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Webライター 久保田幹也|本気でお客様に向き合って価値を提供する【職業図鑑No.014】

インターネット上にあるさまざまな記事を執筆するWebライター。日ごろネットサーフィンで記事を目にすることはあっても、記事を書く人と実際に関わる機会は少ないのではないでしょうか。

今回は、自身もWebライターとして活動しながら、文章に関わる幅広いフィールドで活躍されている久保田 幹也くぼた みきやさんをインタビュー!

Webライターを始めたきっかけや仕事への向き合い方、思い描く未来についてお話を伺いました。

自動車整備士からWebライターへ

ーー ひと口に「Webライター」といってもいろいろなお仕事があると思うのですが、久保田さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

僕はWeb上の記事を中心に、ホームページの制作や取材、SNSで発信する文章の作成などをやっています。最近はチラシやポスターなど、紙媒体ばいたいでの仕事も始めました。あくまで文章だけですけど(笑)

とは言っても、実は自分が書く機会は減ってきていて、今は営業隊長みたいになってきてますね(笑)文章関連で困っているお客様からお仕事をいただいたらライターさんに割り振って、自分はディレクションに回ることが増えてきました。

ーー ちなみにWebライターのお仕事自体は、いつ頃から始められたんですか?

Webライターの仕事を始めたのは3年半ほど前ですね。

新卒で塾の先生になって4年ほど働いた後、自動車整備士として2年間勤めました。ルーティンワークが肌に合わなかったのと、親戚が自動車関連の仕事をしていたこともあり、まったく畑違いの職種に転職しましたね。

で、自動車整備士の後半1年間で、副業としてWebライターを始めました。

ーー 最初は自動車整備士さんとして働きながらWebライターをされていたんですね。副業を始めたのには、何かきっかけがあったんですか?

副業を始めたのが2020年4月で、ちょうど新型コロナウイルス感染症がまん延し始めたころでした。初めての緊急事態宣言が出された時期にタイミング悪く風邪を引いてしまい、2週間出勤できなくなってしまったんです。まだあのころは「コロナってなんだ?」という、何もわからない状態でしたからね。

1回目の緊急事態宣言が出されたときの東京都の感染者数
(引用:nippon.com「第1回目の緊急事態宣言の日、東京の新規感染は87人だった : 第1波と第3波をグラフで比較」)

ただ、社会保障の面で本当に休んでいる間に給料が出るのかもわからず、収入がなくなるかもしれないという不安がありました。副業禁止であることはなんとなく知っていたものの、やらないと家族を養っていけなくなってしまうということもあり、家でできる仕事を探しました。

その結果たまたま家にパソコンがあったのと、もともと文章を書くのが苦手ではなかったこともあり、Webライターをやってみようと思いました。

ーー そこから今ではライターさんにお仕事を振る立場に?

もともとは人に仕事を振るのが苦手だったんですよ(笑)

ただ2021年の12月に、1か月で50万文字分の仕事を受けたことがあって……。結局かなり大きな額の収入になったものの、ふと「今後も同じペースで書き続けられるのか?」と思ったんですよね。

あとはSNS上のライターさんを見ていて、実力があるのに巡り合わせが悪くて、なかなか仕事につながっていない人がいるのを疑問に感じていた部分もあります。

引用:アヒルクエスト「Webライターの業界を現実的な目線でまとめてみる【年収・人口など】

だったら自分が窓口になって、信頼できるライターさんに仕事をお願いしようと考えました。当時参加していたオンライン作業会で知り合ったライターさんを中心に、仕事を依頼し始めたのがきっかけです。

今ではライターに限らず、いろいろな職種の方と一緒に仕事をしています。

ーー ご自身が記事を書いていたところから、お仕事の幅がどんどん広がっているんですね。

そうですね。前々から、自分がやっているSEOライティングは万能な手段ではないだろうとはなんとなく感じていました。でも確証は持てなかったんです。

そんな中で仕事を通してほかの業界の方と関わるようになり、SEOライティング以外の手段にも触れる機会が増えました。ほかの選択肢を知ったことで、改めてライティングが万能な手段ではないことを確信したんです。

だからお客様の悩みに対してほかの解決策が最適だと判断したら、その方法に詳しい方を紹介することもあります。最近はWebライターだけでなく、人材紹介やマーケターみたいにもなってきていますね(笑)

お客様と仕事仲間の引き出しを増やしたい

ーー お客様と相談のうえで別な方を紹介するとなると、久保田さんのお仕事には直接つながらないこともあるんじゃないでしょうか。

もちろんあります。ただ、僕は自分の商品を売りたいわけではなくて、お客様に解決策の引き出しを増やしてほしいと考えているんです。

正直、文章を書くのは日本語の読み書きができれば誰でもできることだと思っているんですよね。昔は賞レースなんかで入賞しないと物書きを名乗れなかった。でも今は文字どおり誰でもできます。言い方悪いですが「政治家から犯罪者まで誰でもなれる」と思っています。

だから、あえて僕が文章を書く必要はないんです。そんな中でプロにお願いして、お金を払ってまで文章を書いてもらおうとしているのは、よほど切羽詰まった状況だと思うんです。

感じたことをまとめたという、久保田さんの電子書籍(久保田さん提供)

