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美濃加茂茶舗オリジナルプロダクト第一弾!”ちょうどいい”湯呑み

朝にスッキリ目覚めたいとき、仕事の合間の一息つきたいとき、1日の終わりにホッとくつろぎたいときなど、お茶はいつも人々の生活に寄り添い、暮らしに彩りを与えてきました。

急須で淹れるお茶は確かにおいしい。でも生き方、働き方が多様化し、家族みんなで食卓を囲んでお茶を飲むシーンが少なくなってきたこの時代において、家庭や職場で急須が登場するシーンは圧倒的に減ってきています。

新しい《日本茶のある暮らし》を提案する美濃加茂茶舗だからこそ、急須で楽しむお茶の文化だけにこだわるのではなく、もっと現代の暮らしに馴染む形でのお茶の楽しみ方を提示したい。そのためのプロダクトを開発できたらと考えていました。

そんな中、美濃加茂茶舗マガジン「違いを面白がる人」取材で、クリエイティブユニット「TENT」のお二人とお話する機会を得ました。

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美濃加茂茶舗はお茶に関してはプロですがプロダクト作りのノウハウはありません。そこで、プロダクト作りのプロであるTENTのお二人に”現代の暮らしに馴染む茶器”をの構想を相談したところ賛同していただき、今回のプロジェクトが発足しました。

まずは”現代の暮らしに馴染む茶器”を要素分解するところから着手。ヒントになったのは取材の中でお伺いしていたこの言葉でした。

実は最近アイデア出しのときにコーヒーを飲むの辞めていて。
コーヒーだと、なんだかONになりすぎちゃって力が抜けないんですよね。


TENTのお二人は、眠気覚ましにスイッチを入れる時はコーヒーを選ぶけれど、アイデア出しなどリラックスして取り組みたい仕事の時は、よくお茶を飲むのだそう。

ただ、オフィスでお茶を淹れるのは実は難しいのです。。急須はなかなかハードルが高いですし、マグカップだとティーバッグが入れっぱなしになって味が変化してしまう。ティーバッグを取り出そうとすると今度は別で小皿を用意しなくてはいけない。

そういった悩みを解決できる、自分たち自身が使いたくなるものを作りたいですよね!と、あれこれアイデアを出し合いました。結果、オフィスやリビングで日常的にお茶を楽しめる一人用の茶器という方向性に決まり、プロダクトづくりが始まったわけです。

美濃加茂茶舗としてデザインにあたってお願いしたのは、「誰もが気軽に簡単に淹れられる」「食洗機で洗える」「ティーバッグを置いておく皿もセットで」「全てが1つに重ねてコンパクトに収納できる」など、無茶振りとも言える盛りだくさんの内容でしたが、数パターンのデザイン案を作成して頂くことができました。(ありがとうございます!)

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作成いただいたデザイン案で一番惹かれたのは、ご依頼した時点では全く発想がなかった形状。


一見、湯呑みとは思えないような見た目で、お茶を淹れてから飲むまでの一連の行為がストレス無く成立するミニマルなデザインになっていました。

しかし、次に問題となったのが実現性。素人目にもこのデザインを陶器で作るのは、相当な技術を持った窯元でないと難しいと思いました。
そこで、マグカップやティーカップを専門に制作する岐阜県多治見市にある「丸朝製陶所」の松原社長の元を訪ねました。

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松原さんに湯呑みの図面を提出すると、「これはかなり難しいので、大幅に修正が必要になりますね。まずはこの部分、それから…」とどんどん指摘が入ります。

世の中にないものにはやっぱりそれなりの理由があるのか…と本当に完成できるのか不安になっている我々に対し、

「デザインプロダクトの制作は難しいけど、我々にはない発想があるし、今まで作ったことのないものにチャレンジすることで窯元の技術の向上に繋がる。だからとてもやりがいがあるんですよ」と頼もしいお言葉をいただきました。こちらの提案に対してひとつひとつ前向きに実現するためのアイデアを出していただき、打ち合わせを重ねるにつれいいものが作れると確信できるようになりました。

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湯呑み制作は現在、一回目のサンプル製作の真っ最中。丸朝の職人さんに試作をしていただいております。

次回は、丸朝製陶所の歴史や技術と、それがあるからこそ実現できる本プロダクトの特徴などをご紹介します!



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