見出し画像

【第4章】 The Way of Nursing — 看護という方法


画像1


病気とは、わたしたちが自らの手で招いてしまったある状態に対して、自然が思いやりをこめて働きかけてくれている、その状態だと考えられないものであろうか。


〜もういちど、ナイチンゲールの足場から〝いま〟をどのようにみるか〜


ナイチンゲールの足場から、新型コロナウイルス感染症で混乱が生じている〝いま〟のわたしたちの社会を見たらどうだろうか…、それが出発点でした。新型コロナウイルス感染症の〝あと〟の社会について、いろいろな立場の人が〝予想〟をしています。それはそれで意味があることかもしれません。しかし、新型コロナウイルス感染症という現れを前に、求められていること、すべきことは〝いま〟を観察することもあるのではないかと思いました。

ナイチンゲールの足場とはなんでしょうか。それは看護という方法を持つことです。看護という方法で世の中に向かい合うことです。看護という方法で世の中を見渡すことです。看護という方法でわたしたちを見つめることです。看護という方法でそこにある状況や見えてくる光景から〝いま〟のわたしたちの事実を知ることです。看護という方法で真実を述べることです。

— 病気とは、わたしたちが自らの手で招いてしまったある状態に対して、自然が思いやりをこめて働きかけてくれている、その状態だと考えられないものであろうか —痛みをともなうナイチンゲールのことばです。ここにはわたしたちが病気にどう向き合えばよいかを考えるヒントがあります。病気は存在するのではなく、発生するのです。わたしたちは看護の方法で〝いま〟を観察し「自らの手で招いてしまったある状態はなにか」を考えることができます。

看護のちからをわたしたちに。
みんなが、みんなで、健康になる、
社会を目指して。


ひとりでも多くの人にナイチンゲールが言う「生活を整える」ことの大切さを伝えたい…、そんな願いからnoteで発表することにしました。本記事は一般社団法人チーム医療フォーラムの季刊誌『ツ・ナ・ガ・ル』35号(2020年6月発行)の特集記事を転載したものです。ほぼ毎日「1章」か「1節」ずつ記事を掲載していきます(下記の目次をご参照ください)。

※本記事は以下に記載した文献を出典とし、参考にしています。 看護覚え書 フロレンス ナイチンゲール (著) 現代社、新版 ナイチンゲール看護論・入門 金井一薫(著) 現代社 白鳳選書、ナイチンゲール言葉集 現代社 白鳳選書、ナイチンゲールの『看護覚え書』金井一薫(著) 西東社、看護覚え書きフロレンス ナイティンゲール (著) 日本看護協会出版会、フロレンス・ナイチンゲールの生涯 宮本百合子 (著) Kindle版、他。
・記事監修:秋山和宏(医学博士、東葛クリニックみらい院長)


画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?