とある会社の社長さんに依頼されたとき、僕と倍近く年が離れた人でしたけど、画面越しに深々と頭を下げられた。そんな経験をしたことがなかったので、当然びっくりしましたよ。でもそれぐらい切羽詰まっているお客さんって、実際にいるんです。

一方で、僕が出る幕ではないこともある。そんな時は「あ、じゃあ知り合いにプロいるんで紹介しますね」って。普通に言います。ライティングを無理に売っても方法が適切じゃなかったら意味ないですからね。

だから僕はお客様とお話をするときに、お客様が抱えている課題に対して自分が役に立てるのか、ほかの方を紹介した方がよいのかを判断するようにしています。お客様の中にはマーケティングに詳しくない方も多くいらっしゃって、Web上の記事を使って集客する以外の手段を知らないまま僕に相談してくださっていることも少なくありません。

だからこそ、より最適な方法があると判断した場合は、その道に詳しい方を紹介するようにしています。自分がお客様の立場だったとしたら、より効果の出る方法に投資したいですもんね。

ーー たしかに私がお客様だったとしても、自分が知っている手段より最適な方法があるなら知りたいって思いますね。そんなふうにお客様と関わる中で、言われて嬉しかった言葉やお仕事にやりがいを感じる瞬間はありますか?

自分がお客様のサイトで記事を書いた場合は、そこから1件でも問い合わせにつながれば嬉しいですね。今関わっているお客様の中には、頻繁に成果を報告してくださる方もいます。そうやって報告してくださるのは、お客様との信頼関係ができている証拠なのかなと感じます。

常に勉強。そしてベストな回答を探しています。(久保田さん提供)

ほかの方を紹介した場合も「久保田さんが紹介してくださった方との契約が決まりました!」と報告してもらえると、紹介してよかったなと思いますね。課題解決に向けた道筋をはっきりさせるお手伝いができたのかなと感じます。

あとはお客様だけでなく、一緒に仕事をするライターさんにも何か還元できるものがあればいいなと思っています。なのでお仕事の依頼をいただいたときに、一緒に仕事をするライターさんが力を発揮できそうな仕事かどうかも考えるようにしています。

それから、今は自分とつながりのある方にお願いをして、ライターさん向けにセミナーを開催しているんです。お客様だけでなく、ライターさんの知識の引き出しも増やせると嬉しいなと思っています。

ーー お仕事を通して、お客様とお仕事仲間の両方に還元したいという思いがあるんですね。

仕事って、一人で勝つのは簡単なことだと思うんです。「黙れ」「座れ」「やれ」だけなんで(笑)ただ、自分一人でうまくいって楽しいかと言われると、また別問題なんですよね。

じゃあ「全体として伸びていくにはどうしたらいいか?」って考えたときに、僕は自分がもっている人とのつながりをもとにして、フリーランスの世界全体をよくしていけたらいいなと思ったんです。

本気でお客様のことを考えられるライター集団に

ーー 久保田さん自身は、お仕事を通じて今後かなえたい夢はありますか?

僕自身が仕事を通してどうなりたいかについては、正直はっきりしていないんですよね。その場の流れや思いつきで進んでいる部分も大きくて(笑)

ただ、一つ明確にするとしたら、「本当の意味でお客様思いのライターを育てたい」とは思っています。

ーー 本当の意味で、とは?

そうですね......日本語の読み書きができれば誰でも書ける「文章」に、あえてお金を投資してでも依頼しようとしている、そんなお客様の状況を想像できるライター集団を作りたいんです。だから僕がやりたいことの一つには、ライターとしての考え方を伝えることがあります。

最近は現地でのお仕事もされています。(久保田さん提供)

ただ一人のライターとして文章を書く立場だったころは、何も考えずにひたすら記事を書いて納品していたことももちろんありました。ただ、経営者の方と直接お話しする機会が増えたことで、どれだけ切羽詰まった状況で相談してきてくださっているかを痛感するようになったんです。そんな必死の思いを感じ取ったときに、ただ文章を書いて納品するだけなのは失礼じゃないかなと思うようになりました。

ライターさんが直接お客様とお話しする機会は少ないですが、少しでもお客様の立場に立って考えようとする心持ちがあれば、仕事への向き合い方は変わるんじゃないかなと考えています。

ーー 本気でお客様の立場に立つことは、どんな職業にも大切な考え方ですよね。お客様には、どんな未来を実現してもらいたいですか?

一番は「久保田さんに相談してよかった」と言ってもらえることです。もちろん結果が出るのが一番ですが、僕に相談したことで新しい戦略が生まれたらいいなと思っています。

あとは、僕の知らないところでもいいので、お客様が考えたサービスが世の中に広まってほしいですね。僕に相談してくださる方々は、世の中に何かしらの新しい価値を提供したいと考えていることがすごく多くて。その新しいアイデアが、世の中のスタンダードになる日が来たら嬉しいです。

編集後記

Webライターから始まり、文章に関わるお仕事を幅広く引き受けていらっしゃる久保田さん。その裏側には、お客様や仕事仲間に対する一貫した強い想いがあることを感じたインタビューになりました。

目の前で困っている人のことを本気で考えて悩みに向き合う。どんな仕事にも通じる大切な考え方を、久保田さんのお話から改めて学びました。

久保田さんについてさらに詳しく知りたい方は、以下のリンクもご覧ください。

▶ 久保田さんTwitter

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