岡山蒜山 伝統工芸がま細工 プロジェクト 〈ZINE編〉 vol.1
こんにちは!
レベルフォーデザインでデザイナーをしている山下です。
現在「岡山の蒜山(ひるぜん)の伝統工芸がま細工Project」を進めており、今回はその中のZINE編です。
現在進行形の内容なので、不定期更新の複数記事になる予定ですが、お時間あるときに見ていただけたらうれしいです。
よろしくお願いします。
はじめに。まず、私について
「蒜山(ひるぜん)」も「がま細工」も「ZINE(ジン)」もすべて聞いたことがないという方がほとんどかと思いますが、
このことを説明する前に、まず私の自己紹介を少しさせてください。
高校卒業後すぐ岡山を出て、大阪・東京と移動してきたとなると
「田舎が嫌だから」と思われそうですが、“デザイナー”という職業に子どもの頃から憧れていたので、単純に「デザインのことを学ぶには大阪か東京(所謂都会)」と考えていたからです。
なので今でも岡山が好きで、岡山がなにかで盛り上がること、話題に出て注目されることはとてもうれしく自慢したい気持ちです。
そんな地元岡山に、デザイナーとして仕事をしたい、何らかの形で関わりたいと前から思っていました。
ですが地元を離れて長いと、岡山関係の方に会うことや知り合うこともなくどうしたらよいのか…?と思っていました。
そんなとき、たまたま仕事関係の方に紹介していただいた
「ひるぜんアクションツーリズム’23」に参加することにしました。
「ひるぜんアクションツーリズム’23」とは?
岡山出身者が地元へのツアー?と思うかもしれませんが、18歳で岡山を出て早10年以上。実際のところ岡山のことを詳しく知らないことに気づきました。
住んでいた頃は、免許もないので行動範囲は狭め。学校で岡山についての詳しい勉強をすることもあまりなく、大人になり度々帰省はしても、学ぶ機会はなく県内をあちこち行くこともない。
桃やマスカット、デニムは知っているけど他には?歴史は?意外となにも知らない?もっと知りたい、知っておかねば!そしてなにかにつなげたい!と、思い参加しました。
ツアー場所は岡山県真庭市にある蒜山(ひるぜん)。
鳥取との県境で、高原が広がっていたり遊園地があったりと自然豊かな場所です。
蒜山ジャージー牛は聞いたことある方も多いのではないでしょうか?
私は瀬戸内海側の県南出身なので、県北である蒜山はたまに小旅行で行くような場所で、観光地、スキー場のイメージでした。(意外にも県北は雪国なのです)
いざ1泊2日のツアー
そんな思いで参加を決めたツアー。
ツアーには岡山に行ったことがなく興味があったというディレクター渡邊も一緒に参加しました。
東京から約5時間、新幹線と車でやっと着いた蒜山。
現地についてからは、草原に行きお話を聞いたり、郷土博物館で歴史を学び、
お寺で写経をしたり
現地のおいしいものを堪能し、
新しくできたランドマーク、GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)にも行きました。
このツアーでは、移動など一緒に行動することが多かった子たちとも仲良くなりました。この場を借りて本当にありがとう。みんなのおかげで楽しかったです!
こういった新しい人との出会いがあるのも、イベントツアーの良いところだなと改めて感じました。
そんな2日間をとても楽しく様々な体験・見学をさせていただいたのですが、
その中に「がま細工の体験」がありました。
がま細工との出会い
蒜山蒲細工生産振興会の方の丁寧な説明のもと、
がま細工の中で初心者向き?のほたる籠作りを体験させていただきました。
がま数本を重ねて折っていき、
最後に上部の持つところを編むと、こうなります。
不恰好ですが、慣れてくるとあっという間に3つほど作れました。
デザイナーという職業柄「何かをつくる」ことが好きなのと
黙々と作業することが個人的に好きなので、これがとても楽しかったです。
がまについてや歴史などのお話しもお聞きしましたが、現在がま細工は、後継者不足、環境の変化によるがま自体の不足など様々な問題を抱えているそうです。どちらもどうしたら良いのか解決の糸口は今は見つかっていないようです。地方の伝統工芸などは同じ問題を抱えているところもあると思いますが、難しい問題…。
蒲細工生産振興会の方、本当にありがとうございました!
こうして様々な経験をさせていただき、東京に戻ったわけですが「これからどうする?」「何ができる?」「どうやって岡山に関わる?」と考えながら色々調べていたとき、がま細工についての資料などがあまりないことに気づきました。
発信していないのか、情報が埋もれているのか、見つけられてないだけなのかわかりませんが、これだとどこかでがま細工を知った人が検索しても情報が得られず次に広がらなかったり、現地以外で「知る」機会や場所が少ないのではと思いました。なのでまずは知ってもらい、そして興味を持ってもらう。そのためのきっかけになるなにか資料的なものがあれば良いなと思いました。
ZINEを作る
資料的なものとはいえ、誰でも気軽に手に取れて、堅苦しくない見やすいものにしたく、媒体は色々ありますがその中で「ZINE(ジン)」を制作することにしました。
ZINEは本当に自由で、ぎっしり文字を書いてても、写真のみでもなんでもいい。
これであれば、がま細工についてや、歴史や現状、作り手の方々、色んなことが伝えられるのではと思いました。
とはいえ、私はZINEを制作したことがないのでまずは世の中にどんなZINEがあるのかのリサーチから・・・。
最後に。
正直、私ががま細工のZINEをつくっても、がま細工が抱えている問題が解決するとは思っていません。自然・環境・人など私の力ではどうすることもできないことばかりです。
ですがこのままだと、がま、作り手の方々のこと、伝統工芸としての手法、製品のことなど今まで大事にしていたものがいずれ消えてしまいます。
それは悲しいしもったいない。でも「自分が後継者に!」と大きくは言えない…なのでまずは、蒜山・がま細工の関係人口になり、発信することで知るきっかけとなり、その中でまたもっと興味を持ってくれる人が出てくるようなそんなZINEを作れたらと思います。
1デザイナーの小さい活動ではありますが、そこから繋がり、”岡山県人”として”デザイナー”としてなにか貢献できればと思っています。
次回に続きます!
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