている方で、組織内もしくは地域内の働き方改革を検討されているのであれば、ぜひ、同じ失敗を経験しないでください。

『お金のみで、人のモチベーションを長続きさせることは出来ない』のです。

では、どうすれば長続きする幸福度を生み出すことができるのか、

次回、その考えをまとめていきたいと思います(*´ω`*)。

ではでは。

※ここで述べている内容は、私個人の考えです。

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