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子どもを持ち、新しい人生に出会う

岡田さんの文章はこんなに力強かっただろうか。

前著を読んだのはだいぶ前だから、もしかしたら全然変わっていないのかもしれないが、たしかに、言葉に強い芯のようなものが宿っているように感じた。
そうだとしたら、間違いなくこの本で描かれている"子どもを持つこと"がそうさせたのだと思う。

いままで自分のために流れていた1分1秒の時間が、誰かのものとなっていくだけでなく、輝き出していく。この本は、そんな時間の積み重ねが、子どもへの手紙というかたちで、愛と優しさを持って描かれたエッセイだ。

旅は新しい世界を発見することができる。
育児も子どもを通じて、新しい世界を見ることができる。
育児がすごいのは、それだけではなく、まるで自分の人生まで新しいもののように変えてしまうことではないだろうか。

すべての親をそのように変化させてしまうのかはわからないけれど、きっと著者のように、新しいものに満ちたこの世界に子どもと一緒に驚き、発見し直すことを通して、人生まで変化させていくもののように思える。

文字通り、もう一つの人生を生むという責任とともに、自分の人生まで新しくさせるのだとしたら、子どもを持つことはなんて尊いことなんだろう。

想像つかないことだらけだけど、1つの大きな選択肢として、私の少し先の未来に輝いてみえるようになったのは事実だ。
そんな素敵なことを教えてくれて、ありがとうございました。

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