「テストで絵を描かせる世界史の先生」の話
私が高校生の時の話です。
私の世界史の先生は定年間近のおじいちゃん先生でした。
「来年には定年退職して、世界中旅行するんや」
と授業の合間に何度も聞かせる先生でした。
彼の世界史の授業をうける生徒は多かったと思います。(私の高校は世界史と日本史が選択できました)
なぜなら彼の授業は一言でいうと、
「とってもちょろい」
彼自身は歴史が好きで、話しているときにニコニコ話しているのですが、
生徒に教えることに力を注いでいるようには思えませんでした。
彼が出すテストの問題の対策は超簡単でした。
「ここ、線ひいて!」
「ここはきっと…とっても重要』
と彼が授業中に言う時だけ、生徒は彼の言葉に耳を傾けます。(100%テストに出題!する合図だった)
さらにはテスト前になると、
「このプリントやっとくといいよ」
とプリントをくれました。これが問題でした。
このプリントほとんどテストの問題そのままなのです。笑
その中プリントの中には教科書の一枚の写真を抜き取り、
「左の写真(白黒)を右の枠の中にそのまま描きなさい」(ちゃんと描けたら10点)
という問題までありました。
日本中の高校教師の方に怒られてしまいそうですが、実際です。
実際に私の担任は、この世界史教師のおじいちゃん先生が出す絵を描かせる問題に対して、「これは教師の怠慢だろ!」と思っていたそうです。
生徒からは「ちょろい」
同僚の先生からは「怠慢」
こんな先生が教職についていいのでいいのか?
当時の私はそんなふうに感じていました。
29歳になったいま、先生に感謝しています。
なぜなら、高校の教科の中で1番記憶に残っているテストだからです。
よくわからないまま描かされる絵
その判断基準も曖昧
(10点満点中、部分点は先生の独特の判断基準)
それでもこうして、noteに綴るぐらい記憶に残っています。
理由は、絵を描かせるインパクトが大きく
その時代背景や、絵の説明など、
他の問題よりも遥かに記憶に残っているからです。
なんか教育って、難しいなと思った次第です。
こんな適当なテストの出題が、10年経った
大人にもnoteに綴らせるぐらいインパクトがあるって。
テストや大学試験のための教育ではなく、
人生の知識としての教育って、
本来はこういうものなのかもしれません。
#高校生 #教育 #先生
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