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メイクは誰のためにするのか?

この前友達からこんな話を聞きました。

ある日私の友達の彼氏は、女性が化粧をすることについて

「メイクは男の為にするものでしょ?」

と言ったそうです。それを聞いた友達は唖然として、思わず「いやいや、ちょっと待って何それ」と言ったとのこと。

確かに、メイク=男性の為っていう凝り固まった考え方自体がおかしいよなぁ…というかそれって、メイク=「女性特有」のものと考えているということにもなるよね。

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この話を聞いて以降、果たして一体私は誰のためにメイクをしているのだろう?と考えるようになりました。

外に出る時、人に会う時、

私は決まって鏡に向かい何十分も化粧をします。

肌を整えて、眉毛を描いて、目元を彩り、最後に唇にその日の気分の色のリップを飾る。

そうやって、同じようなルーティーンを何十年も過ごしてきました。

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私がメイクをし始めたのは、中学生の時。

人生で初めて買ったコスメは、確かリップだった気がします。200円くらいの安いリップ。なぜ最初にリップを買ったのか理由は忘れたけど。

高校生の時に、初めてアイプチを付けて学校に行きました。試行錯誤の上に出来たヘタクソな二重にして恐る恐る学校に行き始めてから約数週間後に、先生から「最近表情が明るくなったな」と言われたことは今でも忘れられません。

実はそれから自然に二重になるまで何年もの間、いろんなアイプチ、メザイクやまつげパーマとかに手を出してしまうことにはなるんですけどね。

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大学生だったある時、友人との海外旅行先で写真体験をすることになって、写真用にプロのメイクさんに化粧をしてもらう機会がありました。

成人式以来初めてしてもらう、プロのメイクさんによる本格的な化粧。

プロの手によって完成した私のメイクを見た友達は、私を見るなり「めちゃくちゃ綺麗!!」と褒めてくれました。友人のそんな大袈裟なリアクションを初めて見た為、疑心暗鬼になって思わず鏡に写った私を覗き込んでみると、たしかにいつもの私より何倍も輝いているように見えたのです。

その友達からはその時だけは女優の○○みたい、とか色んなことを言って褒めてくれて、この出来事をきっかけにメイク次第でこんなに私も変わるんだななんて改めて実感したのでした。

そんなこんなで社会人になった今でも私はメイクが好きで、色んなコスメを探したり口コミを見ることが楽しくて、メイクが趣味の一つのようになっています。

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こうやって私のメイクに関連する人生を振り返ってみて、何となく分かったような気がします。

誰のためにメイクをするのか。

私自身の答えを言うとするならば、それは

私は私のためにメイクをしているのだと。

そしてもう少し詳しく説明すると、「私のために」というのは「私の『自信』のためにということでもあります。

私の考えるメイクとは、本体を守りつつもさらに強化するための鎧(よろい)のようなもの。

ガンダムでいうモビルスーツ、

ベイマックスでいうアーマーアップ、みたいな。

鎧を身につけることでもっとパワーが強くなる=自信が付くような気になるのです。

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実際大人になってからメイクが上達して自分に自信が付いてきた頃から、日本社会でほんの少しだけ生きやすくなったような気がしました。社会の私を見る目が、やっと怖くなくなってきたのです。

でもそこで後から分かったのが、実は変わったのは社会ではなくて私の心の持ちようだったということ。

そう、実は残念ながら社会は何も変わってなんかいなくて、単に私がメイクという武装をすることで自分をポジティブに捉えることができるようになっていただけだったのです。

だから私はメイクは手段の一つだなと考えています。メイクをあまりしない人のことを否定する必要性は全く無いし、これもある種の社会を生き抜く術の膨大な手段の中のひとつなのだと考えれば良いのだも思うのです。

ちょっと壮大な話になってきたかな。。

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あと最初の「メイクは男の為」という言葉についても。

世の中には未だに「これをすれば男受け♡ナチュラルメイク」みたいな男性に媚びるための特集を組んだ雑誌や記事は沢山あるけど、それを見る度にいつもなぜか悪寒が走ってしまいます。

メイクを男性受けのために行う女性は私の周りでも少なからずいるし、または特定の人達に魅せるための見映えが必要な職業に就いている方もいるので、必ずしもメイクを「誰かに媚びる」ために使うこと自体が悪いことではないけど、でもそれだけが全てではないはずだって。

じゃなきゃ地雷メイクとか中華メイクのような、言ってしまえば自己満足に近いようなメイクは流行らないですよねきっと。メイクを相手関係なしに、ただ素直に自分のために楽しみたい人は私が思っている以上に多いんだと思います。

それに男性だって普通にメイクをしている人が増えていてジャンダーレス化が進む中で、メイクという言葉を特定の性別の箱に押し込んではいけないはず。

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“メイクは誰のためにするのか?”

この問いに対する私の答えは「自分のため」だったけど、人によって回答は千差万別だと思います。

でも、メイクをすることで少しでも自分や誰かのためになるのなら、それは素敵なことだと思うのです。

…実はメイクなんて面倒くさいことだし、人から見た目で評価されたくないな〜!メイクしないで暮らしてみたいな〜!なんてことも本当にたまに考えることはありますけどね。

けど、それ以上に「どんなコスメを買おうかな」とワクワクしながら在宅仕事なのに新作のリップやチークを調べている私は、やはりメイクそのものが好きなのだろうな、なんてね。



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